人気占い師、真木あかりさんの新刊 『2020年下半期 12星座別あなたの運勢』(6月25日発売)より、
<全体運>
2020年上半期はいかがお過ごしでしたか。人類にあまねく降り掛かった未知の脅威にさらされ、誰もが多かれ少なかれ日常が変わった春でもありました。しし座の人の場合、ただでさえやるべきことが山積みだったのに加え、仲間との関わり方が変わったり、人のために少なからぬ時間と労力を割くことになったりと、いつも以上に忙しい日々を過ごしてこられたのではないだろうかと思います。人一倍、タフで頑張り屋さんのしし座です。初夏から秋口にかけて、ちょっと体調を崩しやすい暗示も出ていますのでご注意ください。
ばたばたした雰囲気のなか、しし座の人の下半期のテーマが始まります。6月末から起こる流れなのですが、考えることややりたいことのスケールがやたらデカくなりそうなのです。上半期はどちらかというと堅実モードで、「コツコツ」とか「じっくり」という流れが続いてきたのですが、下半期に入ると「ドッカンドッカン」「ジャンジャンバリバリ」といった音も聞こえてきます。
これは、わくわくするような体験を求める冒険心や、のびのびとした探究心を「情熱と戦いの星」と呼ばれる火星が力強くバックアップし始めるから。上半期のじっくり実直モードを維持しつつ、勢いも加わってくる。足元を見ながら同時にずっと遠くも見るような、欲張りでちょっと不思議な時期が続いていきます。
きっと、どちらか一方でも生きてはいけるのです。変な冒険心を持たないほうが人生は安定するでしょうが、変わらないことに安住するよりも冒険心のほうが、これからを生き抜くスキルはつきそうです。ただ、この時期は双方をバランス良く取り入れていくことこそに、意味があるのだろうと思います。
冒頭で、この下半期のしし座のテーマを「自らの人生に、明かりを灯す」と掲げました。これは仏教用語である「自灯明(じとうみょう)」、つまり「自らをともしびとし、それを頼りに生きよ」というブッダの教えです。「自分の頭で考え抜き、自分を頼りにして生きよ」と言い換えてもいいでしょう。
ほかの誰かが灯してくれる明かりを頼りに生きるのはとても楽なこと。でも、その明かりはいつかき消されるかわからないという危うさをはらみます。人の明かりに頼っているうちに、自分の明かりを灯す力がスポイルされてしまうこともあるでしょう。
たとえどんな暗闇にいても、自らが明かりとなってこの先をゆく。しし座はもともとそうした発想をなさる人々ではありますが、この下半期の6ヵ月は、考える力がグッと後押しされる時期です。「人生とは何か」「愛とは何か」といった答えのない問いがたびたび首をもたげるだろうと思うのですが、じっくりと時間をかけて向き合い、自分の言葉で答えを出してみましょう。合っているのか、間違っているのかは問題ではありません。そもそも正解のない問いなわけですし、あなた自身が考えて「自分はこう思う」と言えること、それが大事なのです。哲学者や思想家の言葉を参考にするのも良いですが、それはあなたもお気づきの通り、ほかの人の明かりを頼りに生きること。参考にするに留め、自分の心にかなう言葉を、考えを、持つようにしましょうね。
人生が暗闇だとは申しません。きらきらした光に満ちた時間も、春の夕方のような穏やかな明るさをたたえた時間も、たくさんあります。でも、自分の頭でしっかり考えた「人生の答え」は、たとえどんな状況にいてもこの先を照らしていける明かりとなります。生きる力をはぐくむ時期であることは、言うまでもありません。
だからこそ、目の前のことに忙殺されるだけでなく、遠くも同時に見ていただきたいと思います。時期的なことを申しますと、夏の間はちょっと「迷い」が生じるかもしれません。目の前の仕事や雑事に対し「自分はこのままでいいのだろうか?」「今やっていることに意味はあるのだろうか?」と、根源的な問いが浮かぶ人は少なくないでしょう。2020年は自らの役割やスキルを活かし、人のために力を尽くすことが多い年ではあるのですが、報われることや見返りを期待する気持ちが強くなると、むなしさも出てきます。それが迷いの根っこです。夏のあいだ、もし迷ったときは「自分がやりたいからやる」「自分は自分の努めを果たす」というところに、戻っていらしてください。そうすればきっと大丈夫。
9月中旬以降はまた意欲も戻るのですが、一方でやる気が現実と噛み合わない、という現象も出てくるかもしれません。「ランニングシューズを買ったところで気が済んだ」「勉強しようとテキストを買ったところで満足した」といったことですね。満足できるのはそれはしれで幸せそうな人生ですけれども、当たり前ですが行動しないことには運動不足は解消されず賢くもなれないわけです。パッと燃えてすぐ飽きる、といった状態にならないよう、目標は小さく分割して確実にクリアしていく、ということを心がけてまいりましょう。ベースのところでコツコツやるのに向いた運気が巡ってきているので、「ガタガタ言わずにとにかくやる」ということを頭にインプットしておけば、きっと何とかできます。この傾向は11月中旬まで続きます。秋から冬にかけては忙しくなってきますが、目標を習慣レベルまで落とし込んで継続できるといいですね。
