台詞を唱えながら踊りの記憶が蘇る
長野に四月の中旬に移住して約1ヶ月半。ボクは長い台詞を自分のものにするために格闘していた。大抵、昼下がりに「長野オリンピック記念公園」の外周をぐるぐると巡りながら台詞を唱えていたが、六月に入り、日差しも気温も日に日に強くなり、どうも日中には熱中症になる恐れもあるくらいのすでに「夏」だ。
まだ台詞が覚えられていない段階であれば、<覚えるまで帰らない>というルールに従い、ひたすらに台本を手に散歩を続けていたが、この頃になると既にもうセリフは大抵、空で言えるようになっており、課題は次の段階、その台詞を話しているときにどんな豊かなイメージを持てるか? というところに入っていた。無理して真昼間から日差しのない炎天下の屋外で過剰な紫外線を浴びる理由はない。ボクは公園に散歩へ出かける時間を白昼から夕刻へと変えることにした。
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住所不定 「映画」と「踊り」を探して
リアルに進む映画制作の記録。踊りの記録。
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