人気占い師、真木あかりさんの新刊 『2020年下半期 12星座別あなたの運勢』(6月25日発売)より、
<全体運>
結論から申し上げましょう。この下半期、マラソンでいえば「ラストスパート!」のときです。人生は続きます。決してラストというわけではないのですが、2020年のあなたは12星座のなかで間違いなく主役です。「幸運と拡大の星」と呼ばれる木星と、「制限と試練の星」と呼ばれる土星という大きな星があなたのところに巡っており、12月半ばに起こることになっている20年、200年に一度といった世紀のタイミングを今か今かと待っている。そこまでは自分が欲しいものをつかみ取るために、全力で走り抜ける。自分と自分が大切なものを守るために、全力で戦う。そうした風景が、この下半期には広がっています。
「なんだか物騒だなあ、嫌だなあ」と思われる方も多いかもしれません。全力を出すのは、疲れますからね。もうすでに頑張っているのに、さらに全力を出せと言われたようで心がぽっきりといきそうになってしまった方には、本当にごめんなさい。ただ、もちろんですが、私は怖がらせたりうんざりさせたりするために占いを書いたことは一度もありません。占いは「使う」もの。振り回されるためにあるものではありません。今がファイト一発な気分であるならガンガン全力でいけばいい。でも、疲れ果てて何もできない気分なら、「へえ、そういう時期なんだ。やれるときが来たらやろう」でOKです。時期的には、疲労困憊していてもおかしくない星回りなんです。なぜなら、幸運の星が巡るときは、とにかく忙しくなるから。チャンスが到来したり、人との出会いがあったりして、そちらに労力を持っていかれます。やることが増えればミスもリカバーも増えます。未熟な部分があれば大急ぎでアップデートしなくちゃいけませんし、仮に成功でもしちゃったら「その次!」と言われます。疲れるのは、すでに全力で頑張っているからなんですね。占いで言われる前から。それはそれで、運気の波にうまく乗れている証拠でもあります。
さて、今年のやぎ座はいろいろな占いで「12年に一度の幸運期」などと表現されることが多いでしょう。これは「幸運と拡大の星」である木星が巡ってくる1年だから。ただこの木星、「幸運」という言葉から連想されるようなイメージ──降って湧いたような幸運とか、自然と何かがどうかしてすべてがうまくいくとか──をもたらす星ではありません。受け身で得られるものは、それなりなんです。注目は「拡大」というキーワード。努力の結果が「拡大」して幸運につながっていくのですが、これは良いものに対してもそうでないものに対しても、同じように適用されます。頑張ってきたことは結果が出やすく、経験は価値を生む。でもズレたことはどこまでもズレていき、向き合いたくなくて見ないふりをしてきた問題はどんどん大きくなって表面化してしまう。ちょっと何やってんのという感じですが、そういった傾向にあるのですね。この年に結婚する人もいれば、離婚する人もいます。仕事でチャンスをつかむ人もいれば、自分が目指す方向からズレ続けているような感覚を抱く人もいます。そうした両極端な現象は、木星のこうした作用によります。なぜ悪いほうも「拡大」するのか。理由は、その課題を放置しておくと、しだいに自分を蝕むことになるからです。
今の自分をしっかりモニタリングしながら、調子がいいなら引き続き努力を、そうでないなら軌道修正と、細かくチューニングして「運を動かしていく」という意思を持つことが大事です。あまり「幸運」っぽくないでしょうか。でもやぎ座さんはもともと、そうした安定的な努力というものはお好きでいらっしゃいます。「そういうもの」とわかれば、覚悟も決まりやすいのではないでしょうか。
上半期を経て、今、木星はちょっとお休み状態にあります。振り返りにはぴったりのタイミングなのですが、この半年間、いかがお過ごしだったでしょうか。「まさに幸運期というにふさわしい」と思っている人は、その調子で駆け抜けていきましょう。ただ、おそらく9月中旬頃まで、人に弱点をズバッと指摘されたり、頑張りきれないところが自己嫌悪の感情となって表面化したりしそうな暗示も出ています。傷ついたりスルーしたりせず、その解消に取り組んでいかれるとよろしいでしょう。