さて、下半期いっぱいにかけて、足元も遠くも見ていくあなたですが、それは来年に続く1本の道でもあります。12月の半ば頃、来年の年間テーマが早くもスタートすることになっているのですが、しし座の人が2021年に向き合うテーマは「パートナーシップ」。仕事でもプライベートでも、人と一対一でがっつり向き合い、ときに手を取り合い、ときにぶつかり合いながらもお互いにとってのベストを目指す。そんな意欲的な1年となっています。あなたが実直にコツコツと積み上げたものは、相手の安心や信頼感につながるでしょう。あなたが誰かの明かりに頼ることなく、自分自身の明かりをよすがに立っていられることは、相手も自分も尊重することにつながるでしょう。2020年下半期のあなたの努力というのは、もしかして人からは少し、見えにくいのかもしれません、でも何よりも自分と、自分がこれから向き合う人のための、栄養になるのだろうと思います。よい半年間にしてまいりましょう。あなたならきっと、それを可能にするだけの力がそなわっているはずです。
<恋愛運>
ひとつひとつれんがを積み上げるようにして、恋の土台を作っていくこの1年。昨年に比べてときめくような展開は少なめと感じている人も多いかもしれませんが、あなたのなかでも「ただ楽しいだけの恋ではなく、本気で愛し合える人と出会いたい」「パートナーと助け合い、お互いに唯一無二の存在であると思い合えるような関係を築きたい」という気持ちが強くなっているのではないでしょうか。「幸せになれない恋をするくらいならひとりでいい」くらいに思っている人もいそうです。パートナーがいる人も、今は恋を探している途中という人も、小手先の「モテテク」とか「掌の上で転がす」といったことは、考えていないでしょうし考えないほうがいいのです。そうしたものは、2020年下半期にはなんの役にも立ちません。せいぜい、カスが何匹か寄ってくる程度のものでしかないでしょう。
大事な人には自分という存在をかけて、誠意をもって向き合っていく。問題があるのなら、ひとつひとつ丁寧にひもといていく。数撃ちゃ当たる方式に出会いの機会を重ねていくよりも、誰に対しても誠意ある態度で過ごす。恋に夢中になっているときでも、仕事やライフスタイル、自分のルールは崩さずにいる。そうしたごく当たり前のことが、本当に幸せになれる愛につながっていきます。
こうした傾向に加えて、下半期は愛について、ちょっと「考え込む」ようなことが多くなるのかもしれません。これまでは感覚的な恋をしていた人も、「これは恋なのだろうか」「愛するとはどういうことなのか」といったことを、ついつい考えたくなるのですね。結婚したいと思っていた人がいても「結婚はしたいけど、紙切れ1枚の契約になんの意味があるのだろう……」と考え込んでしまったりもするかもしれません。
こうした思索は、一見すると出会いや結婚とはつながらない、あまり役に立たない時間のように思う人もいるのでしょう。出会うためのテクニックも、人を魅了するファッションも大事です。ただ、こうやってしっかりと考えておくことで、自分が本当に幸せになれる人を引き寄せることにもつながります。出会うための、道筋を作れるのですね。それは、どのアプリを使うとか、どういう人がアリとか、そういった実践論とは別なのです。
人生において重要な決断をするとき、心折れそうなとき。折れてしまったとして、でも立ち直ろうと顔を上げるとき。自分の心を支えるのは、ほかならぬ自分です。しっかりとした熱量をかけて考えた人こそ、幸せになるときに握るべき杖をたくさん持っています。
この2020年下半期、ふと考え込んで立ち止まってしまうようなことがあったなら、それは、幸せの入り口に立っているのと同じことです。かっこいい杖や美しい杖を、また1本コレクションに加えているということです。
そうしたことを本気で語り合える知人・友人が、人生という旅をともにするパートナーとなるようなことも、もしかしてあるのかもしれません。
12月中旬以降、出会いとパートナーシップについて強い追い風が吹き始めます。2021年のしし座の年間テーマは「パートナーシップ」。今後5年、10年といったロングスパンで続いていく絆の、第一歩となるでしょう。今年1年考えたことが、幸せになれるご縁と方向性をびしっと見定めることにつながるのは、言うまでもありません。
☆カップルの人
上半期に引き続き、相手のために何かをしてあげることが多いでしょう。仕事を手伝ったり、病気のときや忙しいときに面倒を見てあげたりと、相手の申し出を上手に汲んであげるといいです。ただし「これをやったからもっと好きになってもらえる」「結婚したいと思わせられるかも」などと思ってやるのは逆効果に。あなたが本心から「したい」と思うことだけをしましょう。そうすることで、ふたりの愛もどんどん純度を増していくことでしょう。自分がどうも尽くしすぎるクセがあると自覚していたり、相手が甘えすぎだな! と思っていたりするなら、夏から秋口までの間にいったん、一切の助力をストップしてみるといいです。そこから、やりたいことだけを選び取っていけるとバランスが良くなります。
