スピリチュアルな世界への造詣が深い桜井識子さんの、最新単行本『神様が教えてくれた縁結びのはなし』。人生のパートナーとなる人との縁はもちろんのこと、さまざまな縁をうまく結ぶコツをまとめた内容が反響を呼んでいます。
今回はその中から「縁起物を飾って運をよくする方法」を紹介します。
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縁起物で手軽に運あつめ
運を味方につけるには、実は簡単な方法があります。
まったく面倒くさくありませんし、やっていることを忘れていても問題ない、というものです。
ただし、これは運玉のように運が育っていく、大きくなっていく、強くなっていく、最終的に巨大な幸運になる、というものではありません(詳しくは『運玉』をご覧ください)。
小さな運をちょこちょこっと呼んで、チマチマッと集める、それをゆるやかに蓄える(ガッチリ抱え込んで離さないという強さはありません)、というものです。
それが「縁起物を飾る」という方法です。ブログでも著書でも縁起物について何回か書いていますが、本書ではもっと掘り下げてみようと思います。
まず、私が言う「縁起物」とは何か? ですが、代表的な形と言いますか、見ためをあげると、飾りがたくさんついた熊手、七福神の置物などです。
神社仏閣の授与所で購入できる、これらのものがわかりやすいかと思います。
熊手は関東なら酉(とり)の市で買うようなもの、関西だったら十日えびすですね。
大判小判や金色の米俵、赤い鯛、えびすさんや大黒さんの顔、打ち出の小槌(こづち)、稲穂などが飾られています。
大きければ大きいほどいいのかというとそうでもなくて、小さくても運を呼ぶ力は同じです。
七福神の置物はたいてい、大黒さん、えびすさん、布袋さんのいずれかです。
1体のみの置物が多いのですが、大黒さんとえびすさん、みたいに2体セットになっているものもあります。陶器や木彫りなど素材はさまざまです。
その神社に関係する動物の置物も縁起物
他にはどのようなものがあるのかと言いますと……その神社の神様や眷属とされている動物の置物です。
稲荷神社だったらキツネの置物、カエルがいる神社だったらカエルの置物、狼や牛、猿などですね。
鈴は飾れるように紐がつけられていてちゃんと鳴らせるものや、ミニ神楽鈴(かぐらすず)として作ってあるもの、さらに年始だったら土鈴(どれい)もあります。
絵馬は絵柄によります。同じ神社で売られている絵馬でも、縁起物になる絵馬とそうではない絵馬があるのです。
そこに何が描かれているのか、というよりも構図や配色が大事です。
特殊な形のお守り……たとえば三面鏡のようになっているものは縁起がいいです(ちなみに一般的なお守りは縁起物ではありません)。
おみくじが入っている動物や眷属の姿をした入れ物というのもたまにあります。
龍だったり猿だったりカラスだったり、そのような形の入れ物です(おみくじはいくら大吉でも縁起物ではありません)。
種銭(たねせん)や、招き猫、宝船の絵など、それはもう、多くのものが神社仏閣で売られています。
授与所で売っているすべてが縁起物、ではない
今、ここに書いたものが“すべて”縁起物かと言うとそうではありません。
どこで買っても縁起物、どれを買っても縁起物というように、全部が福を呼ぶわけではないのです。
たとえば、大黒さんの置物といってもポーズや表情はさまざまです。
暗い顔をしたものや福々しくないものもあります。それらがすべて運を呼ぶ縁起物ではありません。
運を呼ぶものはただの置物と違って、パワーを持っているのです。
私は日本全国あちこちの神社仏閣を参拝しています。たくさんの授与所を見ています。
けれど「皆様! これは縁起物ですよ!」とおすすめできるものはそう多くありません。
ですから、「おぉ~、これは福を呼ぶな~」というものを見つけた時は、写真をブログにアップしたり、著書でご紹介したりしています。
熊手はどこでどれを買っても福を呼ぶ
ただ、「どこで買っても、どれを買っても、ほぼすべてが縁起物です。福を呼びます」と言えるものが2つだけあって、そのひとつが熊手です。
その理由は、熊手は“動かす”縁起物だからです。動かしてパワーを発揮させます。
熊手に関して言えば、飾る場所は西の壁です。
そして時々手に取って、そこらへんに散らばっているであろう見えない福運をかき寄せる仕草をします。
両手で棒の部分を持って、実際に地面をかくようなポーズでシャカシャカとかき寄せます。
下だけじゃなく、正面も上空もかいて、あちこちの福運を熊手でかき集めるのです。
福運をかき集めるのは熊手しかできません。
熊手は農具であり掃除用具ですから、もともと穀物や落ち葉などをかき集める道具なのです。熊手本人もそれをわかっています。
なので、この仕事を見えない世界でもさせるというわけです。現役として働いてもらいます。
破魔矢は弓がなければ射るまねをしても仕草自体が正しくありませんし、招き猫も手をおいでおいでするように動かすといいのですが、手だけが動く招き猫はそんなにないと思います。
どちらも100%正しい動かし方じゃないのですね。破魔弓と破魔矢のセットだったらできますが、ケースに入ったものばかりなのでやはり難しいと思います。
熊手だけは自分が動かして、それにより熊手本来の力を発揮させることができるため、ほぼどれでも縁起物というわけなのです。
ですから、「どこで買うのか」よりも、「自分に合ったもの」を買うことを重視したほうがいいです。
同じものが何個か並べられている中で「これだ!」と思ったものを買います。それがその人に“合う”熊手です。
私は毎年、神社でお正月に購入しています。
徐々に大きくしていくといい、という説もありますが、初回に小さなものを買い、2回めにサイズアップをしました。
それ以降はずっと同じ大きさのものを買っています。
高野山の宝来は文具店のものでも縁起物
どれを買ってもほぼすべてが縁起物の2つめは高野山の宝来です。
こちらもそのものが持つ機能によって縁起物となっています。
お寺ではなく、文具店で買っても縁起物です。
宝来とは、高野山でしめ縄の代わりに昔から飾られてきた「しめ紙」です。
空海さんが中国からもたらしたそうです。
和紙を切り抜いて絵柄が表現されており、松竹梅、宝船、干支、壽(ことぶき)という文字、宝珠などおめでたい柄になっています。
飾り方のコツは、赤い台紙は捨てて、宝来のみを風通しのよい場所に掲げます。
高野山のあちこちのお寺やお堂、奥之院などで飾られているものを見ることができますから、そちらを参考にして同じように飾ります。
壁に貼るのではありません。床の間の手前や長押(なげし)など、高い位置、風通しのよい位置に掲げることが大事です。
こうすることで切り絵の隙間を風が通り抜けます。ここがポイントなのです。
和紙に切り抜かれた、宝船や宝珠などの縁起の良い絵のとおりに風が通り抜ける、つまり風が縁起の良い絵を常に描き続けている……という状態を作るのです。
これは和紙がパワーを持っているのではなくて、その機能、状態が縁起がいいわけです。
よって、どこの文具店(高野山ではなくても)で買っても立派な縁起物となるのです。
神様が教えてくれた縁結びのはなし
2020年3月4日発売の『神様が教えてくれた縁結びのはなし』について、最新情報をお知らせします。