26人目は、第3編集局の小川貴子です。
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ファミレスやカフェで、だらだら、密に会話していたあの時間が恋しい今。
いつも笑わせてくれる、好きな人たちとのおしゃべりを、私は対談本で擬似体験しています。
1冊目は「ギャルジャポン」。女子高生の樹理亜とあゆが、放課後いつものファミレス「カスト」で、おしゃべりをするギャグ漫画です。ギャル男の彼氏に自分のブランド財布を売られても、他校のギャルと縄張り争いをしても、いつもポジティブバイブスを持ち続ける二人。
彼女たちの恐るべきツッコミ力と秒速で話題を変えていくスピードに、読み終わる頃にはストレスが霧散しています。
2冊目は、『100万回生きたねこ』の作者・佐野洋子さんが、明石家さんまさん、山田詠美さんなど9人の豪華メンバーと対談した『ほんとのこと言えば?』。
元夫の谷川俊太郎さんとの掛け合いは豪速球の投げ合いのよう。佐野さんが谷川さんの作品を「すごく感心するけれど、感動はしませんね」と批評しつつ、お互いに作品論から夫婦になるまでのいきさつを語っています。
タイトルのフレーズは、河合隼雄さんとの対談の際に出た一言。相手にもっと近づきたいという率直さと愛らしさが込められていて、気持ちのこもらない会話になりかけたときの、魔法の言葉だと思います。
最後は、人生相談の神様・ジェーン・スーさんの『私がオバさんになったよ』。
光浦靖子さんや宇多丸さんといった異なるジャンルの人たちとのラリーの中で、世の中や男女におけるモヤモヤが言語化される快感を何度も味わいました。
これからの人生を考え直したくなる今、「自分に後ろめたい生き方はしない」というメッセージはすごく支えになります。
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