人気占い師、真木あかりさんの新刊 『2021年上半期 12星座別あなたの運勢』より、
<全体運>
大切なものは、目には見えない。
2021年上半期、うお座の運勢のテーマは「過去、現在、未来」です。2020年は自由な気持ちで未来のビジョンを描いてきた方も多いだろうと思います。12月下旬から2021年初夏までは、一転して「過去」に目を向けることが多くなるでしょう。その後、夏の盛りの頃までは「今」に焦点を当て、その後ふたたび「過去」に思考が移り……また、「今」に。「この季節には過去のことしか考えない」などとパキッと決まっているわけではなく、おそらくは2022年いっぱいくらいまで、あなたはマーブル状に美しい渦を描く「過去・現在・未来」と向き合いながら、いつくしむように次の1クール、12年の「自分の色」を決めていくことになるのでしょう。なかには「過去」の使い方を一変させるような──もちろん、良いほうに──出来事も、起こるのかもしれません。
2021年、もう終わったことのかけらがまだ胸のなかにあることに気づいても、過ぎた日の光景が閃光のように脳裏をよぎっても、心配しなくて大丈夫。それはあなたにとって必要なことであり、次の1クールへの準備であり、自分にとっての「本当」を理解するために、必要なことなのだろうと思います。否定することなく、丁寧に丁寧に光を当てていきましょう。この時期、大事なものは目には見えません。でもちゃんと、心のなかにあります。
さて、過去を思い出すとは、どういった日々なのでしょうか。優しく甘い思い出から、美しい光景、懐かしい人々の顔ぶれまで、素敵な記憶がたくさんあなたのもとにあるでしょう。年齢を重ねることのひとつの利点は、美しい思い出が増えることだと思います。ただ、ご想像はついているとは思いますが、思い出のなかには年月というベールで美化されたシーンもあれば、決して美しいとは思えない過去の自分もいたりするわけです。普段は、見ないふりをして、過ごしてきたこと。
そうしたものが記憶に蘇ると、さすがに凹むことは事実でしょう。コンプレックスに辛い経験、それから自分の弱さ。そこに触れないように、そこから脱却できるように、私たちはそれなりに工夫をして頑張っています。でも、まだダメなのか、まだ足りないのかといった気分になることもありそうです。
ただ、同時に思い出していただきたいのは、星々は私たちをただ苦しめる、ただ痛めつけるといったことはしない、ということです。どんな痛みと感じるかは自分次第ですし、問題があるならばそのときどきで精一杯乗り越えることで、成長できる。星々が私たち人間に与えるのは、災厄ではなく機会なのです。
2021年上半期のあなたは、過去の思い出を振り返りながら、記憶と紐づく感情を少し変えていきます。たとえば弱さであれば「強いだけがいいことではない。強いというのは、折れやすくもあるから。弱くても、しなやかさを身に付けて折れないようにしよう」と弱さを再解釈できるのかもしれません。コンプレックスであれば「これも私」と思わせてくれる誰かに出会い、ハッとするのかもしれません。辛い思い出は──たとえば、学ぶことがあったと思えるようになったりするのでしょう。ただ、私は思うのですが、もしも辛い思いをし続けている真っ最中であれば、学ぼうとなんて思わなくて大丈夫です。今の自分の辛さを軽んじて学べるものに、何の価値があるでしょうか。辛いときは辛いと思うこと。なんで私だけが、あまりにも理不尽だと思い切り地団駄を踏むことです。全身で辛さをガッツリ味わい尽くせば、いつか悲しみは昇華されて学びが残る。このプロセスは大きなものでは数年かかったりもするものですが、うお座の人は2023年くらいまで、さほど時間をかけず自然にできるだろうと思います。
なお、あなたが心に抱き続けてきた「見ないふりをしてきたこと」のいくつかは2021年以降、「今となっては古い価値観だよね。なんであんなことで苦しんできたんだろう」なんてノリで、心のなかの「もうどうでもいいもの箱」に放り込むことができるだろうと思います。これは2020年12月22日、木星と土星が同じ場所で出会うという20年に一度のイベント「グレート・コンジャンクション」が起こり、新たな時代が幕を開けたことと関係しています。今回の「グレート・コンジャンクション」は20年に一度のタイミングであると同時に、200年に一度の特別な節目も重なっています。200年続いた「土の時代」が終わり、「風の時代」へとシフトするなかで、世の中を覆う価値観や幸福観、ビジネスの潮流、家族など既存のシステムががらりと変わります。具体的には「金銭や所有、権威」といったものの価値が薄れ、「知性とコミュニケーション、個性」が重視される時代に移行します。「今まで通り」は、通用しなくなるのです。
もう、どうでもいいじゃん!!
な~んだ、悩まなくてよかったんだ!
