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ウイルスにもガンにも 野菜スープの力

2020.04.12 公開 ポスト

新型コロナウイルスが世界中に拡がった理由前田浩

病気予防に効果的な野菜スープ。そのレシピから、ウイルス・ガンはもちろん、現代社会が抱える問題まで徹底解説した『ウイルスにもガンにも野菜スープの力』(前田浩著)から、一部を抜粋してお届けします。抗がん剤の世界的研究者による、健康になるための一冊です。

*   *   *

このたった百年の間に、世界は高速大量輸送の時代へと移り変わってきています。多くの人達が気軽に海を越え、山を越え、数百キロも離れた土地へ、驚くべき速さで移動できる時代になったのです。アフリカや南洋の熱帯地方のウイルスも、温暖化した北半球に拡がりつつあります。

生産物の交流や、観光という新しい産業の発展は好ましいものですが、それだけでなく感染症という厄介なものも、高速で大量に国境を越えて運ばれてくる時代になってしまいました。

2019年末、中国武漢市で発生した新型コロナウイルスが、短期間に世界中に蔓延したのも、このボーダレス社会、高速大量輸送時代が生んだ弊害といえるのかもしれません。こうしたことはSARSやMERS、鳥インフルエンザなど のときも大きな問題となりました。

いずれも発熱と呼吸器症状が主で、重症化すると死にいたります。特に既往症のある人、高齢者や免疫力の落ちた人は要注意。肺炎を起こすと致命的になりかねません。

大きな流行にはなっていないので分かっていませんが、海外から持ち込まれる新しい病気は他にもあるといわれています。

新型コロナウイルスだけでなく、発展途上国に滞在して帰国した人からや、熱帯地方で養殖した海産物に付着するなどして、コレラや腸炎ビブリオなどの菌が持ち込まれる危険性も考えられます。そこで、ボーダレス時代の感染症対策はずいぶん前から検討されていて、水際対策がとられてきました。

しかし、空港で高熱を出している人を見つけて、隔離することも大事ですが、呼吸器系ウイルス等はそれまでに機内で周りの人が感染してしまうことも十分考えられます。自分自身が、旅先でそうしたウイルスや細菌に感染することもあるでしょう。

では、こうしたウイルス対策はどうしたらいいのでしょうか? 人混みはでき るだけ避ける、うがい、手洗いはもちろんのこと、現地では生水は飲まない、生野菜も食べないのが賢明です。

そして何より、そもそもウイルスに感染しにくい身体を作っておくことが大切なのです。

次ページの表をご覧ください。ウイルスにヒトが暴露(ばくろ:さらされる)した場合、高濃度のウイルスではより確実に感染し、容態もひどくなりやすいのですが、極めて低濃度のウイルスでは感染しないか、感染しても軽症か、あるいは不顕性感染になることが知られています。

人が密集するところ、人混みをできるだけ避けるべきなのがよく分かります。

前田浩『ウイルスにもガンにも野菜スープの力』

病気予防に効果的な野菜スープ。
そのレシピから、ウイルス・ガンはもちろん、現代社会が抱える問題まで徹底解説!
抗がん剤の世界的研究者による、健康になるための一冊。

