「あるがままのライから打つ」ことこそゴルフの醍醐味
チャールズ・マクドナルドはアメリカのゴルフ界黎明期における主要人物だ。米国初の18ホールゴルフコースを設計・建設し、また全米ゴルフ協会(USGA)設立の原動力として活動した。
第1回全米アマチュアゴルフ選手権の優勝者でもあり、後年はゴルフコース設計者として著名なゴルフコースの設計・建設に携わり、「米国ゴルフコース設計の父」と呼ばれている。
タイトルの言葉は、1928年出版のScotland’s Gift: Golfに出てくる。スコアに執着するだけではなく、ゲームとしてのゴルフを楽しむ精神があれば、難しいライからのショットでさえも楽しいチャレンジになる。それが「あるがままのライから打つ」の精神だ。
そのようなゲーム精神が旺盛であれば、常にあるがままのライでそのまま打つから、ルールなど必要なくなる、という意味だろう。
もっとも、「あるがままのライ」から打てないときもある。OBになったとき、ロストボールになったとき、ウォーターハザードに入ってしまったとき、低木の茂みの中などでどうしても打てないアンプレヤブルとなったとき。この4つだ。
ルールとして覚えなければならないのは、これら4つのケースでの処置の方法だけでいい。あとは「あるがままのライ」から打っていれば、ルール違反になることはない。
ところが、初期のアメリカのゴルフでは、この根本精神がよく理解されていなかった。各ゴルフ場は勝手にローカル・ルールを作って、悪いライの場合は6インチ・リプレースを許したり、その他にも救済措置を設けたりした。
マクドナルドはそのような風潮を嘆いて、自ら模範を示すために、いかなる悪いライからでも一切手を触れず、あるがままの状態から打ち続けたと言われている。
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