そんなふうに、スカッといけるのも今年の面白さだろうと思います。
5月半ば頃までは、ときどき歩みを止めてふと、「過去」を振り返るような瞬間が多くなるかもしれません。そして日差しが夏らしくなる頃、あなたはふと、輝かしい青空が頭上に広がっていることに気づくのでしょう。自分らしく頑張っていっていいんだ、という確信です。おそらくですが、本格的に何かをスタートさせるとしたら2021年の年末も近くなった頃です。ただ、それまであなたの胸には、確かな希望があり続けるのだろうと思います。自分はきっと、いい人生を生きていけるという希望です。凹んでも転んでも、ちゃんとやっていけるという確信なのです。
自分は自分で救えるし、誰かの救いにもなるのかもしれない。
ちょっと物騒なことを言いますが、もしかして2023年頃まで、「自分のこういうところがすごく嫌だな」「許せないな」といった気持ちが強くなるかもしれません。これはあなたがダメ人間っぷりを発揮するというわけではなく、なぜか自分に厳しい視線を向けるようになるのです。これは「制限と試練の星」と呼ばれる土星が、あなたの深層心理に影響を与えるからです。
ただ、ずっと厳しくビシバシしているわけではないでしょう。弱い心や自己欺瞞、偽善といったものは、おそらくですが2021年1月までに自分なりに消化していけます。そして凛とした厳しさ、芯のある優しさとして、いろいろな人の救いや目標となるでしょう。
もちろんあなたはあなた自身のものであり、誰かの救いや目標となるために生きているわけではありません。だから「皆のお手本となろう」といったことは、思わなくて大丈夫。おまけくらいに考えておきましょう。
そして、2021年の1年間でも消化できなかったものは、2023年頃までじっくりと時間をかけて消化していくことになるはずです。そんなあなたのそばにはいつも、過去のどんな経験も乗り越えてきた「自分」が伴走しています。ちょっと未来のことも見ているその「自分」は、ときに励ましときに叱り、あなたを力づけてくれるのでしょう。「もう幸せになっていいよ、大丈夫だよ」なんて感じで。あなたはどんな自分も過去も、自分で救えるようになります。それが、2023年頃までに身につけることができる、素晴らしい力です。
おそらくですが、2021年は友人・知人も力強い味方になってくれます。2017年末から2020年末に至るまで、人に対しては不思議な緊張感があったのではないでしょうか。本当の意味で心をさらけ出せた人というのは、そう多くなかったはずです。かといって、人脈を広げるにも抵抗があったのでしょう。ただ、その時期はもう終わりです。同じ未来のビジョンを描ける仲間が、同じ方向を見つめることのできる相手が、現れるだろうと思います。
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電子書籍『2021年上半期 あなたの運勢』では、ここまでにご紹介した今年の運の“活かし方”をくわしく解説しています。また、2020年12月22日に起こる、200年に一度の「時代の変節点」を踏まえた世の中の見通し、星回り的に注意したい時期についても言及しました。占いは読むだけでなく、使ってこそ意味があるもの。2021年という特別な1年を展望する際、ぜひお役立ていただければと思います。
<恋愛運>
恋については、本番は2021年12月末からです。って上半期ですらない、1年後の話で終わらせてしまうとどこかで誰かのビンタを食らいそうな気がするので、上半期について書いておきましょう。最もいい風が吹くのは5月14日から7月末。ここは前述の2021年12月末からスタートする「幸福を模索する時期」。あなたが主役の季節、シーズン1にあたっています。運命を感じるような出会いを得る人はとても多いことでしょうし、すでにパートナーがいる人もいい関係を築いていくことができるでしょう。結婚に向かって一歩踏み出すことができる人も多いはずですが、いかんせん「夢見がち」であることには少し、注意を払っておきたいところです。これは「インスピレーションの星」である海王星と、「幸運と拡大の星」である木星が近くなる影響で、「どこまでも広がっていくけれど、とりとめのない状況になる」といったことが起こりやすいから。お互いに思いはあるっぽいのに曖昧な関係が続くとか、結婚しようねという話にはなったもののその後まったく話が出ないといったことになりやすいのです。
わかってくれるだろう、察してくれるだろうといった期待に頼らないことです。もしも「結婚の話を出したら、重たいと思われそうで怖い」などといった気持ちがあるのなら、大事なのは結婚ではないのですよね。まずは、不安は不安として、思いは思いとして話せる関係づくりからなのです。いい時期だからこそ、ちゃんと現実を見ていくこと。そうしたスタンスでいてこそ、W守護星もいいサポートをしてくれるのだと考えて。
5月までのお話も、しておきましょう。
