人気占い師、真木あかりさんの新刊 『2020年下半期 12星座別あなたの運勢』(6月25日発売)より、
<全体運>
2020年上半期はいかがお過ごしでしたか。私たちにとっての「日常」が大きく変わった春。「STAY HOME」の掛け声のもと、家で過ごす時間、家族との時間を増やしておられただろうと思います。なかでもてんびん座の人は、今年の年間テーマが「自分にとっての“ホーム”と呼べる場所を作る」だったのです。引っ越しをしたり、家のなかを快適に整えたり、はたまた家族との関係を良くしたり。昨年12月から、そうした時間が増えたという人は少なくないはずです。
そんなところに飛び込んできたコロナ禍。「ホームを作るというか、ホームにいた毎日だったな……」と思われた方も多いと思うのですが、占いでは文字通り「家」「家族」以外にも、自分が拠って立つ場所やいつも顔を合わせる人たちとの関係性をも含みます。たとえば自分にとってのサードプレイスとなっていたカフェ、親交の深い人々、同じ会社で働くメンバーたち。あなたがホッとする場所、身内という言葉が自然と出てくるような人々との関係性を、改めて考えさせられた日々だったのではないでしょうか。
この「ホーム」についてさまざまな心模様を引き起こしているのが「幸運と拡大の星」と呼ばれる木星です。年間テーマを司り、私たちが本当の意味で幸せを見つけるためにいろいろなことを「拡大」してくれるラッキースター。ただ、幸せというものがときに、試練から学ぶことで手に入るものであるように、木星はラッキーなことだけを起こしてくれるわけではありません。そのテーマにおいて、あなたを幸せにしない要素が隠れている場合はそれを「拡大」して、今のうちに向き合っておこうよ、解決しておこうよと呼びかけてきます。あなたも人生で何度か、「苦労はしたけど、結果的にラッキーだったな」といった経験をしたことがあるのではないでしょうか。それはもしかして、木星の思し召しだったかもしれません。ときにちょっと回りくどい方法をもって、ボトルネックを前向きに解消へと導いてくれるのです。
下半期もこの傾向は続き「コロナ禍を経験したことによって、本当に大事にしたいものがわかった!」などとプラスの経験をする人は少なくないのだろうと思います。また、愛する人や住まいを得たり、仕事仲間や家族との関係性などを良くしたりしていけるのがこの時期です。
そんな木星の働きが少し弱まるのが5月から9月にかけて。「ホーム」について、迷いが起こりやすくなります。ひとりでいれば淋しいけれど家族といれば淋しくない、というわけではない。ホームのひとつである会社も、決して確かな存在ではない。つい先日まで「会おうよ!」「飲みに行こうよ!」と言い合えた関係性が、次はいつ言えるかわからない。この春、急に足元が揺らぐような気分に陥った人は少なくないのだろうと思います。ただ、こうしたことは星が私たちを苦しめるために起こしているのではなく、考えるきっかけを示唆してくれているに過ぎません。それに、今のあなたと呼び合うようにして、ちょっと面白いことも起こりそうなのです。下半期からスタートする「他者との関わり」というテーマです。
6月末から2021年1月7日にかけて、てんびん座の人は人との接点が急増します。ここでいう「人」とは、いろいろな人とワイワイというものではなく、一対一の関係です。パートナーや仕事上の相棒という人は多いでしょうし、強烈な印象を与えるような出会いによって大きく「自分」を揺り動かされる人もいるはずです。自分はどう思っているのか、どうなりたいのか、これからどうしていきたいのか。そうしたことを、莫大な熱量で考えるようになるのです。そして、5月から続く「足元が揺らぐような感覚」の正体を、教えてくれるのだろうと思います。自分が真にリラックスし、自分の人生を生きていくために、自分はどういう場所を、誰と作り上げていくべきなのだろう、と。
