作詞家の相田毅さんの最新刊『もしあのBIGアーティストが[文春砲にやられた]歌詞を書いたら』が刊行されました。
「作詞」と聞くと「難しそう!」と思われるかもしれませんが、本書を読むとその思いは「楽しそう!」に変わるはずです。さらには「自分にもできるかも……!」とさえ思えるかもしれません。
ジャニーズ楽曲も手掛ける相田さんが、時に忌野清志郎になりきり、時に椎名林檎になりきり……計20のアーティストになりきって紡ぎあげた言葉の魔術=作詞に酔いしれてください。
プロデュース&編集は、15万部のベストセラーとなった『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』(神田桂一、菊地良 宝島社)を企画した石黒謙吾さん。あの本では、1つのネタで100人でしたが本書では、6つのネタで20人=120の歌詞が登場します。
刊行を記念して、本書に掲載されている「エア作詞」を相田さん自らに解説していただきます。今回は「もし尾崎豊が[文春砲にやられた]歌詞を書いたら」の解説です。
* * *
【著者による「もし歌詞」解説】
ミスチルのところで、いと小さきものを視点にして眺め、その先にある大きなものを表現する、と書きましたが、彼、尾崎豊の場合はその逆です。大きなものから眺め、その遥か先にある、いと小さなものを歌詞に表現するのが特徴です。彼の代表作「17才の地図」「15の夜」をはじめ「アイ・ラブ・ユー」などはその最たるものでしょう。これも逃れられない社会的な制裁から必至に逃避していく(文春砲という設定なので)個人を「もし歌詞」しています。そして、この不条理を訴え、自分以外の人間に警鐘を鳴らしながら他の場所(夜が多い)に移動するのがスタンダードと言えます。
もしあのBIGアーティストが[文春砲にやられた]歌詞を書いたら
- バックナンバー
-
- ブルーハーツの詩は絵が見えやすい。
- スピッツの作詞は純文学である。
- 尾崎豊は、大きなものに視点を置いて、小さ...
- NOKKOの詞世界における、レベッカ時代...
- B'zは、邦楽作詞界において自由度No....
- 吉田拓郎の詞世界においては、風が吹いても...
- ミスチルの歌詞とポール・サイモンの名曲「...
- 木村カエラが仮に攻撃的な詩を書いても辛辣...
- 星野源の詞世界において、夫婦というモチー...
- 井上陽水の歌詞は、本人同様サングラスをか...
- 槇原敬之が、アメリカ映画「ジョーズアパー...
- YUKIの歌を聞いていると、北海道の空気...
- セカオワは、Happy Or Sadな世...
- 忌野清志郎の歌詞は、裏の裏をかいてど真ん...
- aikoの歌詞は、低身長の視点を活かして...
- 西野カナの詩世界は、なぜ聞き手に心地よく...
- スガシカオの歌詞は、クールだが微熱を放っ...
- 奥田民生の歌詞は、一見ふざけているようで...
- 米津玄師だったら、葬儀で流れるお経の違和...
- 椎名林檎の歌詞の特徴は、●●と××を組み...
- もっと見る