今がイマイチという人は、やはり9月中旬頃までに、自分が本当はどうありたいか、誰かの心に合わせて頑張ってしまっていたり、本心とズレたことをしていたりしないか、いったん足を止めて振り返る時間を持つと良いでしょう。幸いにして、下半期スタートと同時に、強烈な「原点回帰」の波も訪れます。「そうそう」「これこれ」と思うことには、あなたが本当にしたかったことのヒントがあります。急がなくて大丈夫ですし、むしろ急がないほうが見つけやすいです。「制限と試練の星」と呼ばれ人を成長させる役割を担う土星は、あなたの守護星でもありますから。
さて、下半期はもうひとつ、大事な「全力疾走!」の流れがあります。下半期いっぱい、「情熱と戦いの星」と呼ばれる火星が後押しするかたちで、やぎ座の人には自分の基盤を全力で作り上げていく、整え守っていくような流れが起こることになっています。たとえば住環境を整えるとか、引っ越して快適な部屋に住むといった計画はうまくいきやすいでしょう。ほか、家族や恋人など、身内と呼べる存在を大事にすることも含みます。結婚をはじめ、安定した生活を作りたいといった意欲も湧いてくるでしょう。こうしたことにかけるエネルギーがほとばしる、全力でやっていくといいときなのです。「邪魔する奴は許さない」くらいの、強いお気持ちでいらしてください。
特に秋口から晩秋までの間は、自分や身内を軽んじられたり、イジられたりすることに我慢がならなくなるかもしれません。その怒りは、大事にしたほうがいいです。あなたにとって、とても大切なものだからです。とはいえ、わかっておいでかとは思いますが。キレ散らかすなど後味の良くない怒り方は避けておきましょうね。怒るのも技術です。あなたとあなたの大事な場所、人を守るための。
こうした「全力疾走」の流れは、12月中旬まで続きます。そこまでは本当に、とにかく猛然と走り抜けるという雰囲気の人も多いだろうと思います。そして12月中旬以降、あなたはふっと肩の力を抜くことができるでしょう。そこからは、ここまでの努力が自分の血肉となっていることを、たびたび感じながらの毎日となるでしょう。全力で走り抜けてよかった、そう思えることも多いはずです。
『扉のかたちをした闇』という詩集があります。これは作詞家の森雪之丞(もり ゆきのじょう)さんと作家の江國香織さんの共著によるもので、おふたりの美しい詩が交互に綴られていくのですが、そのなかに森さんの「未来に触れるなら」という詩があります。大好きな詩なので、ご紹介させてください。
未来に触れるなら
弱さは
それを認めた時
強さに変わることがあります
怖さは
それと闘ううち
勇気と呼ばれたりもします
だから逃げずに
壊さずに
もう少しだけ騙していましょうね
自分を
虚しさは
迷子のように抱きしめてやると
意外と夢に染まりやすいのです
醜さは
隠そうとさえしなければ
幾つかの困難からあなたを救います
だから恥じずに
暴れずに
もう一度だけ触れてみましょう
未来に
上半期、頑張っていらっしゃいましたね。真に努力するとき、自分の弱さや醜さに気づくことは少なくありません。怖さや虚しさにうちのめされるような思いになることもあります。でも、それらはきっとどれも、これから報われていくもの。少なくとも、あなたを巡る星々は後押しする体制に入っています。だから、どうか「こんなもの」と思わずに、大切にしていらしてください。あなたが頑張ったことは、あなたが「なかったこと」にしない限り、決してなくなることはありませんから。
<恋愛運>
この下半期、やぎ座の人の星回りを拝見していると、浮ついたところがまるでないことに驚かされます。といっても当然ながら、いつものあなたがフワフワ&キャッキャしているというわけではないのですが、しっとりと安定したお気持ちのなか、相手に真摯に向き合おうとか、未来のことを考えようという流れができているのです。これまで以上に愛する人を大切にし、愛する姿勢そのものにもまるで揺らぎがないのだろうと思います。愛する以前に、自分を信頼しているからなのかもしれません。この2年半というもの、ずっと自分を鍛え続けてきたようなあなたが至った、人への優しさの境地のように私には思えます。