そもそも論として私たちは、自分ひとりでは自分のことをなかなか認識しにくいものです。生まれ落ちた子どもはすでに成立した「ホーム」のなかに入り、成長するにつれ学校や会社、友人関係など「ホーム」を増やしていきます。一人暮らしの部屋に帰って真っ暗な部屋の明かりをつけるとき、恋人と生活をすることを想像したときなどに「ホーム」を意識し始める人もいるでしょう。こうしたことはごく自然な営みとして起こることが多く、迷いもまたぼんやりしがちで「淋しい」「ケンカが多くてイヤだ」「わかり合えない」といった不満を心のなかに溜めていくことになりがちです。
そうした状況を背景として2020年下半期がスタートすると、ほどなくして他者とガッツリ対峙する機会が増えたことに気づくでしょう。胸のうちを話し、言葉に耳を傾け、ときに衝突したり発破をかけたりかけられたりしながら、「ああ、自分は本当は、こうしたかったんだ」ということを見つけていきます。「すごいな。見習おう」「自分もこうなりたい」と刺激を受けて自分や行動を変えていく人もいれば、「絶対イヤだ」「これは許せない」といったネガティブな思いを「これからは、こういったものを選んでいこう」と前向きなエネルギーに変えて「ホーム」を作り上げていく人もいるでしょう。これが、下半期のテーマとして掲げた「『他人』が『私』を教えてくれる」ということです。自分ひとりで考えていてもわからなかったことを、接する誰かが教えてくれるのです。
人によっては、周囲に甘えすぎていた自分に気づいて自立心を持ち始める人もいますし、パートナーや会社のメンバーとの関わり方を変える人もいます。これまでは他人が作ってくれた「ホーム」に安住していたけれど、これからは自分の手で作り上げていこうとする人も。会社を作ったり、家庭を持ったり……あなたの今のフェーズにより、その形態は多様でしょう。きっと、楽しい営みとなるだろうと思います。だから、人と関わりまっすぐに向き合うことをぜひ、大切にしてみてはいかがでしょうか。てんびん座の人は空気を読み、相手との距離感を大切にする方です。スマートに人と関わるのがお得意です。そうしたところは揺るぎのないあなたの魅力なのですが、今期は泥臭い戦いも、なりふり構わず食らいついていくことも、自分のためになるはずです。
ちなみに、12月中旬から、てんびん座の人は「愛と自己表現」に強い追い風が吹くことになっています。自分が本当に幸せになれる愛と、自分が自分らしく感性を解き放っていく自己表現という2021年の年間テーマが、ここからスタートするのですね。
しかし、愛も自己表現も、ベースとなる「ホーム」が揺らいでいてはなかなか安定しません。「ホーム」の価値を認識しないままでは、愛を語る言葉も美しい歌も、どこか空虚なものになりやすいのです。この下半期、あなたは他者を通して自分を明確に認識し、「ホーム」を作り上げていきます。それはきっと、2021年の充実にもつながっていくことでしょう。
のちにたびたび振り返ることになる「自分の原点」を、2020年下半期の日付に刻む人も多いのでしょうね。なんせ、「ホーム」は日常です。きっとリアルで手応えがあり、これまでにない充実感があるはずです。よい毎日にしてまいりましょう。あなたならきっと、それがおできになるはずです。
<恋愛運>
下半期、「情熱と戦いの星」と呼ばれる火星が、パートナーシップ運を刺激し始めます。ここから2021年1月7日までの間、良くも悪くも刺激を──驚きや怒りや、わけがわからないという混乱や、鮮烈な魅力、戸惑いなどを──与えてくれる人との出会い、交流には事欠かない半年間となるでしょう。2020年のあなたはもともと、「落ち着きたい」願望が年間を通して強まっていきます。安定した恋愛や、結婚といったものへの関心、憧れが出てくるのですね。ただ、「ケンカしたらちゃんと話し合って、将来のことはふたりで決めて、子どもは2人で、マイホームは30代で買って……」といった広がり続けるイメージに、喝を入れてくれるようなところがあります。「そのイメージ、本当にあなたの願望!? そういうものと思っているだけじゃないの?」と。すでに結婚している人の場合、逆になるかもしれません。「今の生活や関係性には違和感がある」と思って、相手と真剣に対峙するという流れです。
