人気占い師、真木あかりさんの新刊 『2021年上半期 12星座別あなたの運勢』より、
<全体運>
自分と大切な人のための「安心」
2021年上半期、さそり座の運勢のテーマは「安心感」です。あなたは今、どこにいるときが一番ホッとし、心安らぎ、素の自分でいることができるでしょうか。自分の家という人は多そうです。ちょっと範囲を広くとって故郷という人もいれば、仕事が大好きすぎて、会社にいるときが一番素の自分でいられるという人もいるのかもしれません。そんなものはない、と思ってしまった人は、ちょっぴり悲しい思いをさせてしまったでしょうか。もしそうであれば、ごめんなさい。そのような場所がなければいけない、というわけではありません。たくさんあったって、なくたって、あなたがあなたであることが大切なのですから。
2021年、さそり座の人は自分やパートナーが安心できる場所を、新しく作り上げていくことになるかもしれません。旅に出かけて、その旅がどんなにか楽しいものであったとしても、帰ってくるとホッとする場所。「ここにいれば安心」と、思える場所。あなたがあなたらしい笑顔で笑える空間。そうした「安心できる場所」を見つける・作る時間が、2020年12月末からスタートするのです。
思えば2020年は、家よりも「ソト」に関心が向かうときでした。コロナ禍により、物理的にお出かけをする人は少なかったかもしれませんが、それでも年間テーマである「学び」の対象は広い世界に向けられていたでしょうし、好奇心についてもまだ見たことのないもの、刺激を与えてくれるものに向けられていただろうと思います。未知のものは、外にあります。それが「ウチ」へ向けられるのが、2021年という時間です。
たとえば、家を購入したり建てたりする人はとても多いでしょう。実家から出て、ひとり暮らしを始める人もいそうです。あるいは、職場や学校といった、長時間過ごす場所が“自分の居場所”と思える人もいるのでしょう。長期休暇のあと、自分の席から見える窓の風景に「これこれ」と思う人がいるとしたら、それはやっぱり「安心できる場所」なのです。家と職場の間にあるカフェ、公園などの「サードプレイス」的な場所が拠り所、という人もきっと多いでしょうね。
こういった場所の心当たりがすでにあるならば、ぜひ大切になさってください。居心地の良い状態をキープして、「何があっても、ここに帰ってくれば大丈夫」と思えることは、2021年のさそり座に何よりも大きな勇気を与えてくれるはずです。
かたちのない“拠り所”が増えていく
2021年からは、こうした“居場所”が、どんどん概念的になっていきます。たとえば「家を買って住む」「家を借りて住む」というのは物理的なアクションですが、ひとつの場所に定住する人はどんどん減ってくるのでしょう。そのときどきの仕事や家族の事情によってあちこち移り住むことや、多拠点生活に視線が向かいます。シェアハウスやルームシェア、ホテルステイなど、生活の場を誰かと共有する人もいるでしょう。資産として不動産を持ちたいと考える人も増えそうですが、それはあくまで自分が住むというよりも、貸すものであるはずです。
心の拠り所を、場所ではなく人とのつながりのなかに求める人も多そうです。たとえばSNSのチャットルームでメッセージを交換しているときが一番“素の自分”だったり、リモートワークが主体になってオンラインでの交流にホッとしたり、といった具合です。
こうした傾向は、2020年12月22日、木星と土星が同じ場所で出合うという20年に一度のイベント「グレート・コンジャンクション」が起こり、新たな時代が幕を開けることと関係しています。今回は200年に一度の特別な節目も同時に重なっており、ここまで200年続いた「土の時代」が終焉を迎えます。そして新たに始まるのが「風の時代」です。
「土の時代」は、金銭や所有、権威といったものに価値が置かれる時代。たとえば一軒家を建てて「一国一城の主」となる、不動産をたくさん所有している、ブランド力のある住所に住むといったことが羨望のまなざしを浴びていました。一方、「風の時代」で重視されるのは知性とコミュニケーション、個性。物理的な拠り所はよりフレキシブルになり、知性とコミュニケーションによって人々はつながるようになるのです。
