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女ひとり温泉をサイコーにする53の方法

2021.04.01 公開 ポスト

東京からのアクセスが想像以上にラクな福島の温泉たち永井千晴

「温泉オタク会社員」こと永井千晴さん(@onsen_nagachi)の初めての本が発売になりました。その名も『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』! 訪れた温泉は約500湯。暇さえあればひとりで温泉を巡りまくっている永井さんによる温泉旅が100倍楽しくなる本書から、少しずつTIPSをご紹介していきます。

私が初めて東北を訪れたのは、東日本大震災から二年半の月日が経ったころ。震災復興の道半ば、といった雰囲気に包まれていて、宮城や岩手の海沿いは、瓦礫が撤去されてまっさらになった平地が延々と続いていました。初めて福島に訪れたのもそのころ。親戚もおらず、テレビやインターネットで得ていた情報だけでイメージしていた福島とは、まったく違っていました。のどかでおおらかで、観光もグルメも温泉も充実していて、「すてき」でした。今はもう震災前ほどの観光客が戻ってきているそうですが、本当にいい温泉が湧いているので、引き続き応援していきたい気持ちでいっぱいです。

とにかく、東京からのアクセスが(想像以上に)楽なのです。東京駅から福島駅まで、東北新幹線で一時間半ほど。ちなみに、新宿─甲府は一時間半、浅草─鬼怒川は二時間ほどかかります。新幹線なので割高ですが、時間だけで見れば「東京から近い温泉地」にカウントしてもよさそう。特に、福島駅から宿まで送迎プランがある高湯・土湯温泉あたりは、とってもおすすめです。

大好きなのが、すでに何度か本書でおすすめしている高湯温泉。江戸時代から続くしきたり「一切の鳴り物を禁ず」を今も守る、静寂に包まれた山奥の温泉地です。白く濁った硫黄のにおい豊かな温泉は、旅情たっぷり。「こういうザ・温泉浸かりたかった~!」って嬉しくなっちゃう湯なのです。趣ある旅館で、福島のおいしい地酒とグルメを堪能する旅行がかないます。周りには旅館しかないので、おこもりがしたいときにぜひ。ちなみに、高湯の近くには、私の大好きなぬる湯が湧く微温湯温泉(名前もぬる湯!)もあります。

土湯温泉にある「不動湯温泉」も大好きです。二〇一三年夏に火災によって焼失してしまい、現在は日帰り入浴のみで復活されています。私が訪れたのは、火災よりわずか二週間ほど前のこと。山の温泉というと、「硫黄!」「濃厚!」とガツンとくるものが多いですが、ここはちょっと違いました。山そのものが溶け出したようなやわらかさとつるやかさで、総檜造りの湯船にとろとろと注がれていて、なんとも優雅です。渓流沿いに造られている混浴露天も野趣あってよさそうでした。

宮城県の鳴子・秋保温泉と並んで、奥州(東北)三名湯のひとつに数えられている飯坂温泉もいいところです。福島駅から飯坂温泉駅までは二〇分ほどで、アクセスも楽々。アッツアツでつるさらな温泉が心地よいです。温泉街が充実していて、散策も楽しめるのがすてき。街のシンボルである「鯖湖湯」は、外観も内観も和モダンで美しいです。

また、会津若松の温泉地・東山温泉には、国の登録有形文化財にも指定されている老舗「向瀧」、滝を眺めながらの絶景温泉が楽しめる同じく老舗「庄助の宿 瀧の湯」などの人気宿もあります。あとは、エメラルドグリーンのぴりりとくる酸性泉がすばらしい岳温泉が大好き。猪苗代方面には、「ペンション プチポワ」「Lake side inn Beehive」など、こだわり抜かれた至極のペンションが軒を連ねています。「福島のペンションはすごい」と旅行雑誌時代に何度も驚きました。

アイラブユーベイビーふくしま、とうたう歌が震災当時に流行りました。いまも口ずさみながら、温泉に向かっています。

関連書籍

永井千晴『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』

訪れた温泉は500湯。ヒマさえあれば女ひとりで温泉を巡りまくっている「温泉オタクOL」による温泉偏愛エッセイ!

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女ひとり温泉をサイコーにする53の方法

「温泉オタク」会社員による温泉偏愛エッセイ

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永井千晴

1993年2月生まれ。学生時代に温泉メディアのライターとして、半年間かけて日本全国の温泉を取材。その後、旅行情報誌「関東・東北じゃらん」編集部に2年在籍し、「人気温泉地ランキング」などの編集を担当。退職後は別業種で会社員をしながら、経験を活かしてTwitterやブログで温泉の情報を発信している。現在も休みを見つけてはひとり温泉へ出かける、市井の温泉オタク。国内外合わせて約500の温泉に入湯。好きな言葉は「足元湧出」。
Twitter @onsen_nagachi

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