もちろん、あなたの理想像が妄想に過ぎないとか、誰かの影響を受けすぎと申し上げるつもりはありません。それを言うなら大抵の人は「ムフフ」といろいろな想像をしますし、育った環境から、メディアから、読んだ本から、いろいろな影響を受けます。それが普通なんですね。ただ、ふわっと抱いている「これが普通の、オトナとして落ち着くべき姿なんだろう」的なイメージは、「実は、私が求めているのはそうじゃないかも!?」と気づかされることになります。
というのも、12月中旬以降から1年ほど、あなたは自分が描いてきた恋愛観を大きく塗り替えることになっているからです。てんびん座の人がもともとお持ちである、「和をもって尊しとなす、けれども個人主義」という特性がそのまま生きるかたちで、真っ白なキャンバスに新しい愛を描いていくことになるのです。それは、「とりあえずみんなと同じように落ち着きたい」という願望とは、まるで逆のものです。より自分らしく、より相手を尊重するかたちでつながれる関係性。実は時代も、そうした愛の価値を見出すよう、潮目が変わり始めています。幸せなことだと思いませんか。
だから、今年はたくさん刺激を受けるといいです。いろいろな人に会って、翻弄されたり怒ったり、混乱したりしてみませんか。熱量高くアプローチされ「ハァ!?」と思うこともあるのでしょう。自分にないものを持っている人に強烈に惹かれ、波にのまれるような恋をする人もいるのでしょう。それは、今のあなたの願望とは少し異なっているのかもしれません。ただ、あなたが本当に幸せになれる愛やパートナーシップがどのようなものか、教えてくれるようです。下半期の間じゅうずっとパートナーシップ運や出会い運は好調です。ほか、わかりやすいモテ期は11月に巡ってくることになっています。
ありものの愛で満足しないこと。自分の「こうなったらいいな」を疑ってみること。きっと、そんな面倒なステップを踏まなくても生きてはいけるんです。イージーに恋をすることだって、きっとできます。それでも、私たちは幸せになるために生まれて、生きています。それであれば、ちょっと欲張りに考えてみても、素敵なんじゃないでしょうか。
☆カップルの人
パートナーと本気で「ぶつかる」半年間です。ぶつかる、というといささか物騒な表現ですけれども、真正面から向き合ってホンネを言える、そして相手もそれに応えてくれるというかたちで、問題解決をしていける時期、と考えていただけたらと思います。ここまで、良いパートナーシップのために頑張っていらっしゃったこと、たくさんあると思います。ただ、一緒にいて落ち着けなかったり、大好きなのに不満が多くてイラッとしてしまったり、ということはないでしょうか。ここからは「自分が我慢する」以外の選択肢を、相手と一緒に見つけていけるはずです。なお、相手に成長してもらおう、変わってもらおうといった発想は、あまり効果がないと思います。ふたりで、お互いの思いが一致するポイントを探すことが大事です。
☆今は恋を探している途中の人
刺激的な出会いに恵まれそうです。第一印象は決して良いものではないかもしれません。それどころか「何この人!?」「無理!」かもしれません。それでも、交流を深めていくごとに新鮮な驚きや価値観の変化が、あなたのなかに生まれるようです。今、好きな人がいる場合でも、相手に好かれようと合わせるよりは「違っていいし、それが面白い」と思ってみるといいかもしれません。お互いに刺激を与え合うことが、この時期は何よりのブースターになるのだろうと思います。9月、11月あたりはチャンスが多いでしょう。
☆障害のある恋をしている人
あまり考えたくないことだとは思うのですが、ケンカが増えるかもしれません。どうしても悩みは多くなりやすい関係性なわけですが、溜め込めば溜め込むほど爆発しやすくもなるでしょう。お相手にもよりますが、あなたにきちんと向き合ってくれる人であるのなら、言葉を選んでホンネを話してみてはいかがでしょうか。また、これも今は考えておられないとは思いますが、まったく別の出会いが訪れる可能性も、充分考えられます。そうした人と急に燃え上がるかたちで、今の悩みから抜け出すのかもしれません。
