混ぜるな、危険!? 短歌界の異才・笹公人×アート界の鬼才・水野しずによる、「念力恋愛」ワールドを、少しだけお届けします。
青春の傷はときどき疼くからクレアラシルは捨てられずある
「ニキビ」イコール「青春」であるならば、クレアラシルは青春の傷にも効く薬だと思う。
クレアラシルの文字の中には「アラシ(嵐)」がある。
クレアラシルには、思春期特有の嵐のように暴走する心を鎮める効能もありそうで、大人になってからも、お守りのように捨てられずにいるのである。
修学旅行で眼鏡をはずした中村は美少女でした。それで、それだけ
ふだん眼鏡をしている同級生の女子が、眼鏡を外す瞬間を目撃するチャンスは、修学旅行くらいではないだろうか。
眼鏡をとった中村がこんなに美少女だったのか、とたまげたあの夜。
その瞬間、少年は中村に恋してしまったのだ。
しかし、告白も何もできないまま終わってしまった少年の甘い回想の歌。
解説:笹公人