「やり方を教わっていません」「自分らしく働きたいです」「課長、ご苦労さまでした」……。こんな素っ頓狂なワードを連発する若手社員に、頭を悩ませている人は多いでしょう。しかし、ここが腕の見せどころ。いかに彼らを指導し、戦力にしていくか、それも大切な仕事なのです。播摩早苗さん『えっ、ボクがやるんですか? 部下に教えたい、社会人のものの言い方100』は、そんなあなたの心強い味方になってくれる一冊。後輩、部下を持ったら必携の本書より、例をいくつかご紹介します。
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忙しいときには、新入社員や社歴の浅い社員に、早く戦力になってほしいと願うものです。また、新入社員自身の成長のために「今この仕事をさせておくと、ゆくゆく彼のためになる」と考えて仕事を命じることもあります。
しかし、新入社員はそんなとき、「新しい仕事を振ってくれるな。こんなに抱えているんだからさ~」ということを分かってほしくて、つい「えっ。ボクがやるんですか?」と言ってしまいます。
上司にしてみれば、こういった質問を「反抗」と感じる場合があるでしょう。今の新入社員は安全なレールに乗ってきた世代なので、指導者世代にとってモチベーションの源となったハングリー精神が低く、他世代との関係構築に慣れていません。ですから、新入社員に対しては、上司に不遜だと感じられるきっかけは、そういう「ものの言い方」であることをまず指導します。
新入社員には、「はい。承知しました」と受け、「今、○○と△△を抱えていますが、優先順位をどのように考えたらいいでしょうか?」と抱えている仕事を整理し、指示を仰ぐように教育します。
部下のほうが、ある一定の分野に限って言うと、高い知識をもっているということはままあります。そんなとき、彼らは「上司なのに、こんなことも知らないのか」と感じている場面もあるでしょう。さらに、最近の新入社員は上下関係に緊張感がないので、ものの言い方がフラットになってしまうのです。
まず、さまざまなメディアを通じて「正解」を素早く入手できる今のビジネスシーンにおいて、ただ知識があるだけでは、価値を生む社員とは評価されないこと。そして、専門分野の知識や情報を上司に説明することは、組織への貢献のために当然のことだと教えましょう。
万が一、顧客に対しても得意げになってNGのような言葉遣いをして「ナマイキだ!」と思われたら、それは会社そのものの損失につながります。「その言い方を、もしお客さまがきいたらどう思うだろう?」など視点を変えて考えさせると同時に、「簡単に説明できないかもしれません。少しお時間をいただいてよろしいですか?」という受け方を身につけさせましょう。
えっ、ボクがやるんですか?部下に教えたい、社会人のものの言い方100
「やり方を教わっていません」「自分らしく働きたいです」「課長、ご苦労さまでした」……。こんな素っ頓狂なワードを連発する若手社員に、頭を悩ませている人は多いでしょう。しかし、ここが腕の見せどころ。いかに彼らを指導し、戦力にしていくか、それも大切な仕事なのです。播摩早苗さん『えっ、ボクがやるんですか? 部下に教えたい、社会人のものの言い方100』は、そんなあなたの心強い味方になってくれる一冊。後輩、部下を持ったら必携の本書より、例をいくつかご紹介します。