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美しい暮らし

2020.05.25 公開 ポスト

共振する人生相談 〜ぼくはアンプリファイア〜

「夫との会話がゼロ。離婚を望んでも了承してもらえない」結婚14年の女性が少しでもラクになりますように矢吹透

コロナ禍で自粛が求められるようになり、不要不急の他人との接触を極力、避けなければならないという状況になって、かつて経験したことのないストレスに晒されている方も少なくないのではないかと思います。

ヒトは、長い歴史の中で、群れという単位で、生きて来た動物です。

他の個体との接触を避けなければならない、というのは、互いに助け合い、支え合うことによって、生き延びて来たヒトという種にとって、未曾有の体験であるといっていいでのはないでしょうか。

コミュニケーションの阻害は、人の精神や心に大きな影響を及ぼす、ということを今回、身を以て味わったという方も多いでしょう。

それでは、今回のご相談です。

*   *   *

結婚生活14年。配偶者が「人の気持ちがわからない。空気が読めない」いわゆるアスペルガー症候群かと思われます。私はもしかしたら「敏感さん」と言われるタイプかもしれず、日々お互いのコミニケーション(会話)がゼロです。どうしても「出来ない」「続かない」のです。

配偶者は日常生活で苦手な分野はありますが仕事は真面目にしていますし、私がする事にも一切文句も口も出さないので、なんとか今までやってますが、私の心が限界に近く、いわゆる「カサンドラ症候群」になり、「人としての"普通"のコミニケーション」を望むあまりストレスがかかり、「鬱」になってしまいました。子供もいますしこの先どうしたらいいのかわかりません。

配偶者とも「コミニケーションや会話」については話し合いましたが、やはり出来ないようです。私は離婚を望むのですが変化が苦手な配偶者さんは了承してくれません。この先どうすれば、どう考えたらいいのかもう何もかもわかりません。正直、悩みながらの毎日、誰に相談出来ない孤独な毎日、生きているのが辛いと感じてしまいます。

(事務仕事 42歳)

*   *   *

大変に難しいご相談です。

なぜ難しいかというと、ご相談者のあなたが、考えられ得るすべてのことについて、もう既に考え、試し、日々、努力と辛抱を続けていると思われるからです。

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矢吹透『美しい暮らし』

味覚の記憶は、いつも大切な人たちと結びつく——。 冬の午後に訪ねてきた後輩のために作る冬のほうれんそうの一品。苦味に春を感じる、ふきのとうのピッツア。少年の心細い気持ちを救った香港のキュウリのサンドイッチ。海の家のようなレストランで出会った白いサングリア。仕事と恋の思い出が詰まったベーカリーの閉店……。 人生の喜びも哀しみもたっぷり味わせてくれる、繊細で胸にしみいる文章とレシピ。

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美しい暮らし

 日々を丁寧に慈しみながら暮らすこと。食事がおいしくいただけること、友人と楽しく語らうこと、その貴重さ、ありがたさを見つめ直すために。

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矢吹透

東京生まれ。 慶應義塾大学在学中に第47回小説現代新人賞(講談社主催)を受賞。 大学を卒業後、テレビ局に勤務するが、早期退職制度に応募し、退社。 第二の人生を模索する日々。

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