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フランス人が何気なくやっているシンプル・シックな36の法則

2020.07.03 公開 ポスト

上質な服を30年も着つづける…フランス女性に学ぶ「真のおしゃれ」ティシュ・ジェット

上質な服を30年も大切に着る、80歳になっても恋をする、なんでも「イエス」と言わない……。赴任先のフランスで出会った、年齢を気にすることなく、シンプルかつシックに生きる女性たち。そんなフランス女性の「美の秘密」に迫ったのが、『フランス人が何気なくやっているシンプル・シックな36の法則』です。私たち日本人も参考にしたい習慣が盛りだくさんの本書から、一部をご紹介します。

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今あるものを組み合わせてみる

彼女たちは、いいものを十年、二十年と大事に着ます。それができるのは、ひとつには体重を一定にキープしているから。たとえ増減しても二キロから四キロ程度なので、いつまでも着られるというわけです。

さらに、上質な服は縫い代に余裕があって手直しがきくというのも、長く着られるもうひとつの理由となっています。

クローゼットに何年もあるお気に入りには、イヴ・サンローランのブラックレザー・ペンシルスカート(よく似た感じで、もう少しお財布にやさしいのは、たとえばアニエス・ベー)、夏用のペザントブラウス、コート類、年齢に関係なく着られるリトル・ブラック・ドレスなどがあるかもしれません。お気に入りというのは個人の好みなので、もしかしたらシャネルのスーツもあるかも。

でも、最近は上下お揃いで着ることはありません。スカートは、タートルネックや白いシャツと合わせて、ヒップアクセサリーを。レザージャケットは、タフでシャープな着こなしからフェミニンなそれへと変わっても、ワードローブから完全に姿を消すことはなく、シャネルのスカートと組み合わせると最高。シャネルのジャケットはカーディガン風に。カーディガンとしてなら、ジーンズ、レザースカート、サテンのイブニングズボン……どれとでも合わせられるでしょう。

一年も節約してやっと手にしたレザースカートは、もうレザージャケットと合わせることはありませんが、クラシック調なので組み合わせはさまざま。ペザントブラウスもスカートとセットにはしないで、白のジーンズと合わせると新鮮です。

クリーム色のソフトレザーのジャケットは、グレイのフランネルスカートや、白いシャツかタートルネックのセーターと合わせると、意外にも、ロックな雰囲気が出るかも。仕立てのいいTシャツは必須アイテム。カシミアのタートルネックやVネック、ぱりっとした白いシュミーズドレスも。

カール・ラガーフェルドは言っています。

今あるものを組み合わせて新しいものを創ってごらんなさい。その場その場でクリエイティブに。これまでの概念にとらわれず、着たいように着る。次の新しさへつながります」と。

年を重ねたフランス女性は、お気に入りの品々を「再構築」します。古いものと新しいものを組み合わせたり、古いものを新しい方法で使ってみたり。そうやって努力する中で、エレガンスが磨かれていくのです。

たとえば、お気に入りのペザントスカート。Tシャツなどと合わせて、ウェストにスカーフや幅広のベルト、リボンなどをあしらいます。足元はエスパドリーユかサンダルで落ち着いた雰囲気を。いくつになってもはけます。

ある友人の多彩な着こなし術

イヴ・サンローランのコットンスカートを、ほぼ三十年近く愛用している友人がいます。足首まで届くフクシアカラーのそれをわたしの娘は幼い頃、「くるくるスカート」と呼んでいました。

とにかくどこにでも登場するのです。パリでも田舎でも、ショッピング、結婚式、日曜日のガーデンパーティ、孫の洗礼式、カジュアルで華やかなディナー・パーティ。ある夏わたしは興味にかられて、どんな着こなしで現れるのか数えてみようと決心し、メモをとりました

(1)エルメスの大判スカーフをホルターに。

(2)白いポプリンのシャツ。裾をウェストにたくし入れて。

(3)白い綿のピケ・スペンサージャケット。

(4)淡いピンクの男性用ボタンダウンのオックスフォードシャツ。大きな黒いベルトでたくし入れて。

(5)マルチカラー、ストライプのシルクヴェスト――ストライプのひとつはフクシアカラー。

(6)モアレ紋様の黒いシルクヴェスト。

(7)長年ご愛用の、プッチのきれいなブラウス。

(8)ポプリンのシャツ、ピンクと白のワイドストライプ、幅広の濃紺グログランリボンでウェストにたくし入れて。

(9)ホルターに似た、白のノースリーブブラウス。

(10)ポロシャツ。

(11)濃紺、麻のスペンサー。

(12)白い畝織りのマルセル。

(13)刺繍入りのペザントブラウス。

(14)コットンのツインセット、濃紺とピンク。

(15)白いアイレット・ビスチェに白い麻のスペンサー。

このほかにも二十のコーディネートをメモに記しました。九月も終わり近くになって肌寒さを感じる頃には、このスカートに、タートルネックの黒いカシミアセーターを着て、ベルトで留めていました。多彩な組み合わせがここまでできるようになるまでには、きっと何年もかかったことでしょう

関連書籍

ティシュ・ジェット著/藤沢ゆき訳『フランス人が何気なくやっているシンプル・シックな36の法則 Forever Chic』

好きな服は、30年でも大切に着続ける 「80歳でも恋をする」は、あたりまえ 自信があるから、何でも「YES」といわない 「インターナショナル・ヘラルド・トリビューン」紙のファッション担当編集者として、憧れの赴任地であるフランスに渡った著者。そこで出会ったのは、年齢を気にすることなく、シンプルかつシックに生きるフランス女性たちでした。 彼女たちに共通しているのは、外見だけでなく内面も輝いていること。本書では、生涯を通じて魅力的であり続けるフランス女性の秘密に迫ります。 すっきり暮らすための生活習慣やおすすめのコスメ、ダイエットにワードローブ造りまで余すところなくご紹介。世界が絶賛するエレガンスを身につけたいあなたへおすすめの一冊です。

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フランス人が何気なくやっているシンプル・シックな36の法則

上質な服を30年も大切に着る、80歳になっても恋をする、なんでも「イエス」と言わない……。赴任先のフランスで出会った、年齢を気にすることなく、シンプルかつシックに生きる女性たち。そんなフランス女性の「美の秘密」に迫ったのが、『フランス人が何気なくやっているシンプル・シックな36の法則』です。私たち日本人も参考にしたい習慣が盛りだくさんの本書から、一部をご紹介します。

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ティシュ・ジェット

ファッション・ジャーナリスト。ニューヨーク・デイリーニューズ紙やデトロイト・フリープレス紙の編集者、ウィメンズ・ウェア・デイリー誌のミッドウエスト支社編集長を経て、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙ファッション担当編集者として渡仏。シカゴ・トリビューン紙パリ特派員、エル誌アメリカ版編集部がパリにあった時代の最後の編集者を務める。フランス人男性と結婚し、フランス在住。現在は人気ブログ「A Femme d'un Certain Age(ある年齢に達した女性)」を中心としてフリーランスで執筆活動をしている。

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