人気占い師、真木あかりさんの新刊 『2020年下半期 12星座別あなたの運勢』(6月25日発売)より、
<全体運>
下半期のおとめ座の運気は「呼吸」というテーマを掲げました。息を吸って、吐く。上半期のおとめ座は自分から愛すること、そして自己表現──感性や心のなかに生まれたことを世界に表現していくことがメインテーマでした。これは下半期も継続していきます。一方、下半期は「人からものや思いを受け取る、受け継ぐ」という意味合いも加わり、期待や熱意、関心、思いを連れたモノやコトがおとめ座の人々の手にもたらされることになります。私たちを取り巻くものすべてを世界と呼ぶならば、まさに呼吸をするように「出して、受け取る」という流れが起こるのです。その営みはごくささやかで、自然なこととして起こるだろうと思います。呼吸だって普段、「呼吸するぜ!」と思ってすることは少ないのです。多くの方がごく自然に息を吸って吐いて、という繰り返しで生きていることでしょう。自分のなかから生まれるものを出して、周りの人がくれるものを受け取る。出して、受け取る。ちょっと最近うまくいかない気がするなと思われたときは、どちらかを忘れていないかどうか、振り返ってみるといいだろうと思います。
ひとつ、大事なことを挙げるとすれば、「受け取る」ものは選べるということです。空気はどれも同じようでいて、そうではありません。深呼吸をするならば澄み渡った山頂や、花でいっぱいの野原の空気を選びたいという人は多いでしょう。現実の世界で吸う空気を選ぶように、私たちは受け取るものを選択することができます。なんでもかんでも吸い込んで、自分のものにしなくても大丈夫です。選択する意思、見極めるまなざしは、いつもお持ちになっていてくださいね。
いきなり抽象的なお話から入ってしまったので、具体的に紐解いてまいりましょう。
まずは愛と自己表現についてです。上半期に引き続き、12月中旬までは恋愛や趣味、クリエイティブワーク、子どもとの関係性に「幸運と拡大の星」である木星の光が投げかけられます。ただし9月半ばくらいまでは時折、停滞感が強くなることがありそうです。好きな人に対してどうしたいのか、どうありたいのか。今後どうしたいのか。そうした疑問が、寄せては返す波のように心に迫ってきそうなのですね。今がうまくいっていても「もしこの人を失ったらどうすればいいのだろう」と思ってしまうとか。
趣味やクリエイティブワークについても同じです。続けようか続けまいか、どんな方向性でやっていけばいいのか。「悩む」を「考える」に変えていけず、ぐるぐると堂々巡りを繰り返してしまったりしやすいでしょう。
といっても、これは必要な時間でもあります。特に何の悩みもなくまっすぐにやってきたことというのは、どうしても弱く折れやすくなるものです。問題が解決されないままで、のちのちもっと大きなかたちで、それが噴出したりもします。「恋も仕事も、うまくいかなければ当然悩むし、うまくいったらいったでまた悩むものだ」なんてひっそりと笑いながら、自分と向き合ってやるのがいいのかなと思います。
何らかの意味を見出すひとつのカギとなりそうなのが、この時期の「呼吸」の片割れである、「人から受け取る」ということです。下半期に入ると同時に、あなたはやけに人から高く評価されたり、励まされたり、期待をこめて何かを託されたり、といったことが増えるでしょう。人によっては「あなただから、やってほしい」と責任ある立場を受け継ぐことになったり、大事な“教え”を受けたりすることもあるでしょう。プレッシャーはなかなかのものなのですが、もしもあなたが関心を抱けるようであれば、ぜひ受け取ってみてはいかがでしょうか。
人からの視線に、期待に、評価に、まっすぐに応えていくこと。受け取ったものを、大事に守っていくこと。人によっては、誰かに強く心惹かれ、ぐいぐいともぎ取るように吸収する人もいるでしょうね。たとえば生き方やマインド、センス、スキルといったものを、です。「影響を受ける」と言い換えてもいいかもしれません。こうして他人から「受け取る」ことは、あなたの血肉になるだけでなく、この時期「これでいいのかな」と迷う心に指針を与えてくれます。人の心に応えることが、自分の心にも応えることに、つながるのではなかろうかと思います。
