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勝者の思考回路

2020.03.12 公開 ポスト

ビジネスの情熱を共有する方法柴田陽子(ブランドプロデューサー)

ブランドプロデューサー柴田陽子さんの新刊が2月20日に発売しました。

彼女の人生に迫り、成功の秘訣や仕事術を、ひも解いたのが、『勝者の思考回路 成功率100%のブランドプロデューサーの秘密』

柴田さんは、名だたる企業のトップから指名されるブランドプロデューサーです。

その活躍は非常に華やかで、『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)でも話題になりました。驚くことに、柴田さんは、独立して以来、「仕事をとるための営業をしたことがない」そうなのです!

それでも仕事の依頼が次々と寄せられています。そして着実に実績を残してきました。その秘訣を明かした本書より、試し読みをお届けいたします。

(写真:iStock.com/Christian Horz)

第1章 「勝者の思考回路」の基本より

「感動」と「言葉」と「ストーリー」が重なると、最強。

□ 相手に感動したとき、どんなふうに伝えればいいのか? 私は美しいストーリーにして伝える。それによって相手も感動し、ビジネスへの情熱を共有できる。

□ 相手の言葉の向こうにある背景や思いを想像して、自分なりの言葉にする。

□「感動力」の強さが、私の武器になる。
 

私が尊敬するビジネスパーソンの一人に、ある土地の大規模開発に携わった社長さんがいます。

その人は、まだ誰も注目していない30年前から、その土地の可能性を見抜き、駅前に広大な土地を持っていた企業にアプローチを重ねていたそうです。

そして、自分の夢の実現にあたり、シバジムに声をかけてくれました。

「僕は30年前、この土地に立って思った。ここはまだ野っ原もいいところで何もないけれど、将来、日本を代表する、郊外の暮らし方を提案できる素敵な街になるべき場所だ、と。東京にも近い。横浜にも近い。しかも、ここなら都心よりも広い家を持つことができる。お母さんも働きながら、子育ても安心してできる。心豊かな生活が送れる場が作れる!」と。

「あれから30年経って、開発の機会が巡ってきた。でも、残念なことにそれを実現する社員を育てることができなかった。それは僕の不徳のいたすところです。あなたのことをテレビで見て知り、いろいろ手がけた物件も見てきて、あなたには特別な力があると思いました。渋谷のプロジェクトではレストランのワンフロアを手がけたそうですが、僕が全部頼んだら、あなたは張り切ってやってくれますか?」

こうまで言われて、張り切らないはずがありません。私は最大級の情熱をかけてこのプロジェクトに取り組む決心をしました。

その人が、完成した商業ビルの屋上で空を見上げながら、「柴田さん、僕はこういうのが作りたかったんだよ」と言ってくれる日が来るまで、私は仕事が100倍に増えようとも頑張ろうと決めたのです。

そして、100倍とまではいかなかったけれど非常に多忙な日々を送り、その商業施設は完成。大成功を収めることができています。

ちなみに、その人の言葉は、正確にはここに記した通りではなかったかもしれません。おそらく、もう少し無骨なものだったと思います。でも、私の耳にはそう聞こえ、

心にはそう届いたのです。

そんな私に対して、その人はいつもこう言ってくれています。

「あなたは、僕が口にした言葉の部品を整え、とても素敵なストーリーにまとめてくれるね。本当に嬉しいよ」

もちろん私は、ウソを作り上げてはいません。ただ、その人が使っている一言一言をより深く読み取っているだけです。

その人は、これから広大な土地をどう活用していくかについて語っていたわけですが、そのときの私には、もうひとつ別の画像が見えていました。相手が話し始めたときには、その背後で勝手に映像が動き出していたのです。

彼は、これまでたくさんの苦労をしながら、いつか大きな仕事をする人間になりたいと夢見てきた。若い頃にこの土地を眺め、いつかはきっと、と考えていた。そして

頑張って頑張って、今ここまでの地位に上り詰め、かつて眺めていた土地で30年前の夢を叶えようとしている。その夢が今、私に託されようとしている……。

こうしたストーリーがその人の背後に映し出され、そこに私が関わらせていただけることへの感謝や感動が、「美しい言葉」を選ばせるのかもしれません。

このケースに限らず誰に対してもそうですが、その人の生い立ちや背景、大切にしている価値観を盛り込んで話を聞き取るというのが私のスタンスです。そうすることで、その仕事への愛着、取り組み方というものが、数段、深まっていくからです。

*   *   *

相手の背景にまで思いをはせることで、ビジョンを共有し、さらなる感動を生み出せる。柴田さんの相手への姿勢、とても素敵です。

次の更新は3月17日(木)。お楽しみに。

柴田陽子『勝者の思考回路 成功率100%のブランドプロデューサーの秘密』

「『張り合う』『負けない』は今の時代のエネルギーにはならない」「勝者の思考回路は『感想』を持つことから始まる」「小さなことに“すべて"が宿る」「すべてことに『理由』がなくてはならない」「『言う』と『伝える』は違う」「人の話の『聞き方』次第で、その後の人間関係が180度変わる」「『感動』と『言葉』と『ストーリー』が重なると、最強」「『たいへんなときに逃げなかった』経験は、絶対的な自信を与える」「人は品格がすべてです」 ほか、彼女がなぜ圧倒的な勝者として引く手あまたなのか?余すことなく伝える。  

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勝者の思考回路

柴田陽子さんの『勝者の思考回路 成功率100%のブランドプロデューサーの秘密』が刊行されました。
柴田さんは、名だたる企業のトップから指名されるブランドプロデューサー。
その業績は非常に華やかで、『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)でも話題になりました。
なんといっても驚くべきは、柴田さんは「独立して以来、仕事をとるための営業をしたことがない」ということ。
それでも仕事の依頼が次々と寄せられています。そして着実に実績を残してきました。
そんな彼女の人生に迫り、成功の秘訣を、ひも解きます!

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柴田陽子 ブランドプロデューサー

外食企業にて新規業態開発を担当した後、化粧品会社でのサロン業態開発などを経て、2004年「柴田陽子事務所」を設立。

コーポレートブランディング • 店舗開発 • 商品開発など多技に渡るコンサルティング業務を請け負う。セブン&アイ・ホールディングス「グランツリー武蔵小杉」総合プロデューサー、ミラノ国際博覧会日本館レストランプロデューサーを務める他、パレスホテル東京、東京會舘、東急プラザ渋谷など幅広くブランディングに携わる。

2013年秋アパレルブランド「BORDERS at BALCONY」を立ち上げ、デザイナーを務める。

 

 

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