人気占い師、真木あかりさんの新刊 『2021年上半期 12星座別あなたの運勢』より、
<全体運>
新しい「関わり」を生きる。
2020年はいかがお過ごしでしたか。折しもコロナ禍により、多くの人が生活を一変させた1年となりました。人と会うこと、話すこと。そして、愛すること。コミュニケーションがこれほどまでに制限され、工夫された年は近年、例がなかったと言い切っても良いのではないかと思います。特に、かに座のみなさんにとってはなかなか、心理的な影響も大きかったのではないかと私は想像しています。というのも、かに座の2020年は人間関係にスポットライトが当たっていました。例年以上に真剣に人と向き合う時期ですから、理解し合うこと、向き合うこと、愛を伝えることなどにかける熱量も高いのです。その分、エネルギーの消耗は大きくなります。光が強ければ影も濃くなりますから、孤独や分かりあえなさの痛みを鮮烈に感じるようなこともあったかもしれません。頑張っていらっしゃいましたね。
ただ、ここでの経験は決して、マイナスではありません。あなたにとって「結果としては、よかった」と思える流れになっていきます。すでになっている方も多いかと思いますが、1年間頑張ったご自分のことを、ぜひ信じて期待してみてはどうだろうかと思います。
さて、前置きが長くなりましたが、2021年上半期のかに座のテーマは「関わりの選択」です。人との関わりがさらに深く、濃くなっていく見通しです。家族や恋人、仕事で関わる人など、ある程度親密に関わる人との間に、「大事な役割やものを任せられたり、任せたりする」というイベントが発生するからです。
たとえば家族であれば、自分の仕事量を調整して家族の誰かをサポートする役回りが巡ってくるのかもしれません。恋人であれば、金銭の貸し借りをしたり、相手のために何らかの役割を引き受けたりするのかもしれません。仕事であれば、責任ある役割に抜擢されたり、大事なプロジェクトを後輩に引き継いだりするのかもしれません。「わあ、なんだかメチャクチャ面倒くさそうだな……」と思われたでしょうか。思っても、大丈夫です。感情に善悪はありません。「自分は面倒くさいと思っているのだ!」と認識しておくことって、とても大事なのです。面倒くさいと思うなら、面倒ではない状況に持っていけるよう戦略を立てること。それができれば、面倒くさいという感情にも価値が生まれます。
振り回されているのか? 価値あることなのか?
今年、あなたと身近な誰かとの間に起こることは、「振り回されている」ととらえるか、「必要な、価値あること」ととらえるかで、運も、見える世界も大きく変わってきます。たとえば、仕事で責任ある役割を任せられると仮定しましょう。わがままな部長に生意気な部下、無責任な同僚などに「振り回されている」と思うと、1年間は苦痛でしかないでしょう。しかし自分がその役割を「必要な、価値あること」と見たならば、人を説得することも任務を遂行することも、スキルアップの一環として前向きにとらえていけます。生意気な部下も「この人が言うなら、自分も変わらなければ」と態度を改めるかもしれません。
こんなふうに、あなたの関わりによって、相手も変えることになるのが今年の「関わり」です。だからこそ、相手は選ぶ必要がありますし、かかわり方も熟考しなければなりません。たとえばですが、恋人に懇願されてお金を貸すというケースで考えてみましょう。カスとわかっているのに貸してしまえば、そのまま連絡が取れなくなってしまいます。相手も人をナメて生きるようになるのでしょう。逃げられないまでも、簡単に貸してしまえば相手をスポイルしてしまうわけです。これは極端な例であるとしても、自分のコミットメントにより相手がどう変わるのか、熟考することが大事なのです。
相手は自分が労力を注ぐだけの価値がある人物なのかどうか、熟考し選択することも大事です。というのも、家族や会社、恋人同士の関係など、人と人とのつながりは「不文律の枠組み」が用いられることが多かったからです。たとえば、「夫が稼いで妻がサポート」とか「食事は母親が手作りしてこそ愛」といった感じでしょうか。こういった、人の優しさや労力を搾取するだけのよくわからない価値観は、今後なくなっていくことでしょう。というのも、2020年12月22日、木星と土星が同じ場所で出合うという20年に一度のイベント「グレート・コンジャンクション」が起こり、新たな時代が幕を開けたからです。