ここで、先程言及した「自分やパートナーが安心できる場所を、新しく作り上げていく」ということに話を戻しましょう。この一年、「風の時代」的な雰囲気が世の中に満ちていくなかで、あなた自身もまた心理的安心の拠り所を新しく模索していくことになるでしょう。安心できる場所を既存の枠組みで考える必要はありませんし、家族になる、家族が増えるといったことも、もっと自由になっていい。事実婚、別居婚、週末婚、なんだってアリとなるでしょう。LGBTQカップルも、堂々と幸せを追求しやすくなりますし、ステップファミリーや里子制度だって、あなたとパートナーが幸せであるなら「アリ」なのです。
そのためにも、たくさんの「拠り所のあり方」を模索し、じっくりと話し合い、ベストを目指すことが大事です。「今までダメだったのだから、今後もダメだろう」と、諦めないことです。幸せを諦めないこと、それが2021年からの20年のテーマなのかもしれません。こうした思いを持って行動を起こしていくことが、あなたに絡みつこうとする不安や孤独を取り払ってくれるに違いありません。
幸いにして、今年のあなたは言葉の力がそなわっています。過去3年ほど、さそり座の人々はコミュニケーションに不思議な“重たさ”を感じていたのではないだろうかと思うのです。「なんでも話して」と言われても逆に引いてしまったり、話したい気持ちはあってもどんな言葉を選んでよいのかわからなくなったり、といった具合です。自分としては誠意を尽くして話したつもりが、なぜか伝わらないもどかしさも、あったかもしれません。これは決してさそり座の人々がコミュニケーション下手ということではなく、「制限と試練の星」と呼ばれる土星が巡り、話すというエネルギーの放出よりは知性を持って理解するというエネルギーの蓄積が行われていたことによります。といっても星はあなたを苦しめようとしているわけではなく、熟考して話すことの重要性を、教えてくれていたのです。2020年は「幸運と拡大の星」と呼ばれる木星も同時に巡ってきていましたから、前向きな気分になれることも多かったかもしれませんが。
そうした時期も、2020年12月中旬の土星移動によって終わりを告げました。土星というのは自分を鍛えてくれる星ですから、通り過ぎた後は非常に爽快です。そして、今まで苦手だったことが自分の強みとして、身についているはずです。ベストな拠り所を作っていくために、パートナーや家族との話し合いをぜひ真面目に、進めてみてはどうだろうかと思います。
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電子書籍『2021年上半期 あなたの運勢』では、ここまでにご紹介した今年の運の“活かし方”をくわしく解説しています。また、2020年12月22日に起こる、200年に一度の「時代の変節点」を踏まえた世の中の見通し、星回り的に注意したい時期についても言及しました。占いは読むだけでなく、使ってこそ意味があるもの。2021年という特別な1年を展望する際、ぜひお役立ていただければと思います。
<恋愛運>
結婚や家庭といったものについて、価値観がおもしろいほどやわらかく、大きく広がっていきます。「ああ、こんな夫婦関係もアリだなあ」と思えますし、これまでにないパートナーシップや家族関係について知る機会も、とても多くなるのだろうなと思います。これは決して、2020年まで多数派だった“よくある結婚”を否定する話ではありません。むしろ、自分にとっての「ホッとする関係性」「自分を安心して預けられるパートナーシップ」を、自由に模索していけるのだろうと思います。
上半期で特に恋愛運に恵まれるのは、2月25日から3月21日、なかでも3月4日までは特にアツいやりとりが交わされることになるでしょう。3月13日の新月前後は、今後のお付き合いにつながるような出会いや、愛のはじまりといったことが期待しやすい「はじまり」のタイミングです。4月15日から5月9日はパートナーシップに追い風が吹きます。ちょっとおいて5月14日から7月28日は、「幸運と拡大の星」と呼ばれる木星が恋愛に強力な追い風をもたらしてくれるでしょう。
