混ぜるな、危険!? 短歌界の異才・笹公人×アート界の鬼才・水野しずによる、「念力恋愛」ワールドを、少しだけお届けします。
怒るときは「だべ」って付けるあなたから「お別れだべ」って言われたあの夜
リラックスした時だけ、なんちゃって関西弁を喋る人がたまにいますが、この歌の場合は逆。彼女のその癖を知っていたら、方言のあたたかさも手伝って、「完全に終わった」と感じることでしょう。
方言が凶器になる瞬間をとらえた一首。
「ゆるす」というたった3文字のパスワード忘れていたね 朝焼けの窓
失恋の傷に苦しみ、別れた恋人を憎み、嘆いた挙句にたどり着いた境地でしょう。
「ゆるす」という3文字のパスワードを思い出した頃には、夜が明けていたのです。
窓に映る朝焼けが彼女をやさしく包み込みます。
解説:笹公人