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売上から費用を引いたものが利益
ここまでBSについて学んできましたが、この章からは、PL(損益計算書)を解説していきます。
BSでは青、赤、緑の3色を使いましたが、PLでは緑色だけを使います。
上の図がPLの雛形です。PLとは、売上から段階を踏んで費用を引きながら、1年間の最終的な損益(当期純利益)を計算するものです。
BSの場合は、左右でバランスを取りながら計算していきましたが、PLでは単純に「売上高」―「費用」という形で引き算をしていきます。
最初は大きかった売上高が、費用を引くことで徐々に利益が減っていく「逆ピラミッド構造」になっています。最終的に「当期純利益」という形で、1年間の利益を把握することができます。
自分でPLを作ってみよう
第1章でピザ屋を開店するための道具を揃えましたので、この章ではその道具を使ってピザを売っていきましょう。
ピザのメニューにもいろいろありますが、このお店で出すメニューは、イタリアや日本でも人気のある次の2つのピザを選んでみました。
・マルゲリータ(バジリコ、モッツァレラチーズ、トマトを使ったピザ)
・クアトロ・フォルマッジ(4種類のチーズを使ったピザ)
1日各100枚ずつ売ることにします。合計で200枚です。
・マルゲリータは、1枚1000円で売ります。
・クアトロ・フォルマッジは、1枚1500円で売ります。
・ピザ200枚は、毎日売り切る予定です。
通常のPLは1年分の売上と費用を計算するのですが、今回はウォーミングアップなので、1日分のPLを作ることにします。
ステップ1
まず、緑色のペンで緑枠を描き、その中に1日分のピザの売上を記載します。
PLに書き込む時の正式名称は「売上高」なので、緑枠の一番上に、「売上高」25万円と書きます。
売上の計算方法は、
・マルゲリータ……1000円×100枚=10万円
・クアトロ・フォルマッジ……1500円×100枚=15万円
以上の計算で算出しました。
次に、ピザを作るのに掛かった材料費を計算していきます。
簡単な材料リスト(1人前)を作ったので、ここから材料を選んでみます。
・マルゲリータ……このお店では、ベーシックにモッツァレラチーズ、小麦粉、バジリコ、ホールトマトを使います。材料費は1枚250円で、100枚で計算すると2万5000円となります。
・クアトロ・フォルマッジ……最高のピザを作るため、モッツァレラチーズ、ゴルゴンゾーラチーズ、リコッタチーズ、パルミジャーノチーズ、小麦粉を使用します。材料費は1枚650円で、100枚で計算すると6万5000円となります。
2つのピザの材料費を計算すると、次の表のようになります。
算出したマルゲリータとクアトロ・フォルマッジの材料費の合計金額9万円を、PLに記載します。
PL上の材料費の正式名称は「売上原価」なので、「売上高」の下に「売上原価」9万円と書きます。
(続きは本書にて!)
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