中国・武漢市から始まった新型コロナウィルス感染症。日本でも感染者や死亡者が出ている。若い人、持病がない人は感染しても「重いカゼ程度」で回復するとも言われているが、一方で重症化したり長期化したりする人もおり、有効な治療法や防御法もないまま、世界が警戒態勢を続けている。
日本でも感染者が増えているが、そのあたりの空中どこにでもウィルスが蔓延というところまではいかず、感染者と接する機会がほぼない人は、マスクを着用するまでもないのではないか、と専門家は言う。
そもそも、ウィルスはとても微小であるため、すき間だらけの一般のマスクで鼻や口を軽くおおうくらいでは、ほとんど感染症を予防する効果はない、というデータもある。
一般の人たちがマスクを買い占めたため、医療現場でマスクを切実に必要としている人たちが購入できないという事態も生じている。友人の歯科医も、「業者から『当分マスクの発注は受けられません』という連絡が来た。いまクリニックにある分を使いきったらどうすればいいのかな」と困り顔で話していた。私は、SNSや雑誌の連載コラムで繰り返し「マスクの不要な買い占めはやめて」と訴えてきた。
そんな中、大学は入試のシーズンを迎え、私も何度か勤務先で監督業務を担当した。朝、受付で名前を告げると、担当教室の割り当てとともに毎回、マスクをわたされる。「受験生に不安を与えないように、監督は着用のこと」というお達しだった。
はて、どうすればいいのか……。
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おとなの手習い
60歳という人生の節目を前に、「これからの人生、どうする?」という問いに直面した香山リカさん。そこで選んだのは、「このまま穏やかな人生を」でなく、「まだまだ、新しいことができる!」という生き方。香山さんの新たなチャレンジ、楽しき悪戦苦闘の日々を綴ります。
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