昨今猫人気がすごいです。猫も杓子も猫好きです。
そんな中で、もちろん犬好きさんも同じくらい沢山います。
縄文時代から人間と寄り添ってきたという犬。もはや人間とは切っても切れない関係です。
今回ご紹介する小説は、まさにそんな犬たちが活躍するわんダフルなミステリ、その名も『わんダフル・デイズ』です。著者は「ルパンの娘」で人気の横関大さん。
著者の横関大さんに、『わんダフル・デイズ』についてお話をうかがいました。
犬たちはただ「嬉しい」。それだけ
Q 今回「盲導犬訓練士」を登場人物に小説を書かれようと思ったのはなぜですか?
横関(以降Y) 実家のある静岡県富士宮市には、日本盲導犬協会が運営する訓練センターがあります。そのため、たまに街中で盲導犬の訓練に遭遇することができ、それを題材にして乱歩賞に応募したこともあります。結果は落選でしたが、いつかきちんと盲導犬のミステリーを書きたいと思っていたところ、数年前に犬をテーマにしたアンソロジーへの参加を打診していただき、「これだ」と思いました。まだまだネタはありましたし、キャラクターも気に入っていたので、連作短編という形を思いつきました。
Q 物語の中に、たくさんの盲導犬が登場しますが、職務を全うする犬たちの姿が印象的です。盲導犬たちを描かれる時に、意識されていたこと、気をつけていらっしゃったことなどありましたら教えてください。
Y フラットな視線を心がけました。犬というのは人に褒められるのが好きな動物で、盲導犬はその延長だと僕は思っています。行動する、褒められる、嬉しい。それだけです。あまり過度な演出は必要ないと判断しました。
Q 「ハートウォーミングミステリ」と帯に書いてありますが、横関さんの小説は、ミステリでも登場人物たちへの「あたたかい眼差し」が特徴としてあるように思います。たとえば「横関ミステリ」を自分で定義するとしたら、どんなミステリでしょうか。
Y 以前は爽やかな読み口とか、どんでん返しとか、そういう部分かなと思っていましたが、最近は作品が増えてきたため、多様性が出てきたと思っています。自分で定義するのは難しいですが、とにかく読者のページをめくってもらうことには力を注いでいるつもりです。
Q 犬派猫派でいうと、やはり犬派なのでしょうか。というよりこの「犬派猫派」という議論っていったいなんなんでしょうか。なんだと思われますか? そしてあえて聞きますが、犬派の方と猫派の方に向けてメッセージをお願いいたします。
Y 男女間のコミュニケーションの糸口ではないでしょうか。この話題を出しておけば間違いない的な。少なくとも僕は男性の友人と犬派猫派の議論をしたことはありません。アレルギーもあると思いますが、犬派の方にも、猫派の方にも『わんダフル・デイズ』はおすすめです。
Q「ルパンの娘」や「K2」といったドラマ化作品の原作を始め、いろんなミステリを精力的に書いていらっしゃる横関さん。今後の刊行スケジュールや、これから書いていこうとされていることなどについて、可能な範囲で教えていただけますでしょうか。
Y 春くらいに社会派っぽい真面目なミステリーが出ます。その後は夏くらいに打って変わって娯楽性の高いものが出る予定です。
〜(番外編)〜ところで自粛期間中、何してました?
Q 長期間の緊急事態宣言中。目下ハマっていることなどあったら教えてください。
Y もともとワインが好きなので、ピノ・ノワールという品種の赤ワインをせっせと通販で買っています。
Q 増えたお家時間の中で、いちばん増えた時間はなんですか?
Y あまり変化はないですね。
Q 最近読んだ本などありましたら教えてください。
Y 『進撃の巨人』を一気に読みました。大変面白かったです。
(聞き手:編集部)
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