2021年以降、世の中を覆う価値観や幸福観、ビジネスの潮流、家族など既存のシステムががらりと変わります。具体的には「金銭や所有、権威」といったものの価値が薄れ、「知性とコミュニケーション、個性」が重視される時代に移行するのです。個と個はより自由に、フラットに、相手も自分も尊重するかたちでつながっていけるようになります。家族のあり方も、仕事のあり方も、今まで通りではなくなります。
だから、コミットする相手はきちんと考えて、選ぶことです。それでこそ、運も上がっていくんですね。
転機となるのは、下記のようなタイミングです。
・何かを頼まれたとき
・ひと肌脱いでやるかと思ったとき
・家族や恋人など、身近な人が環境の変化を迎えたとき
・仕事で大事な役割を任せられたとき
・仕事を引き継いだり、引き継がれたりしたとき
あなたなら、きっとできる。人間関係を頑張ってきたもの。
自分がしたことで、相手が変わる。相手の力を借りることで、自分もまた変わっていく。それは、自分という人間の価値を上げることだと私は考えています。
以前、作家の村上春樹さんが綴った一文に「なるほど」と思わせるものがありましたので、ご紹介しましょう。
「自分自身なんて、それ自体ではそんなたいした存在ではないのです。
他人の色を受けいれて、初めて自分という価値があらわれてくるのです」
私個人は「たいした存在ではない」と思ってはおりませんが、それでも自分ひとりでできることなど、限界があります。人と関わりコミットされて/コミットして、学んで成長していくんですよね。
なんだか大変そうな印象を持たれたかもしれませんが、今のあなたならできるんじゃないだろうかと、私は考えています。
というのも、冒頭で述べたように、2020年のあなたは変わりゆく状況のなか、真摯に人と向き合って来られたから。さらにいえば、あなたの対人関係における試練は、2017年末頃からすでにスタートしていました。「制限と試練の星」と呼ばれる土星が、対人関係に影響を与えていたのです。その試練は、2020年末で終わりを迎えます。自覚があるかどうかはわかりませんが、あなたは3年前よりもずっとしなやかな強さを身に付けているはずです。だからきっと、大丈夫。フラットに、対等に、権威頼みではない関係を作っていけます。相手を縛る愛や絆ではなく、心でつながる個と個の関係性を作っていけます。本当の意味での「あなたと出会えて、本当によかった」を生きていけるのだろうと思います。
どうぞ、楽しみにしていてください。
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電子書籍『2021年上半期 あなたの運勢』では、ここまでにご紹介した今年の運の“活かし方”をくわしく解説しています。また、2020年12月22日に起こる、200年に一度の「時代の変節点」を踏まえた世の中の見通し、星回り的に注意したい時期についても言及しました。占いは読むだけでなく、使ってこそ意味があるもの。2021年という特別な1年を展望する際、ぜひお役立ていただければと思います。
<恋愛運>
恋愛運のなかでも、パートナーシップに強い追い風が吹いた2020年。人を愛する能力を高めていく時期にあたっており、向かい風も恐れずに向き合ってきた人は、以前よりずっとあたたかな心で、人を見つめることができるようになっているはずです。恋愛や結婚など、嬉しい出来事を経験した人も多かったことでしょう。
2021年は、前年の努力をベースに、より関係が深みを増していくときです。さらには、知性やネットワークを尊重する「風の時代」の影響も強まってきますから、どちらかの我慢のうえに成り立つ関係ではなく、お互いを尊重する関係を話し合いによって作っていけるでしょう。これまでの時代の「あたりまえ」にとらわれず、「ふたりのベスト」を見つけていけると素敵です。性的マイノリティの方も、自分らしい恋に出会えるときです。
一方、しばらく恋をお休みしている人についても触れておきましょう。総合運のところでも触れた通り、かに座の人はここ3年あまり、対人関係全般で制限や試練の多い時期となっていました。そこに意識を集中しすぎると、いい運が巡ってくる時期であっても抑制がきいてしまって、チャンスを見失ってしまうことも増えるのです。
恋愛も対人関係の一部ですから、「なんとなく素直に気持ちを出せない」「好きなのにどうしていいかわからない」といった気分で過ごされた人も多いかもしれません。人によっては、恋愛そのものに苦手意識を抱いたり、「恋人はいたほうがいいもの」といった空気に違和感を強めていたりも、したのかもしれません。しんどい思いもあったでしょう、頑張りましたね。
