「やり方を教わっていません」「自分らしく働きたいです」「課長、ご苦労さまでした」……。こんな素っ頓狂なワードを連発する若手社員に、頭を悩ませている人は多いでしょう。しかし、ここが腕の見せどころ。いかに彼らを指導し、戦力にしていくか、それも大切な仕事なのです。播摩早苗さん『えっ、ボクがやるんですか? 部下に教えたい、社会人のものの言い方100』は、そんなあなたの心強い味方になってくれる一冊。後輩、部下を持ったら必携の本書より、例をいくつかご紹介します。
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新入社員にとって、これまで物事のやり方は、インターネットや付属マニュアル、攻略本からすぐに手に入ったので、「やり方を考えろ」と言われても、「知っているなら教えてください」と言いたくなります。
あるいは、アルバイトで経験した単純作業は、最初に全部を教えてもらえて、そこに自分なりの考え方が入り込む余地がなかったので、「言われたとおりにやること」が仕事だと思っています。
しかし、仕事のやり方は一種類だけではありません。作業手順などは守らなくてはならないものですが、業務の現場では、最初に「正しいやり方」が手に入ることばかりではないのです。
体験してみて、失敗して、工夫することで、センスが磨かれたり、自分なりの優れた手法に行きつけたりすることを教育しましょう。
まず指示を「やってみます! 分からなかったら相談に乗ってください」と受けることを教育しましょう。質問した場合の答は、簡単にもらった答より自分の知恵として定着するのです。
学生時代までは、お客さま側であり、選択する立場にいた若者たち。力関係で考えると、強い側に彼らはいたのです。
筆者は、新入社員相手の研修講師をつとめた後のアンケートに「同性として評価できる」と記載され、驚いたことがあります。以前であったら「同性として、手本としたい」ぐらいの軟らかな表現であったものが、「かなり上から目線になったものだなあ~」と感じました。
業務では彼らに選択権はなく、いい仕事をして上司に次の仕事を任せてもらう、つまり「選択される側」だと自覚させなければなりません。「手が空いたときでいい」というのは「いつでもいいからやってください」という依頼のニュアンスで受け取りますが、これは「急いでいない」「最優先ではない」という意味です。「いつまでなのか」を明確に言わない上司に問題があるのではなく、「不明確なことを確認する質問ができない」ことが問題であると指導します。
上司には、仕事を命令するときに、クオリティ、納期などに対する「期待」があります。「いつまでにどういう形でお渡しすればいいですか?」のような質問で、指示・命令を確認するように指導しましょう。
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えっ、ボクがやるんですか?部下に教えたい、社会人のものの言い方100
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