世界各地のおもしろいダンゴムシを集めたビジュアルブック『おどろきダンゴムシ図鑑』(奥山風太郎・著)が話題です。今回は芸術的な見た目のダンゴムシを本書からご紹介します。
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琥珀というよりミカンかな
アンバーダッキー(ネッタイコシビロダンゴムシの一種)
Cubaris(1) sp.
〈採集地〉タイ
〈写真の個体の体長〉14ミリ
まるで作り物、こんな色彩のダンゴムシが自然環境下にいるとはなかなか想像できないが、実在するのだ。
タイの洞窟周辺から見つかっている。
黄色みが強くて琥珀(アンバー)のようだから、「アンバーダッキー」の愛称で呼ばれているが、丸まった姿はミカンにも似ている。
バクかパンダかどっちに似てる?
ケイブティパー(ネッタイコシビロダンゴムシの一種)
Cubaris(1) sp.
〈採集地〉マレーシア
〈写真の個体の体長〉13ミリ
マレーシア北部の洞窟付近で見つかっているCubarisの一種。
高温多湿なイメージのあるマレーシアだが、冷涼な高原地帯で多く見つかっており、意外にも暑さは苦手だという。
洞窟付近に生息していることと、マレーバクのカラーリングに似ていることから「ケイブティパー(洞窟のバク)」の呼び名がある。
ヨーロッパなどの愛好家は「パンダキング」という愛称で呼ぶこともある。
大人を惹きつけるシマウマ模様
ゼブラダンゴムシ
Armadillidium maculatum
〈採集地〉フランス
〈写真の個体の体長〉17ミリ
明瞭な白黒配色は、生物好きなら誰もがときめくカラーリング。
色も模様も完全にシマウマ柄なのだが、学名には「斑点」という意味があって、それにはちょっと違和感がある。
大人のダンゴムシ好きが購入する種としてもっとも初期に流行ったうちのひとつで、2012年ごろにはスペインの愛好家がドイツの昆虫即売イベントで販売していたという。
ポルカドットはオスの特権?
コルフスポッテッド
Armadillidium frontetriangulum
〈採集地〉ギリシャ・コルフ島
〈写真左下の個体の体長〉15ミリ
ギリシャのコルフ島でのみ見つかっている、はっきりしたドットが美しいダンゴムシ。
個体によって白ドットだけのもの、白と黄色の小ドットのものなどさまざま。
だが、黄色が交じる小ドットのものは雌雄が見つかるのに対して、白1色の大粒ドット(ポルカドット)のものはオスしか見たことがない。
そんなにたくさん確認したわけではないので断言はしないが、成熟したオスだけの特徴の可能性もある。
対岸のアルバニアにはドットが小さくて色の淡い、よく似た種が生息している。
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この続きは書籍『おどろきダンゴムシ図鑑』をご覧ください。
おどろきダンゴムシ図鑑
2020年6月11日発売『おどろきダンゴムシ図鑑』(奥山風太郎・著)の最新情報をお知らせします。