「夜の街」の感染防止に、飛行機の空気清浄に使う「ヘパフィルター」の提案前田浩

日本人の新型コロナウイルスの感染者数と死亡数は、欧米に比べてなぜ少なかったのか。今後、「夜の街」問題はどうするのか。ファクターXは何なのか。予防に手落ちはないか？　抗がん剤の世界的権威にして細菌学・ウイルス学のエキスパートが、私見を含め、最新の疑問に答える。

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バーやクラブ、ライブハウス、大型レストラン、パチンコ店、劇場には、航空機と同じヘパフィルターという空気を無菌化するフィルターを通した無菌化空気の循環を勧めます。これらの施設（室）内では、密室に近く、多人数の呼気が混ざり合うところであり、その室内の空気の清浄が目下の最大課題です。ウイルスは飛沫からエアロゾルとして飛散、拡散することが充分考えられます。前項で記した感染の加速因子の家ダニ（ハウスダスト）プロテアーゼも飛散・浮遊しています。

この点から、航空機のキャビンの空気と同様に、へパフィルターを通した清浄空気を送り込むことをお勧めします。

以前は、インフルエンザの流行期に航空機内での集団感染が大きな問題になったことがありました。そこで航空会社は知恵を絞り、飛行機に空気清浄をするヘパフィルターを設置し、それ以降は大きな集団感染は起こらなくなったのです。へパフィルターは細菌もダニも、大きめの飛沫も捕捉するので大変好都合です。

空気の清浄機にさらに、殺菌燈を内蔵させ、加湿機能も併せ持たせれば、より効果的です。お客さんがいないときも、手術室や無菌室と同様の殺菌燈（紫外線）を各所に設置し、空気を循環させて清浄化をするといいでしょう。

こうした設備を備えることで、バーやクラブあるいはレストランで楽しく会話しながら飲むことも、ライブハウスや劇場で安心して音楽や芸術を楽しむことができるようになるので、経営者は早急に検討してほしいところです。

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〈参考文献〉
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