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#こんな時だからこそ読みたい本 幻冬舎社員リレー

2020.04.26 公開 ポスト

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想定外の出来事にも動じない女になりたくて(平山由紀子)幻冬舎編集部

3人目は、「GINGERweb」編集長の平山由紀子です。

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今年の1月、ふと自分のインスタグラムのアクティビティ画面を見て、声にならない声を上げてしまいました。サラ・パレツキーが私をフォロー!?

 

パレツキーといえば、女探偵V・I・ウォーショースキーを主人公にした一連のシリーズで知られる、シカゴ在住の推理作家。年初からインスタグラムをスタートしたらしく、私が数年前にアップした『フォールアウト』(シリーズ19作目)の紹介に付けたタグをたどってきてくれたようです。

ヴィク(V・I)と私は30年以上の“付き合い”になりますが、まさに女が惚れる女。権力に阿ることなく、タフで、心やさしい。何よりも人間味にあふれたヒロインであることが最大の魅力。それって、まさに作者のパレツキーなのだな、ということを知ったのは、彼女が書いた『沈黙の時代に書くということ―ポスト9・11を生きる作家の選択』を読んで。ユダヤ系の一家に生まれ、差別や偏見と闘争してきたその生きざま。作者にも惚れました。

御年72歳の彼女が、つい先日、新作のPRも兼ねてフェイスブックでライブ配信を決行。聞こえてる? ちょっと待ってて! と画面からいったん消えてしまったり、その飾り気のなさ、媚びのなさ、新しいことに挑戦する姿が、やっぱり素敵だった。

このオーラ、誰かに似ている……と思い出したのが、篠田桃紅さん。作品以外に対しては恬淡。己のスタイルを貫いて幾多の困難を乗り越えてきたであろう、その凛々しい姿。著書に綴られた、きれいごとではない、リアリティのある言葉に心をつかまれた人も多いと思います。

先行きの見えない今こそ、この道の先頭に立って歩む彼女たちから学びたい。恐れずに前へ進むこと、自分を貫くこと。ぜひ一読して、パワーチャージを!

#こんな時だから読みたい本

サラ・パレツキー『フォールアウト』

窃盗の疑いを掛けられた青年が老女優フェリングとともに姿を消した。探偵ヴィクは、その行方を追ってフェリングの故郷であるカンザス州ダグラス郡に赴く。過去に核ミサイル配備に対する抗議運動がおこなわれたこの地で、フェリングたちは何かを撮影してまわっていたらしい。調査を進めていたヴィクは、ミサイルサイロ近くの農家で腐乱死体を発見し…。シリーズ最大級の陰謀に果たしてヴィクは打ち勝つ事が出来るのか?

サラ・パレツキー『沈黙の時代に書くということ―ポスト9・11を生きる作家の選択』

V・I・ウォーショースキー・シリーズで知られる著者が、初めて語る生い立ちと、9・11以降の米国社会への違和感、そして、孤立を乗り越える人々への静かな共感。日本向けに新章「拷問とスピーチと沈黙」を加えた自伝的エッセイ。

篠田桃紅『一〇三歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い』

「いつ死んでもいい」なんて嘘。生きているかぎり、人間は未完成。大英博物館やメトロポリタン美術館に作品が収蔵され、一〇〇歳を超えた今なお第一線で活躍を続ける現代美術家・篠田桃紅。「百歳はこの世の治外法権」「どうしたら死は怖くなくなるのか」など、人生を独特の視点で解く。生きるのが楽になるヒントが詰まったエッセイ。

篠田桃紅『人生は一本の線』

104歳美術家、珠玉の作品集

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