〈参考文献〉
•W.F. Ganong, Review of Medical Physiology, pp. 1-774, Lange Medical Books., Network, CT, USA,とくにCh. 23, PP. 375-413.
•W. Regelson & C. Colman, The Super-hormone promise-Nature’s Antidote to Aging, pp.11- 346, Simon & Schuster, N.Y, 1996
•W. Pierpaoli, W. Regelson, C. Colman, The Melatonin Miracle: Nature's Age-Reversing, Disease-Fighting, Sex-Enhancing Hormone. Simon & Schuster, N.Y. London……
•堀江重郎「ヤル気が出る! 最強の男性医療」、文春新書、pp. 1-207(2013)
•堀江重郎「対談集 いのち 人はいかに生きるか」、かまくら春秋社(2018)
•産経新聞、読売新聞、中高年ひきこもり61万人、2019年3月30日
•厚生労働省「患者調査」、精神疾患を有する総患者数の推移、精神保健医療福祉のデータと政策(平成29年)http://www.mhlw-houkatsucare-ikou.jp/guide/h30-cccsguideline-p1.pdf
•平成30年中における自殺の状況、厚生労働省社会・援護局総務課自殺対策推進室 警察庁生活安全局生活安全企画課、平成31年3月28日
• Rachel Carson, Silent Spring( 邦 題: 沈 黙 の 春 ), 1962, PP.1-317, Penguin/Geography/environment science, N.Y.
•有吉佐和子「複合汚染」新潮社、1975
• M.M. Bomgardner, How a new epoxy could boot BPA from cans, アメリカ化学会、Chem. Eng.News, 97, March 5, 2019.
•林国興、環境ホルモン再考、日本がん予防学会News Letter No. 73、2012年9月
•K. Hayashi et al., Contamination of rice by etofenprox, diethyl phthalate and alkylphenols: effects on first delivery and sperm count in mice, J. Toxicol. Sci, 35, 49-55, 2010.
•CB. Pedersen et al., A comprehensive nationwide study of the incidence rate and lifetime risk for treated mental disorders. JAMA Psychiatry, 71, 537-581, 2014.
•PJ. Snyder et al., Effects of testosterone treatment in older men. N. Engl. J. Med. 374, 611-624, 2016.
•Financial Times 8月8日(木)2019年、P.7;同New York Times, International Ed., The weedkiller that won’t be exterminated, p.10, Business, Sept., 27, 2019(ラウンドアップ)
•R. A. Weinberg. Cell, 157, 267(2014)
•前田 浩、化学と生物、vol.55, No.7501-509(2017)
•C. Leaf, The truth in small doses: Why we're losing the war on cancer-and how to win it. Simon & Schuster, New York(2013)
•H. Maeda and M. Khatami, Analyses of repeated failures in cancer therapy for solid tumors: poor tumor-selective drug delivery, low therapeutic efficacy and unsustainable costs. Clin.Trans. Med. https://doi.org/10.1186/s40169-018-0185-6 7:11, 1-20(2018)
• Laura Howes, How your gut might modify your mind, Chem. Eng. News 9(7 14)36-40(2019) •Science Oct. 23., 2019
• The Scientist 2019, Feb. 4., by Ashley Yeager
•半田 康、ホルモン剤使用牛肉の摂取とホルモン依存性癌発生との関連、日本がん予防学会ニュースレター p.1., No.66, Dec. 2010.
• Bruce Freeman et al., J. Biolo. Chem.(2013)
•Science 244, 974-976(1989)•J. Clin. Invest. 739-745(1990)
•Proc. Natl. Acad. Sci. U S A. 2020 Mar 3;117(9):4642-4652. doi: 10.1073/pnas.1919563117.Epub 2020 Feb 18.
•奥野修司 2020年3月19日、3月26日号 週刊新潮 •『トマトとイタリア人』内田洋子 シルヴィオ・ピエールサンティ 文藝春秋

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ウイルスにもガンにも 野菜スープの力

病気予防に効果的な野菜スープ。そのレシピから、ウイルス・ガンはもちろん、現代社会が抱える問題まで徹底解説! 抗がん剤の世界的研究者による、健康になるための一冊。

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前田浩

1962年東北大学農学部卒業/1964年カリフォルニア大学 (Davis 校)大学院修了(フルブライト奨学生)/1968年東北大学大学 院博士課程修了(指導:医学部石田名香雄教授)、東北大学医学部細菌 学講座助手、ハーバード大学ダナ・ファーバーガン研究所主任研究員/1971年熊本大学医学部微生物学講座助教授/1981年同教授/ 2005年熊本大学名誉教授(医学)、同年崇城大学薬学部教授、2011年 同特任教授/2016年同栄誉教授、現在、(財)バイオダイナミックス研 究所理事長・所長/大阪大学招聘教授(医学)、東北大学特別招聘プロフェッサー

〈研究テーマと抱負〉高分子型抗癌剤、癌血管の透過性にかかわる現 象の EPR 効果、感染における生体内ラジカルの生成、炎症による生 体内活性酸素と抗酸化食品による癌予防、癌の蛍光ナノプローブに よる検出と光照射療法

〈受賞歴〉日本細菌学会浅川賞、高松宮妃癌研究基金学術賞、ドイツ生 化学会および国際 NO 学会の特別号発刊により顕彰、王立英薬学会 Life Time Achievement Award受賞、日本DDS学会 永井賞、日本癌 学会吉田富三賞、2016年トムソン・ロイター引用栄誉賞(化学部門)、 米国ミシガン州Wayne State Universityより2017 Roland T. Lakey 賞受賞、2018年瑞宝中綬章受章、西日本文化賞、米国サンアントニオ 市名誉市長、米国オクラホマ州名誉州民など多数

〈趣味〉ワイン

 

 

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