子供のときに性役割の固定観念をどこで植え付けられるかといったら、テレビや学校、家庭が大きいのではないでしょうか。そんななか、身近にその性役割から自由な人たちが人がいてくれたらどんなに心強いでしょう。矢吹透さんの小学生時代のエピソードは、しみじみと興味深いものです。
僕が8歳の年に、我が家は日本に帰国し、吉祥寺の祖父の借家に戻り、生活することになった。
武蔵野市立井の頭小学校の二年生のクラスに、僕は編入する。
変わった転校生だったと思う。
香港という異郷から突然、やって来て、東南アジアでの暮らしで強い陽射しに晒され、灼けた僕の肌は浅黒く、茶色いランドセルを背負っている。
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美しい暮らし
日々を丁寧に慈しみながら暮らすこと。食事がおいしくいただけること、友人と楽しく語らうこと、その貴重さ、ありがたさを見つめ直すために。