上質な服を30年も大切に着る、80歳になっても恋をする、なんでも「イエス」と言わない……。赴任先のフランスで出会った、年齢を気にすることなく、シンプルかつシックに生きる女性たち。そんなフランス女性の「美の秘密」に迫ったのが、『フランス人が何気なくやっているシンプル・シックな36の法則』です。私たち日本人も参考にしたい習慣が盛りだくさんの本書から、一部をご紹介します。
* * *
自己診断は危険!
フランスの友人たちから学んだ貴重な教えのひとつ。それは、皮膚科の主治医を持ちなさい、ということです。
★
正直なところ、これにはびっくりしました。というのも、わたしは、深刻なアレルギーに悩む母と一緒に皮膚科を訪れた経験しかなかったからです。
ボディ・トリートメント関連の施術を行う医師やエステティシャン、資格を有する専門家たちは、「スキンケアにおいていちばん危険なのは自己診断だ」と口を揃えます。
パリにあるソティス・スパのディレクターで、エステティシャンのキャロル・デュビレはこう言います。
「よく、乾燥肌だとか脂性肌だとか言うけど、そういうのは、肌に合わない商品を使ったときや、天候、暑さ、エアコンといった外的な刺激に長くさらされたときに感じることなの」
たいていの女性はクレンジング・クリームやトリートメントを選ぶとき、友人やセールスマンの意見、広告や愛読誌の記事を参考にします。でも、情報をいくら集めても本当に自分に合っているかどうかはわからないのです。
「時間と労力とお金の浪費ね」とデュビレは指摘します。
「専門家なら顔を見ただけで肌の状態がわかるのに。専門家に診てもらえば、そこから先は正しいケアができるわ」
フランス女性にとって、親しい友人仲間でつくるグループ「コトリー」はなくてはならないものですが、メンバーの皮膚科医は、時間が経つにつれて欠かせない存在になります。
年一回は検診を受ける
パリ在住の著名な皮膚科医、ヴァレリー・ガレによれば、治療の必要がなくても年に一回は皮膚科医の検診を受けたほうがよいとのこと(クライアントには映画俳優が多く、人目を忍ぶようにして診察室に入っていく姿を何度か目撃しています)。
★
「検査は頭のてっぺんからつま先まで徹底的にやって、メラノーマや気になる黒子がないか調べるの。そのあと美容法について話し合う。初めての方にはライフスタイルや、化粧品は何を使っているか、毎日どんな手入れをしているか訊ねて、もし肌に合わないものを使用していたらそれを説明するし、もっと効果のあるものを希望するなら別の商品を推薦して処方箋を出す。
何年も通っている患者さんでも、肌の状態が変わってくることがあるから、化粧品のブランドを替えたり、加齢に合わせて処方も変えたりする。ひとつのクリームを五年間も使い続ける理由はないわ。年齢や肌の状態に合わせて変えていかないとね」
皮膚科の主治医を持つのは贅沢ではありません。若々しく生きていくために手を結ぶべき必要不可欠な相手です。
皮膚科医にかかることは、大きな利益が見込める投資です。彼らの簡単な指示に従ってケアを進めれば、メイクの必要などほとんど感じられなくなるでしょう。メイクしたとしても、しているかいないかわからないほどナチュラルなものでよくなります。フランス女性のように。
店頭に行くと、きれいにパッケージされた見栄えのする化粧品が並んでいます。医師が推薦、処方するものに比べると効果は薄く、それでいて値段が何倍もするのは莫大な広告費がかかっているからです。
皮膚科医に定期的にかかるという投資の元は必ず取り返せます。
自分を大切にすることは甘やかすことではありません。心と体の幸せにつながり、結果として、周りの愛する人たちの幸せにつながります。
フランス人が何気なくやっているシンプル・シックな36の法則の記事をもっと読む
フランス人が何気なくやっているシンプル・シックな36の法則
上質な服を30年も大切に着る、80歳になっても恋をする、なんでも「イエス」と言わない……。赴任先のフランスで出会った、年齢を気にすることなく、シンプルかつシックに生きる女性たち。そんなフランス女性の「美の秘密」に迫ったのが、『フランス人が何気なくやっているシンプル・シックな36の法則』です。私たち日本人も参考にしたい習慣が盛りだくさんの本書から、一部をご紹介します。