生き方
主人公・冬子によって七年にわたる認知症の母の介護の様子が語られていく。けれど、これは単なる介護小説ではない。私生児として生まれた娘と母の、複雑ながらも唯一無二の関係をすこし羨ましく思ってしまったのは、わたしだけであろうか。
冬子は多大な労力を惜しまず、母を自宅で介護することを選ぶ。そのことは、これまでの彼女の思念を曲げることではないかと、長年の友人から電話口で強く突っかかられる。
「フェミニストのあなたがなぜ? 性別分業を介護に持ち込むの?」
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