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食べる量が少ないのに太るのはなぜか

2020.07.09 公開 ポスト

無理して運動をするより、ニートで簡単ダイエット香川靖雄

糖質制限や断食、サプリメントに頼ったダイエットは間違いだった……。

長年、栄養学に携わってきた香川靖雄先生によると、ダイエットの基本は1日に3食とること。著書『食べる量が少ないのに太るのはなぜか』には、極端な食事制限なしに、無理なく痩せられ、太りにくい身体を作るというダイエット法が書かれています。1日のうちでどのような時間に、どのような速度、順序で食べるのが効果的か、その一部をご紹介します。

運動だけで痩せるのは至難の業

(写真:iStock.com/Deagreez)

食生活を変えることで痩せるダイエットのほか、運動をすることで脂肪を燃やすというものがあります。

しかし、減量のためにスポーツジムに通っている人のなかには、「思うように痩せない」と嘆く人がけっこういます。

実は、ジムに通って痩せるためには、週3回、1回2時間は身体を動かさないと効果が出ないといわれます。

会社勤めの人がそれを実行するのは、なかなかむずかしいでしょう。

なにしろ体重を1キロ減らすためには、7200キロカロリーを消費しなければならないのです。

 

たとえば、標準的な体重の人が1万歩歩くと、約300キロカロリー消費するといわれますが、それでも1キロ減らすのに24日かかることになります。

しかも1日1万歩歩くとなると、1~2時間は歩かないといけません。これを毎日続けるとなると、よほど歩くのが好きか、時間のある人に限られてしまいます。

とはいえ、運動することで筋肉がつけば、基礎代謝量はアップします。日頃の運動で痩せやすい体質に変えることはできるわけです。

健康的に痩せるためには、運動だけで痩せようとは思わず、食習慣の改善も取り入れることです。そして基礎代謝量を増やすために、生活のなかに身体を動かす機会を増やすといいでしょう。

 

断続的にでも10分程度のこまめな運動を取り入れ、1日合計30分以上、毎日続けると痩せるのに効果があるといわれています。

これはアメリカの「NEAT(ニート)」という考え方に基づいたものです。

それによると、人間の1日のエネルギー消費量のうち、もっとも多いのが基礎代謝量で、その次に多いのが「非運動性身体活動(編集部注:Non-Exercise Activity Thermogenesis。頭文字をとってNEAT)」であることがわかったのです。

(写真:iStock.com/CasPhotography)

非運動性身体活動とは、庭仕事や家事など、ふだんの生活のなかで行われている活動のことをいいます。このなかには階段を上ったり、子どもと遊んだり、犬の散歩をしたり、買い物をしたりといった活動も入ります。

たとえば、電車で座るのをやめて毎日1時間立つようにすると、1年間で体重約5キロ分のエネルギーを消費することができます。それ以外に、エレベーターを使わずに階段を上ったり、こまめに掃除や洗濯をするといったことでも身体活動は増えるのです。

もちろん運動ができれば、それに越したことはありません。ウォーキングをするなど、無理のない範囲で日常生活に運動を取り入れ、それに加えて食生活を改善すれば、無理なく痩せることができるはずです。

運動嫌いの人でもできる、消費エネルギーを増やす方法

何のスポーツもやっていず、運動は苦手だという人がいます。せめてウォーキングぐらいやろうと思っても、時間がなかったり、外に出るのがおっくうでやれないという人もいます。

しかし、前述したように、日常生活の身体活動でも運動にはなります。

たとえば、いつもより少し早く起きるだけでも、その分、活動量が増えることになるし、駅でエスカレーターではなく、階段で上るだけでも運動になるのです。

いつもより早足で歩く、お風呂場やトイレの掃除をいつもより入念に行う、庭の草むしりの回数を増やすといった、ふだんの活動を少し多めに行うだけでいいのです。

それだけでも1日の活動量が増えて、消費エネルギーがアップします。

関連書籍

香川靖雄『食べる量が少ないのに太るのはなぜか』

「少食にしているのになぜ痩せないの?」と不思議に思うことはないだろうか。実はこれには生体リズムをコントロールしている「時計遺伝子」が大きく関わっており、その鍵となるのが「朝食」である。たとえば朝食を食べない人は、食べている人に比べてなんと5倍も太りやすいのだ。また朝食で発する熱量は夜食の4倍大きいなど、朝食は大きく代謝を上げることが明らかに。我慢をせず、好きなものを食べて痩せたいという人に、時間を活かした画期的なダイエット手法を、女子栄養大学の副学長が伝授。

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食べる量が少ないのに太るのはなぜか

糖質制限や断食、サプリメントに頼ったダイエットは間違いだった……。

長年、栄養学に携わってきた香川靖雄先生によると、ダイエットの基本は1日に3食とること。著書『食べる量が少ないのに太るのはなぜか』には、極端な食事制限なしに、無理なく痩せられ、太りにくい身体を作るというダイエット法が書かれています。1日のうちでどのような時間に、どのような速度、順序で食べるのが効果的か、その一部をご紹介します。

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香川靖雄

女子栄養大学副学長。自治医科大学名誉教授。一九三二年東京生まれ。一九五七年東京大学医学部卒業。聖路加国際病院、東京大学医学部生化学助手、米国コーネル大学生化学分子生物学客員教授、自治医科大学生化学教授などを経て、現職。専門は生化学、分子生物学、人体栄養学など。

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