たくさんの思いを詰め込んだ『昭和の洋食 平成のカフェ飯』が注目されたおかげで舞い込んだのが、その後『小林カツ代と栗原はるみ 料理研究家とその時代』となる本の執筆依頼だ。本の中にある、働く女性としての自負を持つ小林カツ代と、「主婦」としてのアイデンティティを大事にする栗原はるみの対比が面白い。ぜひその両者についての本を書いてほしい、と編集者に言われた。
私は私で、『昭和の~』を執筆中、料理研究家は社会貢献をしているにも関わらず、食文化の歴史にもあまり紹介されていないし、評論の対象にもなっていないなど、社会的評価が高くないのではないか、と気になっていた。
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料理に対する「ねばならない」を捨てたら、うつの自分を受け入れられた。
うつ病になったら、料理がまったく出来なくなってしまったー。食をテーマに執筆活動を続ける著者が、闘病生活を経て感じた「料理」の大変さと特異性、そして「料理」によって心が救われていく過程を描いた実体験ノンフィクション。
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