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#こんな時だからこそ読みたい本 幻冬舎社員リレー

2020.05.13 公開 ポスト

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日常は一瞬で変わるから(営業局・黒田倫史)幻冬舎編集部

18人目は、営業局の黒田倫史です。

*   *   *

こんな時だから読みたい本ということで。

一瞬で大切なものや日常が変わってしまうことを想い、いまを大事にと思わせてくれる1冊からです。

 

「暗い夜、星を数えて 3・11被災鉄道からの脱出」彩瀬まる(新潮文庫)です。震災を仙台で体験した著者のルポ。あの時、あの時からしばらく、そしてその後を綴っています。当事者となった著者が、被災地にあったやさしさ、はかなさ、悔しさ、悲しさ、違和感、怒りを表現しています。微かな希望を胸に生きる人々に涙します。

次にお薦めするのは、「友がみな我よりえらく見える日は」上原隆(幻冬舎アウトロー文庫)。14人のほぼ無名な人たちが主人公です。懸命でひた向きな生き様に涙します。今、名もなき医療従事者の方々がそれぞれの持ち場で必死に頑張っていることと重なります。2001年落ち込んでいた僕は、この本を読んでもう一度頑張ってみようと思いました。

最後に名著「三四郎」夏目漱石(各社)。僕は未だにこれ以上の青春小説は知りません。100年以上前の東京の大学が舞台です。全く古くないです。学生時代をきっと思い出します。爽快な読後感を是非!

#こんな時だからこそ読みたい本

彩瀬 まる『暗い夜、星を数えて 3・11被災鉄道からの脱出』(新潮文庫)

遺書は書けなかった。いやだった。どうしても、どうしても―。あの日福島県に向かう常磐線で、作家は東日本大震災に遭う。拡販されるような暴力的な揺れ、みるみる迫る黒い津波。自分の死を確かに意識したその夜、町は跡形もなく消え、恐ろしいほど繊細な星空だけが残っていた。地元の人々と支え合った極限の5日間、後に再訪した現地で見て感じたすべてを映し出す、渾身のルポルタージュ。

上原隆『友がみな我よりえらく見える日は』(幻冬舎アウトロー文庫)

ホームレス同然の生活を続け妻子からも捨てられた芥川賞作家、アパートの五階から墜落し両目を失明した市役所職員、その容貌ゆえに四十五年間、一度も男性とつきあったことのない独身OL…人は劣等感にさいなまれ深く傷ついたとき、どのように自尊心をとりもどすのか。読むとなぜか心が軽くあたたかになる、新しいタイプのノンフィクション。

夏目漱石『三四郎』(新潮文庫)

熊本の高等学校を卒業して、東京の大学に入学した小川三四郎は、見る物聞く物の総てが目新しい世界の中で、自由気侭な都会の女性里見美禰子に出会い、彼女に強く惹かれてゆく…。青春の一時期において誰もが経験する、学問、友情、恋愛への不安や戸惑いを、三四郎の恋愛から失恋に至る過程の中に描いて「それから」「門」に続く三部作の序曲をなす作品である。

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