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あの人だけが、なぜ売れるんだろう?1ヵ月で売れる販売員になる30のこたえ

2020.04.03 公開 ポスト

お客様が自虐的なことを言ったときの、うまい返し方平山枝美(接客アドバイザー)

売り上げトップ販売員から接客アドバイザーに転身した平山枝美さんの最新刊『あの人だけが、なぜ売れるんだろう? 売れる販売員になる30のこたえ』。現役販売員の方から平山さんの元に多く寄せられる“接客の悩みや疑問”を取り上げ、すぐに実践できる解決法をご紹介しています。
今回は“お客様が自虐的なことを言ったときの対処法”を一部抜粋してお届けします。

Q. お客様が謙遜したり、ネガティブなことを言ったりした時、どう返せばいいですか?

商品提案をしていて、お客様が「私なんかに使いこなせるかしら」と、不安を口にすることはありませんか?
他にも「私みたいなおばさん(おじさん)」「おしゃれじゃないから」などと自虐的なことを言われると、なんと返していいかわからなくなることがあります。

A.「皆さん、そうおっしゃいます」とお客様の気持ちに寄り添いましょう。

お客様の不安を払拭しながら、納得して提案を受け入れてもらうには、まず受け止めることが大切です。

私が地方の百貨店で接客をしていた時のことです。そこには、比較的年齢層の高いお客様がよくご来店されました。私がいた店は20代くらいのお客様がメインターゲットのアパレルショップだったので、年配のお客様はよく「若者のお店よね。私なんかが入って大丈夫かしら」と口にしていました。

ある時お腹周りが気になるというお客様に、ゆったりしたワンピースをおすすめしました。お客様は「あなたみたいに細ければいいけど」と困った顔をされました。一方で、商品を手に取ってみるなど、気になるそぶりも見せています。私は気になっているなら一度着てもらいたいと思いつつ、「太ってないですよ」などと軽々しいことも言えず、焦ってしまったものです。

このようにお客様が謙遜したり、自虐的なことを言ったりする時、なんと返していいかわからないことがあります。「そんなことはないですよ」と適当に否定することもできませんし「そうですね」と肯定することもできません。そんな時はまず「皆さん、そうおっしゃいます」「誰しも気になることってありますよね」と、気持ちを受け止める言葉を使いましょう。

お客様が否定的な言葉を使う時は「そんなことはない」と否定してもらいたいと思う反面、自分の不安な気持ちを共有してもらいたいという意図もあります。「そのように考えている人はたくさんいます」と伝えることで、お客様の気持ちに寄り添えるようになります。
また、その後に「お客様のように悩んでいらっしゃった方も○○したんですが△△でした」と、同じ立場の人がどのようにしていたかを伝えると、すすめた商品にも安心してトライしやすくなるでしょう。

例えば、先程の「若者のお店よね」と言った方には「お客様と同じ年代の方もたくさんいらっしゃいます」と伝えれば安心していただけますし、「どこで服を買えばいいのか悩んでいらっしゃる、お客様と同じ年代の方に人気の店なんですよ」などと付け加えると、商品を見る意欲が湧きます。

*   *   *

他にもネガティブワードに返す例として、「お客様と同じようにイエローベースで、血色を良く見せたい方がお求めになります」や、「お客様と同じように、部屋を広く見せたい方がお求めになります」などがあります。この時、お客様自身が使ったネガティブワードだけを使うようにしましょう。こちらの推測で「顔色が悪い方にも」などと伝えるとお客様よりもマイナスな表現になり、不快な思いをさせてしまう可能性があるためです。お客様の声をこまめにメモし、トークのネタをストックしておきましょう。

お客様の心を開くのがうまい販売員は、お客様の気持ちに寄り添える言葉を使っています。
お客様がつい自虐的な言葉を使ってしまう理由を推し量れると、お客様は心を開いてくれるようになるでしょう。
「こういうことを聞くのは、恥ずかしいですよね」「考え出すと、キリがなくなってしまいますよね」など、お客様が商品を見ながらどのようなことを考えているのか、お客様の立場で考えて伝えられるようになりたいものです。

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『あの人だけが、なぜ売れるんだろう? 売れる販売員になる30のこたえ』にはお悩みとその解決法をまとめた「売れる販売員になるための目標達成チェックシート」(229ページ掲載)がついています。得意なところと苦手なところがはっきりしてくるので、接客の見直しに役立ててください。

 

関連書籍

平山枝美『あの人だけが、なぜ売れるんだろう? 1ヵ月で売れる販売員になる30のこたえ』

――この本はかつての私のように、接客に自信が持てない方に向けて書いた本です。 販売員を経て、大手アパレル企業や大型商業施設、美容師etc.あらゆる業界から予約が殺到する接客セミナーの講師を務めるようになった著者が、セミナーで多く寄せられるリアルな悩みや疑問に答えます。 STEP1お客様が居心地のいい店作り動的待機〜アプローチ STEP2お客様の本音を探るニーズ把握 STEP3お客様の「欲しい!」をくすぐる商品提案 STEP4聞きたくても聞けなかったことスキルアップ 〜自分だけの教科書になる目標達成チェックシートつき!〜

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あの人だけが、なぜ売れるんだろう?1ヵ月で売れる販売員になる30のこたえ

接客アドバイザー・平山枝美さんの最新刊『あの人だけが、なぜ売れるんだろう? 1ヵ月で売れる販売員になる30のこたえ』試し読み。

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平山枝美 接客アドバイザー

接客アドバイザー。大学卒業後、アパレル企業に入社。当初はファーストアプローチもできず、売り上げがまったく取れなかったものの、売れる販売員は購入に繋がる「一言」を効果的に使っていることに気付く。以来、接客の一言に磨きをかけ、社内全販売員200人中売り上げトップに。その後、新規店舗の店長を務め、予算比180~200%達成。入社最速でエリアマネージャーに抜擢される。担当店舗のマネジメントと店長の育成を担当しながら、不採算店舗を次々と立て直し、 年間売り上げ10位だった店を1位に押し上げるなどの実績を残した。その手腕を活かし、全国の店長育成を担当。大手アパレル会社に移籍し、店長の育成に携わった後、独立。無印良品(良品計画)、大型商業施設、インテリア小売店など、アパレルに留まらず小売業全般の接客アドバイスを手がける。現場の販売員の悩みを熟知したアドバイス・研修は、「言われたとおりに接客したら売り上げがアップした」などと好評で、満足度アンケートで最高評価98%と人気を誇る。また、 初めての著書『売れる販売員が絶対言わない接客の言葉』(日本実業出版社)はベストセラーとなる。

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