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オタク女子が、4人で暮らしてみたら。

2020.10.04 公開 ポスト

全員の推しが出演する、まさかの「現場カブり」の夜藤谷千明(ライター)

「オタク同士で暮らしたら、絶対楽しそう!」そんな夢を見たことがあるオタクは多いはず。そうではなくても、このコロナ禍、「淋しくて不安」「孤独死したらどうしよう」「でも、異性と一生を約束して暮らすのは面倒!」など、一度は誰かとの生活について考えた、ひとり暮らしの方はいるのではないでしょうか。

先日発売となった『オタク女子が、4人で暮らしてみたら。』の著者、藤谷千明さんは、東京都内の賃貸一軒家(5LDK)でアラフォーのオタク4人で暮らして、約1年半になります。

アラフォーのオタク女子4人は、同居する一軒家でどのような春夏秋冬を過ごしてきたのか。オタクならではの会話が飛び交う、楽しい日常を、本書より一部抜粋してお届けします。第5回目は、同居する4人の「推し」が出演していたという、奇跡のようなイベントでのお話です。

*   *   *

大集合サンリオハロウィン

我々4人、ここまで書いてきたように好きなジャンルはバラバラなのだが、一度みんなの現場がカブったこともあった。それは10月の末、サンリオピューロランドのハロウィンイベントでのこと。どうして揃ってサンリオハロウィンへ? それはですね、偶然です。

我々は、イベントごとで家を空けるときは、アプリでスケジュールを共有している。10月の末に全員「オールナイト」だとか、「ピューロランド」だとか「ハロウィン」と予定が入っていた。

私「おや……?」

丸山「これは?」

星野「もしかして?」

角田「みんな同じ場所?」

サンリオハロウィンは、出演者がバラエティに富んでいることでも知られている。この年は、LDHアーティストから声優とラッパーのユニット、気鋭のミュージシャンまで、いろんな人が出演していた。たまたま私はLDHファンの友人から誘われてチケットを購入しており、丸山さんはテーマパークオタクの友人から声をかけられていた。一方、星野さんと角田さんもそれぞれ推しが出るという。

私「DJ MAKIDAIを観に……」

丸山「ピューロに一度行ってみたくて」

星野「私は昴(木村昴)と掌幻」

角田「私は長谷川白紙」

一同「なるほど~~~」

こうなったら、みんなで全力で仮装をしましょう。私はヴィジュアル系おばさんとして鳴らしているので(大嘘)、倉庫部屋からゴシックロリィタのお洋服を取り出し、ゴッテゴテのメイクを施す。頭が寂しいなと思ったものの、いい感じに仮装感のあるアイテムが見つからなかったので、ドン・キホーテで「Halloween」と書いてある帽子を買った。そこにはこだわりはないのか? ええ、ないです。ってなわけで、意気揚々とピューロランドに向かうのであった。それぞれの友達と合流し、ほどほどにはしゃぎ、ほどほどに休み、またはしゃぐ。星野さんは出番の早かった昴と掌幻をダッシュで観に行き、私は「HIGHER GROUND」でブチ上がり、長谷川白紙に荒ぶる角田さんを横で見る。そしてみんなでDJ HELLO KITTYさんことキティちゃんを拝んだ。

明け方に終了し、くたびれた体の力を振り絞り、電車に乗って帰路についた。アラフォーでオールナイトするのはさすがに疲れたので、駅から家まではタクシーを使う。こんなとき、4人だと割り勘できるし助かるな。

令和ケーキのくだりで「オタクは記念写真に人間を入れない」と書いたが、例外もある。ハロウィンのフォトスポットを発見し、「せっかく仮装もしているし」と、この夜は珍しく4人でフレームに収まった記念写真を撮ったのであった。

関連書籍

藤谷千明『オタク女子が、4人で暮らしてみたら。』

我が家こそ、沼でした! お金がない、推しのグッズは増える、孤独死は嫌だ! そんなわけでアラフォー女子がはじめた快適ルームシェアの日々。 一生を約束したくはないけれど、淋しいから誰かと暮らしたい、 推しのグッズは増える一方なので広い部屋に住みたい、 節約して将来への不安に備えたい…… 意見の一致したオタク女子4人がルームシェアをすることに! 本名すら知らなかった仲間との生活は、 オタクならではの出来事や会話が飛び交う毎日で、全然キラキラしてないけど、すごく楽しい。 そんな4人が同居に至るまでと、春夏秋冬の暮らしを綴った、ゆるっと日常エッセイ。 〈目次〉 第1章 私は如何にして心配するのを止めてオタクと暮らすことにしたのか 第2章 【メン募】同居人募集・当方オタク、完全ゆるふわ志向。 第3章 春夏秋冬ルームシェアリング! 第4章 ガチャも回すし人生も回す

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オタク女子が、4人で暮らしてみたら。

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藤谷千明 ライター

1981年生。フリーライター 。ヴィジュアル系やオタク・サブカルチャーについての記事を執筆。単著に、アラフォーオタク4人で都内の一軒家を借りて暮らす実体験をつづったエッセイ『オタク女子が、4人で暮らしてみたら。』(幻冬舎文庫)がある。同タイトルでコミカライズ全2刊も刊行(作画:泥川恵/幻冬舎コミックス)。ルームシェア生活は現在も継続中。そのほかの著書に、対談集『推し問答!』(東京ニュース通信社)、共著に『バンギャルちゃんの老後』(ホーム社)、『すべての道はV系に通ず。』(シンコーミュージック)など。TBS『マツコの知らない世界』V系回出演。Xアカウント:@fjtn_c

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