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女ひとり温泉をサイコーにする53の方法

2021.03.04 公開 ポスト

マジでヤバイ山梨の温泉について語りまくる。永井千晴

「温泉オタク会社員」こと永井千晴さん(@onsen_nagachi)の初めての本が発売になりました。その名も『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』! 訪れた温泉は約500湯。暇さえあればひとりで温泉を巡りまくっている永井さんによる温泉旅が100倍楽しくなる本書から、少しずつTIPSをご紹介していきます。

2018年に書いたブログ記事、「山梨の温泉はマジでヤバい。明らかに最高。東京から温泉行くなら山梨」が恐ろしいほどに拡散されました。今も変わらず、山梨は推しオブ推しです。本当にすばらしい。

東京から行きやすい温泉地といえば、箱根・湯河原(神奈川)、熱海(静岡)、伊香保・草津(群馬)に、鬼怒川(栃木)あたりが主に挙げられます。

一方、山梨県の温泉といえば、有名どころは富士河口湖あたりか、景観のいい「ほったらかし温泉」。甲府のすぐ近くに湧く石和温泉も、アクセスがよくいい湯が湧いています。

ですが、「温泉に行きたいから山梨に行くぞ!」というモチベーションの人は、そんなに多くない気がします。確かに、ほったらかし温泉のようにすごく景観のいい湯が多いわけでもなく、箱根のように観光が充実しているわけでもなく、熱海や草津や伊香保のように旅情あふれる温泉街があるわけでもありません。でも、山梨はもう、すごい。とにかく湯がサイコーなんです。

おすすめは新宿から特急電車「あずさ」に乗って、甲府でレンタカーを借りて、車で県内を湯めぐりする旅行。一泊二日であれば、甲府にとどまって温泉銭湯に浸かるだけでも十分楽しいですよ。

最推しは、2020年3月から宿泊業務を終了してしまった「奈良田温泉 白根館」。私にとっては、十本の指に入る圧倒的な温泉です。よく「全身が美容液に浸かっているみたい」と温泉を表現しますが、まさにそれ。奈良田温泉のためにある表現だと思います。浴感はとろとろというかもう、ねばねば。硫黄のにおいたっぷり、源泉ドッパドパです。「七変化の湯」と呼ばれている通り、昼と夜でなんとなく肌触りが変わったり、色が違ったりしていて飽きません。ゴハンもおいしくて大好きだったなあ。日帰り入浴でもぜひです。

「増富ラジウム温泉 不老閣」も個性的でした。日帰り入浴で訪れたのですが、すんごいサイコーなラジウム温泉(放射能泉の一種)です。湯温は30~36度でぬるめ、パキパキ鉄分たっぷりの温泉がとにかくパワフル。炭酸もあってピリッピリします。すごくぬるいのに、ちょっと浸かっただけでも湯船から出た瞬間じゅわっと肌が熱くなるような、不思議な霊泉でした。

日帰り入浴施設「韮崎旭温泉」も激推しです。ご主人の表現を借りると「こまっこい泡(細かい泡)」が肌にもうブワーッとつきます。天然の炭酸泉で有名な温泉地といえば大分県のラムネ温泉(長湯温泉)ですが、山梨のここにもぜひ浸かってもらいたいところ。なんてったって、ドバドバのオーバーフロー。四方八方、温泉が流れ落ちています。浴感は軽めで、新鮮すぎてくらくらしちゃいました。浸かってものの数分で肌に大量にまとわりつく、アワオブアワ。めちゃくちゃ驚きの体験が待っています。

甲府から近い温泉地・石和にも、推しの温泉がありました。旅館「深雪温泉」は、旅館にある湯船すべてが源泉かけ流し。貸風呂(内湯・露天)、大浴場の内湯(男女)、露天(男女)の合計六つ、それぞれもかなりの広さなのですが、いずれもびっくりするぐらいのドバドバな温泉の投入量で、しかもシャワーまで温泉でした。ヤバすぎる。いずれの湯船も、自家源泉二本(源泉温度50度と36度)の混合泉で、敷地内で自噴しているため、とにかく新鮮なのが魅力です。温泉は少しだけ茶色~緑色がついていて、茶色い湯の花がふわふわ舞っており、肌触りはつるつるきゅっきゅ。硫黄のにおいもします。

石和から車で15分ほどのところにある「岩下温泉旅館」もぜひ紹介したいところ。開湯1300年の宿で、明治八年に建てられた国の登録有形文化財にも指定されている旧館がすばらしいです。浴場は、思わずためいきの出る、褪せたタイル湯船と高い天井が魅力。あっさり爽やかな二八度の霊湯がたまらんのです。半地下になっている湯場は、明治・大正期の温泉宿にみられる設計らしく、あまり他では味わえない体験でした。冷たいのにずっと入れちゃう不思議な温泉です。

ちなみに、前述した「足元湧出」の下部温泉も山梨県です。なんというポテンシャルでしょう。しかも、地ビールに地ワイン、地ウイスキーまで、お酒好きにはたまらない地産品が目白押し。野菜もお肉もおいしいです。富士山も見えます。山梨、サイコー。もっと評価されて、もっとたくさんの人に愛されてほしいなあと思っています。

関連書籍

永井千晴『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』

訪れた温泉は500湯。ヒマさえあれば女ひとりで温泉を巡りまくっている「温泉オタクOL」による温泉偏愛エッセイ!

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女ひとり温泉をサイコーにする53の方法

「温泉オタク」会社員による温泉偏愛エッセイ

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永井千晴

1993年2月生まれ。学生時代に温泉メディアのライターとして、半年間かけて日本全国の温泉を取材。その後、旅行情報誌「関東・東北じゃらん」編集部に2年在籍し、「人気温泉地ランキング」などの編集を担当。退職後は別業種で会社員をしながら、経験を活かしてTwitterやブログで温泉の情報を発信している。現在も休みを見つけてはひとり温泉へ出かける、市井の温泉オタク。国内外合わせて約500の温泉に入湯。好きな言葉は「足元湧出」。
Twitter @onsen_nagachi

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