ブランドプロデューサー柴田陽子さんの新刊が2月20日に発売しました。
彼女の人生に迫り、成功の秘訣や仕事術を、ひも解いたのが、『勝者の思考回路 成功率100%のブランドプロデューサーの秘密』。
柴田さんは、名だたる企業のトップから指名されるブランドプロデューサーです。
その活躍は非常に華やかで、『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)でも話題になりました。驚くことに、柴田さんは、独立して以来、「仕事をとるための営業をしたことがない」そうなのです!
それでも仕事の依頼が次々と寄せられています。そして着実に実績を残してきました。その秘訣を明かした本書より、試し読みをお届けいたします。
第1章 「勝者の思考回路」の基本より
「言う」と「伝える」は違う。
□ 言葉選び次第で、人間関係は、美しいものにも、雑なものにもなる。
□ 言葉は、相手のためのもの。「伝わらなかったら」意味がない。
□ 言葉が伝わらなかったのは、相手の理解力不足が原因ではなく、あなたの伝える力が足りていないから。
□「伝えたらおしまい」じゃない。「ちゃんと伝わっているかどうか」が大事。
□「自分の言ったことは正しく相手に伝わっていないのではないか」と恐れる繊細さを。
私たちのコミュニケーションは、ほぼ会話で成り立っています。だから、普段からどういう言葉選びをしているかは非常に大事です。言葉選びは、コミュニケーションの一丁目一番地です。
ただし、こちらから何かを「伝えよう」と思ったときには、言葉を選ぶだけではまったく足りません。その言葉が、こちらが期待している形で相手に届いているとは限らないからです。
言葉は、それを話しているこちらのものではなく、「受け止めている相手のものだ」という認識が必要です。あなたの発した言葉を、どうとらえ理解するかは相手の自由なのです。
だから、相手がクライアントであっても、社員であっても、子どもであっても、友だちであっても、恋人であっても、私は何か伝えたいことがあれば、言いっぱなしにはしません。必ず、相手の表情、相づちの打ち方、返ってくる言葉などを丁寧に観察し、本当に伝わっているかどうかを確認しながら話を進めます。
でも、なかなかそれができている人は少ないのです。そのため、どこかで齟齬が生まれ、本来ならば手にできるはずの成果を逃しています。
シバジムがブランディングをお手伝いする企業でも、経営者にヒアリングを行うと「いくら言っても社員がわかってくれない」という声がよく聞こえてきます。彼らはたしかに「言っている」のだけれど、「伝える」ことができていないため、経営者の目指すことが実現できずにいるのです。
こうした行き違いは、現場の社員同士でも起こります。
「私は、○○さんにちゃんと話しました」
「○○君、あのときたしかに聞いていたよね」
だから、悪いのは自分じゃなくて相手だという主張がなされるわけですが、これほどナンセンスなやりとりはありません。
たとえ、会話を録音しておいて「ほら、私は言っていたじゃないですか」ということが証明されたとしても意味はありません。
なぜなら、言ったけれど伝わらず、それが実現しなかったらそれまでだからです。
大事なのは結果であって、どちらが正しいかではありません。
とくにこれからは勤務形式も多様化し、直接に顔を合わせることなく進んでいく仕事も増えていきます。そういうときに、「私はちゃんと言ったからOK」というスタンスでいれば、失う物も多いでしょう。
一方で、「自分の言ったことは正しく相手に伝わっていないのではないか」と恐れる繊細さをいつも持ち合わせていれば、微妙な修正も可能になるので、たいていのことは伝わるはずです。
* * *
相手に「伝える」ためには「言う」だけではダメ。相手の受け止めが重要だと知っていることが大切なのですね。
次の更新は3月10日(火)。お楽しみに。
勝者の思考回路
柴田陽子さんの『勝者の思考回路 成功率100%のブランドプロデューサーの秘密』が刊行されました。
柴田さんは、名だたる企業のトップから指名されるブランドプロデューサー。
その業績は非常に華やかで、『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)でも話題になりました。
なんといっても驚くべきは、柴田さんは「独立して以来、仕事をとるための営業をしたことがない」ということ。
それでも仕事の依頼が次々と寄せられています。そして着実に実績を残してきました。
そんな彼女の人生に迫り、成功の秘訣を、ひも解きます!