今年は年間を通して、やぎ座の人のパートナーシップ運は一定の方向へずっと追い風が吹いています。その方向とは「あなたが幸せになる方向」。ですから、出会いや結婚といったものが幸せに結びつくご縁であれば、ふたりにとってベストなかたちで結びつきが得られるでしょう。その反対に、離婚や別離を経験なさる方もいます。これは、離婚や別離があなたにとって幸せにつながる道である場合。そう、離婚や別離は「不幸」「悪いこと」ではないのです。あなたが幸せな道をゆくための、ただの過程である場合も多々あるのですね。同様に、お付き合いや結婚でさえ、「幸福」「良いこと」とは限りません。例に出すまでもなく、世の中でたくさんの人が、それを実感しているでしょう。単純に良い・悪いをジャッジしない。不幸だ、幸福だと決めつけない。ここ2年半ほど、あなたは幸福そうに見えて実はそうでもなかったという経験を、たくさん味わって来られたことでしょう。ネガティブな印象しか持てなかったことから、大きな人間的成長の機会や幸福のきっかけを得ていらっしゃいましたね。そうしたものが、あなたという人の愛を育ててきたのかもしれません。
下半期はまず、安定への猛烈な希求から始まります。恋において、もう不安になりたくない。振り回されたくないし、怖い思いもしたくない。刺激やドキドキよりも、心の安寧を求めるようになるのです。大事なものを守る、ということに関心が向かう人もいます。具体的に、守りたいものができる──家族ができる、という人もいるかもしれません。
こうした動きは下半期いっぱい、正確にいえば2021年1月7日まで続く流れです。それに加え、7月から8月頭までは責任を持って相手に向き合いたいという覚悟のようなもの、パートナーシップの転機と、さまざまな欲求が熱いうねりとなってやぎ座の人のなかに宿ることでしょう。
こうした運気ですから、あなたという人を粗末に扱ったり、いないものとして話したりするような人とのご縁は、自然になくなっていくでしょう。でも、それでいいのです。いえ、最終的に「それでいい」と決めるのはあなたしかいません。ただ、あなたには自分を守り、幸せにする使命があります。本当の意味でそれができるのは自分しかいません。あなたは過去2年半で、自分が自分らしくあること、自分を肯定するということを、さまざまな経験を通して学んでいらっしゃいました。そのことの総仕上げとして、愛においてもぜひ、この半年は自分を守るような愛を、愛し方を探していっていただけたらと思います。自分を大切にできてこそ、人に与える愛も確実なものになります。
☆カップルの人
お互いに相手にお気持ちがあるならば、しっかりと良い絆を作っていかれるでしょう。7月から8月にかけてはお相手のために労力や時間を割くことが増えるだろうと思います。あなたにできることで、お相手の支えになってあげてはいかがでしょうか。同時に、この時期はパートナーシップに関しても進展がある見通しです。7月下旬、ふたりの間で印象的な「はじまり」が起こったり、新たな約束をしたりすることになるだろうと思います。暑く、熱い夏が終わってから、いよいよ安定に向けた動きに入ります。
☆今は恋を探している途中の人
「こういう人とおつき合いして、楽しい時間を過ごしたい」「こういう人と結婚して、幸せになりたい」などと、目指す状況を心に決めることをスタートとすると、望むようなパートナー候補とのご縁が結ばれやすくなるでしょう。最も気をつけていただきたいのが、「条件を低めにしたほうが見つかりやすいだろう」と本当は望んでいないタイプを求めること。あなたの、幸せになりたいと思う気持ちにつけ込むような人と出会いやすくなってしまいます。かといって高い条件を求めすぎるのも問題です。「でも、無理だろうな」と思うたびに出会い運は下がっていくのです。自分の本心と向き合って、今こそ本当に、ほんとうに求める人物像を、心に決めていらしてください。それと、「自分は幸せになっていい」というお気持ちも忘れずに。
☆障害のある恋をしている人