☆今は恋を探している途中の人
全体的に落ち着きムードが漂うなか、ド直球の追い風が吹くのが9月、それから12月後半です。ほか、ふと友達や同僚など親しい人にときめいてしまう7月に、趣味や好きなことで盛り上がれそうな人と出会える11月など、チャンスはちょいちょいあります。自分のそのときどきの気持ちに柔軟に、人との接点を楽しんでいけると良いですね。過去の恋のトラウマをまだ持ち続けている人は、8月から9月頭にかけて、そこからふわっと自分を解放してあげられそうです。
☆障害のある恋をしている人
下半期の心模様は、とにかくフラット。つまり、ドラマティックな盛り上がりはいまひとつですが、ドラマティックな落ち込みというのもあまりなさそうな見通しです。当たり前のように「好き」という感情があって、お相手との関係が生活の一部としてすっかり定着していくのでしょう。あなたが強くお別れを望んだり、シングルの人との愛を選ぶ決意をなさったりするようなことがなければ、平穏に続いていくことが予測されます。何かふたりの間に変化があるとすれば、12月中旬以降でしょうね。なお、ストレスを強く感じてお体に影響が出た場合は、自分ファーストで過ごしましょう。それが一番大事です。
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<仕事運>
目の前のことをコツコツと、着実に進めていく地道な姿勢が幸運を呼ぶ2020年のしし座。下半期もそうした傾向は変わらず、昔話「桃太郎」の出だしのように山で柴刈りをしたり川で洗濯をしたりといった平穏な日々が続いていくでしょう。「それではおじいさん役もおばあさん役もひとりでやる話になるのでは」と思われる方も多いかもしれませんが、そのくらいにはやるべきことがてんこ盛りの下半期と言えるでしょう。忙しいので、効率化だけでなく心身の健康もしっかりと気にかけていらしてください。たとえば柴は手斧ではなくチェーンソーで切ってトラックで運べばいいと思います。何ならガスコンロにしてしまえば……と自分で引いたたとえ話を自分でぶち壊しにしていますが、効率化は大事です。休日には仕事をしないなど、心身ともに休める時間も持ちましょう。
ちなみに桃とのエンカウントは早くとも12月後半以降、おそらくは来年になるかと思います……と、話のノリでフライングしてしまいましたが、この下半期の実直路線というのは単なる「心身が疲弊するだけの、何も残らない時期」ではないはずです。ここで得られるものは、仕事が進むこと以上に「信用」ですね。「○○さんに任せておけば間違いはないはず」「わからないことは○○さんに聞いてみれば解決する」といった揺らぐことのない信用を、周囲の人の心に刻んでいけそうなのです。
突然私的な話をして恐縮ですが、私の親戚には親戚一同から絶大なる信用を集めている叔父がいました。彼が私の実家の車をワイルドにガードレールにこすったとき、父は「さすが叔父さんだ。車をぶつけたのにあんなに堂々としている」と絶賛していました。子どもながらに「えっそこ!?」と心でツッコミを入れたのですが、確かに叔父は堂々としており「なるほど信用されるとはこういうことか」と思ったものです。
この時期のあなたには、不思議な粘り強さと物事を成し遂げる力がそなわっています。そして、陰日向なく努力を重ねるその姿はそのまま、あなたの評判につながっていくことでしょう。来年のあなたは人と接することが増え、コミュニケーションを取りながら仕事や生活を前に進めていくことになっています。そのとき、2020年に培った信用というものが、ぴしりと効いてくることは想像にかたくありません。そのベースを、作ることができる時期です。
また、下半期に入ると急に向学心が増してくる人もいそうです。教養にせよ、歴史にせよ、はたまた数学の学び直しにせよ、「何の役に立つんだかわからないけれど、とにかく学びたい」という情熱が湧き上がってきたなら、ぜひ前向きに学びの機会をもってみてはいかがでしょうか。明日の仕事に役立つ学びばかりではなかなか叶えられない、人としての深さがそなわるかもしれません。人生の思わぬところで役立つ学びというのは、意外とこういうものだったり、するのですよね。
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真木あかりの恋愛占い
人気占い師・真木あかりさんによる恋愛占い。カップルの人・シングルの人・障害のある恋に悩んでいる人と、3つの状況別に、毎月の恋愛運を占います。(毎月最終日に更新します)
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