5月14日から2ヵ月半あまり続く愛の季節は、とても大きく広がりのあるものです。カップルはお付き合いの深さが増していくことでしょう。ただ、愛の季節というものは、「何もしなくてもうまくいく」という種類のものではありません。仮にその恋を続けることが、おふたりにとって幸せとは程遠いものであった場合、お互いに新しい道を探しましょうということになるかもしれません。そして、自分の幸せについて理解を深めたり、大切にし合える人と出会ったりする。あるいは、一度お別れになって出会い直したりもするのかもしれません。それが、木星による「幸運」ということになります。シングルの人は、素敵な人と出会いやすいときです。ここで出会いからその先まで全部持っていかなくても、まずはいろいろな人と会って話したほうがベターでしょう。いいなと思った人がいるのなら、恋愛観も含めたお互いのことを知り合っていく。それが、今年の運の流れに合ったやり方となります。
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電子書籍『2021年上半期 あなたの運勢』では、パートナーがいる人、今はパートナーを探している途中という人、また障害のある恋で悩んでいる人向けにそれぞれ、半年間の展望とアドバイスを書きました。月ごとのくわしい恋愛運の解説に「ネガティブな状況の乗り切り方」もありますので、ぜひご覧いただけますと幸いです。
<仕事運>
2020年は仕事において、働く環境が一変したという人も少なくなかっただろうと思います。会議や出張はオンラインに切り替わり、毎日の通勤はリモートワークとなりました。家からお仕事ができるようにあれこれ家具を揃え、お子さんがいる方は面倒をみながらモニターに向かい、エッセンシャルワークの人は気をつけながら職場に向かい……と、誰もが必死でお仕事をこなしておられました。
そうした時期を経て、2021年のさそり座の人々は「場づくり」に、力を入れていくことになるだろうと思います。仲間との結びつきをどう強めるか、オンラインを中心とするならどうコミュニケーションをとっていくか。あなた自身が「ホーム」のようになって、周囲の人をまとめていくこともあるのでしょう。これまでは「守られる」環境にいた人が、守り手側にシフトして皆のために貢献していくという転換も、起こるのかもしれません。
総合運のところでも書かせていただいた通り、お金や土地、所有といったものにとらわれた「土の時代」はすでに終わりました。ここからは、知性やコミュニケーションでフラットにつながっていく「風の時代」です。場所や時間といった制約から解放されるというのは、場づくりに力が入るさそり座の人々にとって、強い追い風が吹いていると言えるでしょう。もちろん人と会って、顔を合わせてという仕事のスタイルが続く人も、一度はそうしたものが危うくなった経験から学ぶことで、より人と人の価値を、“ここで働くこと”の意義を、皆で共有していけるのだろうと思います。
職場や会社のことを「ウチではね……」と表現する人は多いものです。「仕事いやだなあ」「働きたくないなあ」などと(ちいさな声で)言いつつ、日々コミットするなかで愛着は生まれるのだろうと思います。家族ではない、友達とも言い切れない、ただの他人同士の寄せ集め。それでも毎日コミットしているうちに、私たちは「ウチ」と呼び、仲間意識を芽生えさせていくのです。2021年のさそり座は、真の「ホーム」と呼べるようなコミットの仕方を、していけるのだろうと思います。
なお、クリエイティブワークの人にとっては5月半ばから7月いっぱいまで強い追い風が吹きます。これはシーズン1であり、つまり、こうした機会は2022年に向けてシーズン2、3と全部で3回あります。今だけで終わるのではなく、「次は何をやろう?」と考えてみるのも素敵だろうと思います。ぜひ、持ち前のお力を発揮できるよう、力を尽くしていかれてはいかがでしょうか。
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電子書籍『2021年上半期 あなたの運勢』では、上記の運に加え、転職・起業を目指す方へのアドバイス、ほか半年間の展望を書きました。月ごとのくわしい仕事運の解説に「ネガティブな状況の乗り切り方」もありますので、ぜひご覧いただけますと幸いです。