3人目は、「GINGERweb」編集長の平山由紀子です。
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今年の1月、ふと自分のインスタグラムのアクティビティ画面を見て、声にならない声を上げてしまいました。サラ・パレツキーが私をフォロー!?
パレツキーといえば、女探偵V・I・ウォーショースキーを主人公にした一連のシリーズで知られる、シカゴ在住の推理作家。年初からインスタグラムをスタートしたらしく、私が数年前にアップした『フォールアウト』(シリーズ19作目)の紹介に付けたタグをたどってきてくれたようです。
ヴィク(V・I)と私は30年以上の“付き合い”になりますが、まさに女が惚れる女。権力に阿ることなく、タフで、心やさしい。何よりも人間味にあふれたヒロインであることが最大の魅力。それって、まさに作者のパレツキーなのだな、ということを知ったのは、彼女が書いた『沈黙の時代に書くということ―ポスト9・11を生きる作家の選択』を読んで。ユダヤ系の一家に生まれ、差別や偏見と闘争してきたその生きざま。作者にも惚れました。
御年72歳の彼女が、つい先日、新作のPRも兼ねてフェイスブックでライブ配信を決行。聞こえてる? ちょっと待ってて! と画面からいったん消えてしまったり、その飾り気のなさ、媚びのなさ、新しいことに挑戦する姿が、やっぱり素敵だった。
このオーラ、誰かに似ている……と思い出したのが、篠田桃紅さん。作品以外に対しては恬淡。己のスタイルを貫いて幾多の困難を乗り越えてきたであろう、その凛々しい姿。著書に綴られた、きれいごとではない、リアリティのある言葉に心をつかまれた人も多いと思います。
先行きの見えない今こそ、この道の先頭に立って歩む彼女たちから学びたい。恐れずに前へ進むこと、自分を貫くこと。ぜひ一読して、パワーチャージを!
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