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念力恋愛

2020.10.11 公開 ポスト

本日の念力恋愛(2)笹公人(歌人)/水野しず(イラストレーター/コンセプトクリエイター)

混ぜるな、危険!? 短歌界の異才・笹公人×アート界の鬼才・水野しずによる、「念力恋愛」ワールドを、少しだけお届けします。

青春の傷はときどき疼くからクレアラシルは捨てられずある 

「ニキビ」イコール「青春」であるならば、クレアラシルは青春の傷にも効く薬だと思う。
クレアラシルの文字の中には「アラシ(嵐)」がある。
クレアラシルには、思春期特有の嵐のように暴走する心を鎮める効能もありそうで、大人になってからも、お守りのように捨てられずにいるのである。

修学旅行で眼鏡をはずした中村は美少女でした。それで、それだけ

ふだん眼鏡をしている同級生の女子が、眼鏡を外す瞬間を目撃するチャンスは、修学旅行くらいではないだろうか。
眼鏡をとった中村がこんなに美少女だったのか、とたまげたあの夜。
その瞬間、少年は中村に恋してしまったのだ。
しかし、告白も何もできないまま終わってしまった少年の甘い回想の歌。

解説:笹公人

関連書籍

笹公人/水野しず『念力恋愛』

「あの夏の石段の上僕の背を押した少女よ どうしてますか」 「ラブレターは死語か否かで華やいだ吉祥寺デニーズ跡地ながめる」 「修学旅行で眼鏡をはずした中村は美少女でした。それで、それだけ」 ひっそり恋しく思い輝く108の星団怪しくも艶やかに微笑む40の恒星 短歌界の異才・笹公人×アート界の鬼才・水野しずによる、短歌と創作(妄想ラブレター)とイラストの、「念力恋愛」ワールド。

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笹公人 歌人

1975年生まれ、東京都出身。「未来」選者。現代歌人協会理事。「牧水・短歌甲子園」審査員。大正大学客員准教授。歌集に、NHK Eテレにて連続ドラマ化された『念力家族』(朝日文庫)、『念力図鑑』(幻冬舎)、『抒情の奇妙な冒険』(早川書房)、『念力ろまん』(書肆侃侃房)。バラエティ作品集『念力姫』(ベストセラーズ)、『念力レストラン』(春陽堂書店)。エッセイ集『ハナモゲラ和歌の誘惑』(小学館)。絵本『ヘンなあさ』(本秀康・絵/岩崎書店)。共著『遊星ハグルマ装置』(朱川湊人/日本経済新聞出版)、『連句遊戯』(和田誠/白水社)、『連句日和』(和田誠、俵万智、矢吹申彦/自由国民社)。編著『王仁三郎歌集』(出口王仁三郎・著/太陽出版) など、刊行書籍多数。

水野しず イラストレーター/コンセプトクリエイター

1988年生まれ、岐阜県出身。実家は日本酒「三千盛」の酒蔵。武蔵野美術大学造形学部映像学科中退。在学中は主にイラスト、アニメーションを制作。講談社主催のオーディション「ミスiD 2015」でグランプリ受賞。以降、イラスト・執筆以外に、映像やイベント出演などにも活動の幅を広げる。

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