ブランドプロデューサー柴田陽子さんの新刊が2月20日に発売しました。
彼女の人生に迫り、成功の秘訣や仕事術を、ひも解いたのが、『勝者の思考回路 成功率100%のブランドプロデューサーの秘密』。
柴田さんは、名だたる企業のトップから指名されるブランドプロデューサーです。
その活躍は非常に華やかで、『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)でも話題になりました。驚くことに、柴田さんは、独立して以来、「仕事をとるための営業をしたことがない」そうなのです!
それでも仕事の依頼が次々と寄せられています。そして着実に実績を残してきました。その秘訣を明かした本書より、試し読みをお届けいたします。
第1章 「勝者の思考回路」の基本より
小さなことに”すべて”が宿る。
□ 成功の理由も、相手の真の姿も、「小さなところ」に出ている。
□「良い感想を持つ」ためにも、小さなことにこだわる。
□ あなたは、相手からのメールについてる「!」を気にすることができるか?
□ 目の前の状況を漫然と見ているだけでは、必ず誤解をする。
私は普段から、実に小さなことにこだわります。
というのも、「小さなことにすべてが宿っている」と考えているからです。
成功の理由も失敗の原因も、あるいは1人の人間の真の姿も、すべて小さなことに宿っています。
そもそも、将来の成功の可能性があっても、最初はほんの小さな芽の部分しか表に出ていないものです。その芽の奥、地中に眠るでっかい実を掘り当てられるのは、小さなことを大切に観察している人だけです。
小さなことにこだわる態度は、成功を手にするチャンスを増やすだけでなく、失敗を避ける意味でも重要です。将来の失敗もまた、今はほんの小さな芽しか表に出ていないからです。それを注意深く見ることができなければ、地中に隠れている地雷を踏み抜いてしまう危険もあるでしょう。
だから私は、シバジムの社員にも、しょっちゅう小さなことをあれこれ言っています。たとえば、朝出社したときにゴミが溜まっていたとします。そんな些細なことでも、スタッフの仕事に対するストイックさが欠けているのではないか、掃除当番の仕組みに穴があるのではないかと、心配になります。そのことに、誰も気づかずにいたのは、重大な問題だ。これでは、成功の芽も失敗の芽も見つけることができない社員を育ててしまうことになる……と。
先程までテーマにしてきた「感想」も同様です。感想を持ち、その数を増やしていく、というのも、とても小さいこと。そもそも小さな部分を注意深く観察して拾い上げなければ、感想を数多く持つことは難しいですし、そうやって「良い感想」をひとつずつ増やしていくことは、とても地味で小さい作業です。
たとえば、普段のメールでは語尾に「!」をよく付ける人が、今回のメールではひとつも付けていなかったとしたら、今その人は怒っているかもしれない。この件に対して不本意なのかもしれない……。これは大変な事態だと思うべきです。
そこで私は、「いつものメールと様子が違うけれども、何かありましたか」「まだ、こちらがちゃんと把握できていないかもしれません。違和感があったらいつでもおっしゃってくださいね」と、すぐ聞き返します。
でも実際には、それに気づかない人もたくさんいるし、「それくらいのこと」とスルーする人もいる。しかしながら、そこに気づく人と見逃す人とでは、同じ1時間、仕事をしたとしても、30個分も50個分も感想の数に差が出てきてしまいます。
たったの「!」一文字。そんな小さいところに相手の本音がくっきり表れ、やりとりの本質が宿っています。「良い感想」と「普通の感想」の差がつくのは、その「!」一文字をとらえることができるかどうかだったりするのです。
ほかにも、相手の言葉遣い、言葉選びに対しても、意識を持ちたいもの。ちょっとした言葉の変化の中に、たいへんな情報が隠れています。
その人の表情やしぐさを観察することはもちろん大事ですが、表に出ている情報のみを漫然と見ているだけの人は、だいたい誤解をしています。「言葉」という小さく地味なものを疎かにしてはいけません。
逆も真なり。相手の言葉に敏感になると同時に、自分が使う言葉にも、大いに意識を働かせなくてはなりません。たったひとつの言葉が、相手の心に刺さり、大きく物事を動かすことはあるものです。実際私も、ある言葉をメールでいただいて「ありがたい!」と思い、大きな決断をしたこともあります。
成功のポイントは、そんなふうに、目の前のとても小さいものに宿っているのです。
* * *
本質は小さいことにこそ宿っている。意識的に感じるようになることが「勝者の思考回路」を身に着ける第一歩です。
次の更新は3月3日(火)。お楽しみに。
勝者の思考回路
柴田陽子さんの『勝者の思考回路 成功率100%のブランドプロデューサーの秘密』が刊行されました。
柴田さんは、名だたる企業のトップから指名されるブランドプロデューサー。
その業績は非常に華やかで、『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)でも話題になりました。
なんといっても驚くべきは、柴田さんは「独立して以来、仕事をとるための営業をしたことがない」ということ。
それでも仕事の依頼が次々と寄せられています。そして着実に実績を残してきました。
そんな彼女の人生に迫り、成功の秘訣を、ひも解きます!