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電子書籍版『12星座別 2020年あなたの運勢』では、月ごとの恋愛運や今がつらいという人のためのアドバイスを詳しく解説しています。お役に立てていただけますと幸いです。
<仕事運>
下半期に入ると急に、忙しくなってくる予感です。交渉や相談、依頼など、目的を叶えるためにアクティブに相手に働きかける、そうした仕事が増えてくるのです。今までは仲間に囲まれ、守られた環境で頑張ってきた人も多いだろうと思いますが、ここからはひとりで、自分の力でやってみることになるでしょう。もちろん、誰の力も借りず、孤独に頑張れということではありません。自分の情熱をエネルギーに変えて、一対一で向き合って真摯にぶつかっていこうという意味です。
ここから仕事で出会う人々というのは、ナメてかかれば痛い目に遭うこともあるかもしれません。ただ、自分の言葉で語り、説明し、相手のニーズに応えられるようにフルコミットで臨みさえすれば、彼らはとても多くの学びや刺激、成長の機会をくれそうです。よく「お客様に育ててもらった」「仕事に育てられた」などという人がいますが、おそらくそういった感覚によく似ているでしょう。大事なのは、仮にポジション的に上下関係があったとしても、心のなかでは対等でいること。「相手は自分の能力や時間を欲しいし、自分はそれを提供することができる。対価としてお金をもらうのだ」などと思えば、あなたは決して弱い立場でもなんでもないことがわかるでしょう。もちろん、商談で相手方の社長に「おっヒデじゃん! おまえもコーヒー飲む?」なんて感じで接するのはおそらく、あまり良い結果は生まないはずです。礼儀はわきまえるべきですが、精神面では常に対等な気持ちでいることで、ベストを尽くすことができそうです。夏の間は、仕事できらきらするようなやりがいを見出すこともできる充実期となるだろうと思います。
対人関係以外でも、ただ手を動かすだけ・命じられるままにやるだけ、というマインドセットでいると得るものが少ないときです。なぜこれをするのか、これをすることでどんなメリットがあるのか。そうしたことを丁寧に心に入れ込んで考えることで、ブレない仕事力が身につくでしょう。ただし9月半ばから11月半ばあたりは、断りきれずに自分でこなせない量の仕事を引き受けてしまったり、うまく意思疎通がはかれなかったりと、若干迷走しがち。これは時期の問題なので、自分をダメだと思う必要はありません。自分がどんな人であれば信頼したいかを丁寧に考えれば、とるべき行動も見えてくるでしょう。
このように、心の持ちようを丁寧に整えていくことには、どのような意味があるでしょうか? 簡単に足元が揺らぐことのない実力を身につける、というのは確かにあるのですが、これはどこか来年の準備でもあるのです。2021年、あなたは「自己表現」の星回りに入ります。持って生まれた感性をフルに発揮して、自分の歌をのびやかに歌っていくのです。そのとき、自分の頭で考えること、なぜこれをするのか説明できる自分でいることは、自分が本当に表現したいことに「芯」を作ります。自分の芯がしっかりしていれば、たとえ誰かがおかしなことを言ったとしても、向かい風が強く吹きつけたとしても、自分は決して折れることはありません。「自分は自分だから!」と言えるしなやかな強さを、今年のあなたは少しずつ培っていくのでしょう。あとあと「あのときがターニングポイントだったな」なんて振り返ることになる、印象的な気づきの半年間になります。ぜひ、能動的に行動を起こしていきましょう。
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電子書籍版『12星座別 2020年あなたの運勢』では、月ごとの仕事運や今がつらいという人のためのアドバイスを詳しく解説しています。お役に立てていただけますと幸いです。
真木あかりの恋愛占い
人気占い師・真木あかりさんによる恋愛占い。カップルの人・シングルの人・障害のある恋に悩んでいる人と、3つの状況別に、毎月の恋愛運を占います。(毎月最終日に更新します)
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