守るべきものを守る、というのがこの下半期のやぎ座です。もしあなたにご家庭があるのなら、家庭を大切にする選択肢を選ぶことになるでしょう。あなたが独身で辛い思いをされているのであれば、障害のない恋で自分を大切にしよう、心を守ろうと思うでしょう。ただ、たとえ離れる決断をなさっても、恋をしたことに後悔なさらないのではないでしょうか。惹かれ合った過去というのは、あなたが「なかったこと」にしない限り、なくなりません。谷川俊太郎さんの「あなたはそこに」という詩の一節に「ほんとうに出会った者に別れはこない」という言葉があります。もういない方のことを書いた詩なのですが(縁起でもないと思われたらごめんなさい)「ほんとうに出会っている」から、いなくならないのですよね。それも、愛を守るということのひとつの姿なのかなと、2020年下半期のやぎ座の運勢によせて私が考えたことです。
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<仕事運>
人生の主役として、欲しいものをつかみ取っていく。こうした運気全体の流れが最もよく出るのは仕事においてでしょう。過去2年半くらい、やぎ座の人は仕事において「自分を鍛える」ような状態がずっと続いていました。実際に試練と呼べるような出来事が多く起こった人は多いでしょうし、かなり厳しい制限や課題をみずから課していたのではないでしょうか。頑張っていらっしゃいましたね。やぎ座の人は不屈の精神&並外れた忍耐力の持ち主ですが、弱音を吐きたくなる夜もあったのだろうと想像しています。
2020年は上記の流れに加え「幸運と拡大の星」と呼ばれる木星の恩恵が加わってきます。これまで真摯に努力を重ねてきた人ほど、活躍のフィールドを広げるチャンスに恵まれやすいでしょう。とはいえ、この本をご覧になる6月、7月あたりの段階では「幸運? どこが!?」と感じる人は多いでしょう。幸運というと、ただただラッキーで何もしなくてもいいことばかりがガンガン起こって、すべてうまくいくといったイメージを抱かれる人が多いのですが、木星がもたらす幸福というものは少し違います。たとえば「大きな仕事の依頼が来て、これぞチャンスと思ってメチャクチャ頑張って、想定もしなかったことが次から次へと起こってバタバタしているうちに過ぎた。正直、疲れた」なんてことが起こりやすいのです。チャンスというものは大きければ大きいほど忙しいし、想定外のことも起こるし、大変です。渦中にいるときは「ただただ必死だった」ということになりやすく、翌年あたりから「ああ……あれは確かに幸運だったかも」と思うに至る、という感じです。
2020年12月下旬から、早くも来年の年間テーマ、お金やモノの所有、実力をつけることへの挑戦がスタートします。ここからの1年は、繰り返し2020年の頑張りを思い出すことになるでしょう。「あれは確かに幸運だったかも」と思えるようなシーンも、増えてくると思います。
そのためにも、12月下旬までは「つかめるチャンスは全部つかむ」くらいの勢いで駆け抜けること。今後10年の運を作っているつもりで、欲張りにやっていきましょう。おそらく9月上旬くらいまでは「今の頑張りに意味なんてあるんだろうか」「もう頑張りたくないな……」なんて考えを抱くこともあると思うのですが、ちゃんと意味はありますよ。たとえば10月などは、新しくチャンスをつかんだり、過去のリベンジを果たしたりといったことが待ち受けているようです。
頑張れないと思う日は、少しだけ頑張ればいいです。全然頑張れないなら、翌日に2倍頑張るのも素敵です。そういう日だってあっていい。それでも、自分は今、大いなる山の中腹にいる、なんなら頂上までかなり近いところまで来ているということを、いつも胸に留めておいていただきたいと思います。それさえわかっていれば、あなたは多少のことで折れる人ではありません。
幸い、この下半期のあなたには、頼もしい“身内”がいます。ともに同じ目標に取り組む仲間を、場所を、どうぞ大切にしていらしてください。必ずや、情熱や意欲をともに抱いてくれることでしょう。それにより、あなたがよりチャレンジングな状況を前向きに受け入れていくことにもつながるのだろうと思います。
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真木あかりの恋愛占い
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