家から随分離れた街の焼肉屋に行った時のこと。そこは厚切り上タン塩が970円、しかも8枚くらい乗ってるっていうとても安い店で、なおかつびっくりするくらい美味しかった。美味しいのはタンだけじゃなくて、カルビもハラミもロースも美味しい、しかも全て安い。魔法か? と思いながらモグモグ食べていると、すぐ隣のテーブルから話し声が漏れてきた。外食が久しぶりだったから、こんな風に知らない人の話に聞き耳を立てるチャンスも久しぶりで、嬉々として耳をそばだてる。あぁやっぱり盗み聞きって面白いな、どんどん喋ってよねお隣さんと思っていた私のテンションは、ある言葉をきっかけにガタ落ちした。
「女が男みたいな髪型してるのも変だし、男が女みたいな髪型してるのも変」
え~~?! 令和やで~~~~?!?! まだその考え方の奴いるぅ~?!
衝撃で思わず箸が止まった。
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キリ番踏んだら私のターン
相手にとって都合よく「大人」にされたり「子供」にされたりする、平成生まれでビミョーなお年頃のリアルを描くエッセイ。「ゆとり世代扱いづらい」って思っている年上世代も、「おばさん何言ってんの?」って世代も、刮目して読んでくれ!
※「キリ番」とは「キリのいい番号」のこと。ホームページの訪問者数をカウントする数が「1000」や「2222」など、キリのいい数字になった人はなにかコメントをするなどリアクションをしなければならないことが多かった(ex.「キリ番踏み逃げ禁止」)。いにしえのインターネット儀式が2000年くらいにはあったのである。
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