ずいぶん昔だが、雑誌で読んだある芸能ニュースが強く印象に残っている。
俳優同士の離婚のニュースだったが、妻のほうが子宮頸がんを患い、子宮を摘出したところ、夫に「もう女じゃない」と言われたのがショックで心が離れ、三下り半をつきつけたという記事だった。
子宮がなくなるから、「女じゃない」って、どういうこと? 女の人って、子どもを産むために存在してるの? じゃあ子どものいない女の人はどうなの? と、もやもやしたものがこみ上げてきた。それまで、生理はあったけれど、妊娠した経験もなく、「子宮」についてちゃんと考えたこともなかった。
「子宮=女」的発想について
そろそろ閉経かな? と思って、この連載をはじめたが、同世代や、年下でも、「私、もう生理ないよ」という人は、結構いる。早期閉経や、病気により子宮の摘出をした人たちだ。
彼女たちは、ホルモンバランスの乱れやら何かしら不調はあるかもしれないが、見かけは以前と変わりなく、普通に仕事をしているし、子宮をなくしたことにより「女終わり!」なんて様子もない。
そもそも「女」とは、なんなのか。肉体の話か、心の話か、ジェンダーの話なのか。
子宮=女ならば、たとえば私は子宮はあるけれど、子どもを産んでいないし、これからも作ることはない。子宮がない人、子宮があっても子どもを産めない、産まない人は、どうなのか。もっと言うと、手術して男から女になった人、心が女で身体が男だって人も、たくさんいる。
子宮の有無や閉経が、セックスの快楽や性欲とどう関係しているのかは、私にはわからない。「子宮なくなっても問題ないし、性欲もある」という人もいるし、極端に「セックスの快感も性欲も終わり―!」ということではないだろうし、ましてや「女終わりー!」っていったい誰が決めたのか。
子宮があろうとなかろうと、女は女だし、子宮は臓器に過ぎない。
と、思っているのだけれど……。
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ヘイケイ日記~女たちのカウントダウン
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