2020年末以降、過去のいくつかの恋の痛手とまっすぐに向き合い、昇華させることができる時期に当たっています。痛みを感じたことからも学びを得て、これからに活かしていくことができるでしょう。こういったものは、どんな恋愛マニュアル的なものを読んでも身につくものではありません。自分でひとつひとつ、体験していくしかないのですよね。「やまない雨はない」という言葉を見て「今降っているこの雨が辛いんだよ」と感じてしまう、「明けない夜はない」という言葉に「今真っ暗なのが辛いのに」と反発してしまう。そういったものは、体験によってしか、心に染み渡るような共感はできないのです。迷ったから見つけられた道もあった、うつむいたから咲いていることに気づけた花もあった。過去を丁寧になぞりながら、そのときどきに得たものを拾い集めていくといいでしょう。
人によっては「自分はモテない」とか「いつも浮気されて終わる」「声をかけてくるのは既婚者ばかり」といった、思い込みや嫌なクセを手放せる人もいるはずです。その場合、恋によって自分の何かを埋めようとしていなかったかどうか、振り返ってみるといいでしょう。自分を肯定して欲しい、寂しさを埋めたい、欠けているものを補いたい。恋をすることで、心にぽっかりと開いた穴が埋まることは確かにあります。でも、それは「おまけ」であって、「目的」にしちゃいけないんですね。自分のことは自分でなんとかして、ただ恋だけをしよう、ただ人を愛することをしよう。そう思ってみるだけで、出会う人の質は俄然、変わってくるはずです。
上半期で特に恋愛運に恵まれるのは、2月25日から3月21日、3月末、前述の通り5月14日から7月末です。特に6月2日から27日は、自分から行動を起こすことでうまくいくでしょう。
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電子書籍『2021年上半期 あなたの運勢』では、パートナーがいる人、今はパートナーを探している途中という人、また障害のある恋で悩んでいる人向けにそれぞれ、半年間の展望とアドバイスを書きました。月ごとのくわしい恋愛運の解説に「ネガティブな状況の乗り切り方」もありますので、ぜひご覧いただけますと幸いです。
<仕事運>
5月半ば頃までは「熟考する」時期にあたっています。じっくりみっちり、時間をかけて考えることが大切で、ときにこれまでの自分の仕事スタイルを否定したり、考えが間違っているのかもしれないと気づいたりすることもあるでしょう。でも、それは「次に進むための発見」である模様。ダメだなあと思ってしまうポイントが多いのは、それだけ自分が成長し、実力をつけたから気づけるのだと思ってみると、前向きに考えていけるでしょう。なにひとつ成長していないのであれば、そもそも気づくことすらないはずですから。
この「熟考する」ことにおいては、急いで答えを出す必要はありません。じっくりと時間をかけて考えることこそが大事です。おそらくですが、ここで熟考した結果は5月中旬から7月いっぱいにかけて、「次にトライすべきこと」として見えてくるはずです。
また、2020年を踏まえての課題がふたつあります。ひとつは、収入アップやスキル向上のために焦りすぎていたことがあれば、1月はちょっとスピードを緩めましょう。おそらく2020年下半期中、かなり頑張って来られただろうと思うのです。そのハードモードの時期は1月7日で終わりますから、努力の結果を行動や実績で示し、いろいろな人にアピールするフェーズに入りましょう。おそらく「いつ仕事がなくなるかわからない」「業界的に見通しが危ない」といった危機感が常に伴い、将来に夢を抱きにくかった人も多いのだろうと思います。ここから気持ちを切り替えて、大きく広げていく流れに入りましょう。
もうひとつは、コミュニケーションに力を入れることです。2017年末頃から、人脈拡大に力を入れたり、積極的に交流をはかったりすることが煩わしくなったり、気が進まない状態だった人は少なくないだろうと思います。人は好きなんです、でもどうにもご縁を広げる気にならないのですね。ただ、そうした時期は2020年末にすでに終わりを告げ、ここから先は主に「ヨコのつながり」を大事にしていけるフェーズに入っています。たくさんの人と語らいながら、アイデアが化学反応を起こす楽しさを味わってみてはいかがでしょうか。ネットとも相性の良い時期です。リアルで会えなくても、コミュニケーションははかどるはずです。
2021年は星座を問わず、誰もが既存のシステムや枠組みに依存しない、マインドチェンジを問われます。お金や土地、所有といったものにとらわれた「土の時代」はすでに終わりました。ここからは、知性やコミュニケーションでフラットにつながっていく「風の時代」です。「大手企業に所属していれば安心」「有名大学出身だから有利」といった価値観は淘汰されつつありますが、2021年には完全に消えてなくなるのでしょう。それよりも、知性とコミュニケーションにより、サスティナブルで平等な社会を築いてくことにスポットライトが当たります。うお座のあなたにとっては、追い風であるように思います。
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電子書籍『2021年上半期 あなたの運勢』では、上記の運に加え、転職・起業を目指す方へのアドバイス、ほか半年間の展望を書きました。月ごとのくわしい仕事運の解説に「ネガティブな状況の乗り切り方」もありますので、ぜひご覧いただけますと幸いです。