愛や自己表現を阻む霧はおそらく、秋口にはすーっと晴れていきます。5月半ば頃から浅い呼吸でなんとかかんとかやり抜いてきたことに、ここに来て気づかされる人もいるのかもしれませんね。もしもあなたが霧の渦中でこの占いをご覧になっている場合は、あなたにとってベストなタイミングで霧が晴れるということを、どうぞ覚えていらしてください。どんな風景が見えてくるかは、どうぞお楽しみに。「絶対こういう風景が見えてこないと困る」と思うことは、ときに霧を濃くしてしまう場合があります。「私にぴったりの風景が見える。そういうことになっている」と思っていただけると、運命も良い方向に動いていきやすいでしょう。
霧が晴れたあとは、愛や自己表現とまっすぐ向き合っていけます。12月半ばまで、自分と自分の大切な人や物に対して、あなたの思いをしっかりと表していくことが、いい運の循環につながっていくはずです。
さて、12月後半はどの星座の人にとっても大きな節目が訪れます。2021年の年間テーマが早くもスタートするのです。おとめ座の人の場合は、「自分を整える」。やるべきことが増えて、何かとせわしない気分に陥る人は少なくないのですが、あなたが他者との折り合いのつけ方を手に入れ、自分らしい日々を送っていくためにはとてもいい1年になりそうです。
あなたは、どんなときも一生懸命にお力を尽くす頑張り屋さんですね。仕事や自分に課せられた役割について、心のどこかで「もっともっと頑張らなければ」と自分を駆り立て、無理をしてきたことも多かったのではないでしょうか。そう した努力の結果、手に入れたものも多かったはずです。
そうした真摯な生き方というのは紛れもなくあなたの長所なのですが、ここからは「無理をする」ではなく、「仕事や他者とのベストな折り合いを見つけ、自分の役割を果たしていく」という方向で、自分を整えていくことになるでしょう。それは妥協でも、頑張らないことでもありません。むしろ、自分のために「頑張りすぎずにできる方法を模索することを頑張る」です。「頑張らないことを頑張る」ときだって、あるのかもしれません。たとえば、休日もつい仕事をしたくなる、そんな自分を律して全力で休むことを頑張る、とか。それが、年末からちょっとフライングでスタートする、2021年の年間テーマです。
おそらくですが、あなたが今想像されている「自分を整える」よりも、来年のあなたはもっと自由です。ワークライフバランスも重要なテーマですが、仕事とプライベートの両立に血眼になるというよりは、自分で仕事の概念を変えていくような発想のほうが向いています。たとえば「責務をきちんと果たすなら、通勤はしなくてもOK」とかですね。社会も少しずつそうなっていくはずですし、あなた自身もそうした発想をどんどん取り入れ、慣れていくとよろしいかと思います。社会や他人のために誠心誠意頑張ってこられたあなたですが、自分が自分でいられるように「自分を整える」。それが周囲の人の幸せにもつながっていく、そんな流れができていくのではないかと思います。素敵な人生を、作っていきましょうね。しっかりと呼吸しながら、胸いっぱいに吸い込みたい空気を、丁寧に選択しながら。あなたならきっと、そういった日々に意義を感じられるだろうと、私は思います。
<恋愛運>
「幸運と拡大の星」と呼ばれる木星が、あなたの恋愛を後押ししてくれるのは2020年12月19日まで。5月から9月中旬までは一時的に伸び悩みを感じて「自分は幸せになれるのだろうか?」「この人とうまくやっていけるだろうか?」などといった悩みも出てくるのかもしれません。ただ、そうした悩みもまた、あなたがずっと愛に関して引っかかっていたことを解決するひとつのプロセスです。その意味で、12月下旬までずっと、恋愛運には光が当たり続けます。これまでにないほど幸せな恋をする人も多いだろうと思いますし、恋を探している人には素敵な出会いが期待できるでしょう。伸び悩むとはいえ6月末からは、人の心のなかにグッと踏み込むような流れも出ています。自分でも想像もしなかったほど、恋にのめり込むような人もいるのかもしれません。カップルの場合は、ちょっとマンネリ化してきた人でもセクシーな刺激が生まれます。スキンシップや、肌を重ねる時間をどうぞ、大切になさってください。