そのような時期は2020年12月17日で終わりますから、ここからはあなたらしい関係を、好きな人と取り結んでいけるようになるでしょう。本気で飛び込んでいくことを、もう恐れる必要はありません。なぜなら、うまくいかない日々があなたの愛する力を確かなものにしてくれたから。これから誰かを愛そうとするとき、これまでとは違う感覚を知ることになるでしょう。
上半期で特に恋愛運に恵まれるのは、1月9日から2月1日。あたたかで前向きな風が吹き、愛を再確認したりすでに知り合っている人との間で進展が期待できたりするのでしょう。特に13日の新月前後は、新しい関係を取り結んでいく人も多そうです。6月いっぱいも素敵な時期です。あなたの魅力に惹きつけられる人が現れ、話がとんとん拍子に進んでいくかもしれません。
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電子書籍『2021年上半期 あなたの運勢』では、パートナーがいる人、今はパートナーを探している途中という人、また障害のある恋で悩んでいる人向けにそれぞれ、半年間の展望とアドバイスを書きました。月ごとのくわしい恋愛運の解説に「ネガティブな状況の乗り切り方」もありますので、ぜひご覧いただけますと幸いです。
<仕事運>
2020年下半期は忙しかったことでしょう。「情熱と戦いの星」と呼ばれる火星がキャリアを後押ししていましたから、持ち前の能力を発揮するチャンスも数多く巡ってきただろうと思います。ただ、チャンスが多い時期というのはどうしても、ストレスや疲れも溜まります。この星回りは2021年1月7日まで続いていきますから、目の前のチャンスはしっかりとつかみ取っていきましょう。
2021年上半期の特徴として顕著なのは、あなたがここまで築いた能力や信頼の「ある意味、当然の結果」として重要なポジションに就いたり、先輩や上司の仕事を引き継いだりする暗示が出ている、ということです。お立場によっては、あなた自身が部下や後輩に仕事を引き継ぐこともあるでしょう。大事なことなので、どれもそれぞれに責任が伴います。気が重いのは事実だろうと思いますが、ここでの経験や努力は若干のタイムラグを経て、2022年~2023年に役立つことになっています。運の貯金をするつもりで、取り組んでみてはいかがでしょうか。
今年のポイントとしては、アドバイスにはしっかりと耳を傾けること。ただ、システムやマインドにおいては変化の星回りですから、これまでのものをそのまま踏襲しては通用しません。菅内閣になってからはんこレス化が一気に進められたように、不要なプロセスはどんどん改善をはかっていくことを考えたいものです。マインドについては、「何のために、誰のためにこの仕事をするのか」を、自分の言葉で語れるように噛み砕いておくといいでしょう。「言われたからやる」「なんとなくやる」では、2022年からの勝負どきに発揮するだけの力がたまっていきませんし、何より時勢に合わなくなってしまいます。
なお、もっとも大事なのは「誰と一緒に仕事をするか」ということ。特に会社員の場合は相手を選べることばかりではないと思いますが、もし選択権があなたにある場合は信頼できる人を選ぶようにしましょうね。それでこそ、運も活かしていけます。
先程、システムやマインドの変化について触れましたが、2021年は星座を問わず、誰もがマインドチェンジを求められます。お金や土地、所有といったものにとらわれた「土の時代」はすでに終わりました。ここからは、知性やコミュニケーションでフラットにつながっていく「風の時代」です。「大手企業に所属していれば安心」「有名大学出身だから有利」といった価値観は淘汰されつつありますが、2021年には完全に消えてなくなるのでしょう。それよりも、知性とコミュニケーションにより、サスティナブルで平等な社会を築いていくことにスポットライトが当たります。場所や時間といった制約から解放されるような仕組みづくりにも、より力が入るでしょう。
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電子書籍『2021年上半期 あなたの運勢』では、上記の運に加え、転職・起業を目指す方へのアドバイス、ほか半年間の展望を書きました。月ごとのくわしい仕事運の解説に「ネガティブな状況の乗り切り方」もありますので、ぜひご覧いただけますと幸いです。