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ヘイケイ日記~女たちのカウントダウン

2020.10.22 公開 ポスト

うっすらとした絶望を生きている花房観音

芸能人の自死が続き、悲しみの声があがる。「自ら命を絶たないで」と訴える人たちがいる。面識のない人でも、その死が堪えるのは、死を選ぶまでにどれほどの苦しみがあったのだろうと想像して苦しくなるのと、残された人たちの悲しみが重すぎるからだ。

私の周りには家族に自死された遺族が複数いて、心を切り裂かれ治ることのない傷を抱えながら生きている。その姿を見ていると、どれだけ人の死は残酷なのだと思う。

こんなに悲しいことはないと、芸能人だけではなく身近な人の自死の報を聞くと思うけれど、でも、じゃあ、自分が自ら命を絶つ選択を「絶対にしない」と断言できないと、最近ずっと考えている。

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花房観音

2010年「花祀り」にて第一回団鬼六賞大賞を受賞しデビュー。京都を舞台にした圧倒的な官能世界が話題に。京都市在住。京都に暮らす女たちの生と性を描いた小説『女の庭』が話題に。その他著書に『偽りの森』『楽園』『情人』『色仏』『うかれ女島』など多数。

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