この下半期の恋のポイントは、何よりもまず「楽しい」という感覚を共有することです。たとえば、片想いの人は「どうやって気を惹くか」「どう転がすか」などといったことよりも、とにかく楽しい時間を一緒に共有する。パートナーがいる人は「結婚するのか、しないのか」「友達に紹介してくれるのか」といったことをガチで持ちかけずに、ふたりでいる時間をできるだけ楽しくなるようにしたほうがいいのです。美しいものを見て「きれいだね」と言い、おいしいものを食べて「おいしいね」と笑い合い、泣ける映画で涙し、相手の話に耳を傾けましょう。そうした「楽しい」の積み重ねこそが、あなたが願う幸せのかたちを作っていきます。
また、向こう半年、おとめ座の人に意識していただきたのは「けじめ」と「順番」です。昭和のガンコ親父のようなことを書いて申し訳ありません。また、授かり婚の方々を非難するつもりはまったくないのですが、「お互いの好意を確かめ合い、おつき合いしましょうと合意をし、そこから深い関係になる」というプロセスを、きちんと踏んでいくことが幸せにつながります。
もちろん「恋人という枠で縛られるのは嫌。セフレが気楽」という価値観もあるとは思います。それであれば問題ないのですが、きちんとおつき合いをして、体目当てではなく心目当てで見てほしいと思っておられるのであれば、体の関係から始まる恋はナシです。そこから正式な恋人に……と昇格する場合もありますが、今期のおとめ座の場合は現状維持で、そのまま続いていきそうな見通しなのです。これは、あなたの魅力がどうとか、努力がどうといった問題ではなく、そういう流れができてしまうということですね。
また、秘密にしなければいけない関係性も、自分が泣くような選択はしないでおくこと。下半期はインモラルなお誘いも少しありそうなのですが、「妻とは別れるから」「彼女にもう愛はないから」といったセリフは、信じないほうがいいです。そこで関係を結んでしまうと、ずっとセカンドのままになりやすいのが今年なのです。
相手が魅力的な人だったり、早く恋人が欲しいと思っていたりすると、いい雰囲気になったら断りにくいものです。また、一度結ばれれば情も移るかなと、期待したくもなるかもしれません。それでも、あなたを本当に大切にしてくれる人であれば、たとえ断っても待っていてくれますよ。逆もまた然りで、そこで自分の欲望を通そうとする人であったなら、相手は自分のほうが大事なのです。そこで変な奇跡を願わないほうが、自分のためになるでしょう。「けじめ」と「順番」を大事にすることは、自分を大事にすることなのです。そこだけは、どんなときでも、覚えていらしてください。
☆カップルの人
今、ふたりの関係は順調ですか? それとも問題があるでしょうか。もちろん、問題がゼロなんてことはないだろうと思いますが、もしあなたの胸に宿る重たさが取れないようであれば、早めの段階で話し合ってみるとよろしいかと思います。今年はその問題が、より大事(おおごと)となってふたりの間に持ち上がってきそうです。咎(とが)めるのではなく、「相談する」というかたちで話を持ちかければ、相手も心を開きやすいはず。順調ということであれば、今年は最高に楽しい年になりますよ。子どもを望む人には、今年は嬉しいニュースが届くかもしれません。
☆今は恋を探している途中の人
出会いについては非常に前向きな風が吹いています。ただ、夏の間は少し迷いも生まれるかもしれません。自分がどういう恋愛をしたいのかわからなくなったり、そもそも婚活・恋活自体が面倒くさくなってしまったり……。ただ、それは決していけないことではありません。ずっと頑張り続けていたら、疲れてしまうのは当然のこと。頑張った証拠と思って、気持ちに折り合いをつけていきましょう。秋口にはまたやる気もご縁も戻ってきます。今よりも少し大人っぽい、季節感のあるファッションが恋の呼び水になります。12月19日まで快調な風が吹き続けますから、前向きな気持ちで過ごして。
☆障害のある恋をしている人
いつか障害を解消して、正式な恋人になりたい。そうした思いを抱いているのであれば、今年は少し苦しい時間が増えるかもしれません。障害が解消される見通しが、今年はちょっと立ちにくいのです。もちろん可能性がゼロとは言いませんが、愛情が執着に変わってしまうと逆に心の距離が開いてしまうことも。今、つながっていることに感謝して、現状維持を目指されるのが一番なのかなと思います。
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電子書籍版『12星座別 2020年あなたの運勢』では、月ごとの恋愛運や今がつらいという人のためのアドバイスを詳しく解説しています。お役に立てていただけますと幸いです。
<仕事運>
仕事では年間を通して「生み出す力」が高まります。クリエイティブワークの人にとっては素晴らしい時間になるでしょう。スキルを磨いて仕事のフィールドを広げること、自分の顔と作品を売っていくことなど、フルパワーで意欲を発揮していかれてください。きっとのちのち振り返ったときに「あの年がすべての始まりだったなあ」と、懐かしい気持ちになったりするのかも。「好き」を仕事にしたい、起業したいと思っている人も、具体的なロードマップを書き出してみるとよさそうです。
では、クリエイティブワークの人以外は何もないのか? というと、もちろんそんなことはありません。頭が冴え、ひらめきに恵まれるときですから、商談や打ち合わせではこれまで以上に前向きな話が多くなってくるでしょう。「なんかいい案出してよ」と言われたら、スベったりハズしたりすることは気にせず、どんどん発言してみるといいですよ。仕事柄、創意工夫より正確性のほうが求められるお仕事ならば、仕事に向き合うマインドセットを模索したり、副業で別の仕事を持ってみたりすると、この時期の星の恩恵にあやかれるはずです。
下半期は、自分を引き立ててくれる人たちの気持ちに応えようと奮闘する流れが来ています。重要な役割を引き受けることになったり、なぜか期待されたり、といったことが多くなるのです。格闘マンガに出てくるような「一子相伝のワザ」的に大事なことを教わって、大事に受け継いでいく人もいそうです。それは、あなたがここまで頑張ってきた努力が認められてのことですから、ちょっと大変そうなオファーであっても前向きに引き受けてみるといいでしょう。
ただ、5月から9月中旬くらいの間は、ニーズを読み間違えそうな向きも。「絶対にこうすべき!」と思ってした仕事が、軽くスベってしまうのかもしれません。これは、相手のことより自分のことが優先になっているのが主な原因のよう。無我夢中で取り組んでいるときほどいつの間にか自分メインになっていたりしますから、ちょっと気にかけておきましょう。発想を相手優先に切り替えれば、すぐにリカバーできるはずです。
12月22日以降、大きな運気の切り替わりの時期がスタートします。ここからのあなたは、とても個人的な「働き方改革」を推し進めていくことになるでしょう。パワーショベルのように「とにかくやる!」という鬼軍曹モードでやってきた人は、ちょっと発想を変えていく必要がありそうです。ここからは、根性とパワーで突き進むのではなく、論理と効率を意識してベストな結果を狙っていくときです。
時代的にも、根性論のようなものはもう通用しなくなっていくのが2021年です。ワークライフバランスを意識できる人こそが、評価されるように変わっていくでしょう。あなたは目標を決めたなら、自分に厳しく努力を惜しまない頑張り屋さんです。だからこそしっかりと、自分が心身ともに健康に仕事を進めるためのスキームやマインドセットを考えていけると素敵です。頑張ることは目的じゃありません、手段に過ぎないのですよね。そのことを、いつも心に留めておいて。
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電子書籍版『12星座別 2020年あなたの運勢』では、月ごとの仕事運や今がつらいという人のためのアドバイスを詳しく解説しています。お役に立てていただけますと幸いです。
真木あかりの恋愛占い
人気占い師・真木あかりさんによる恋愛占い。カップルの人・シングルの人・障害のある恋に悩んでいる人と、3つの状況別に、毎月の恋愛運を占います。(毎月最終日に更新します)
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