祝重版！さらに中身をチョイ見せしちゃいます｜Paradox Live Official Fan Book｜Paradox Live

大好評発売中の『Paradox Live Official Fan Book』。

おかげさまで、重版が決定いたしました！

現在手に入りにくくなっており、申し訳ございませんでした。

まだ手に入れられていない方、迷っている方のためにどんな中身か更にチョイ見せいたします。

STAGE BATTLEに優勝したcozmezをお祝いする意味もこめて、彼らにフィーチャーしてお届けいたします。

こちらは2人の住むアパートの間取り。間取りといえば、Abemaのパラテレで大盛り上がりでしたね。

風呂トイレは別で、シンプルすぎる間取りとなっております。

優勝賞金で彼らの生活が少しでも豊かになることを祈ります……。

さらに、cozmezの日常を垣間見ることのできるノベルも少しだけお見せいたします。

NOVEL〜cozmez〜

ひとたび布団を出れば、屋内とは思えないほど部屋は寒い。
那由汰が深い眠りについた頃、起こさないようにそっと起き上がった。クソ、このボロアパート、ぜってえどっか穴開いてるだろ。どうにか修理できねえもんかな……。自分よりも少し寒がりな、平たい布団の中で丸くなって寝ている片割れを見やり、乱暴に靴を履いて家を出た。

翠石は近頃なぜか報酬を弾んでくれるが、それはそれとして容赦がない。今日も寒空の下を一晩中駆けずり回る羽目になった。金さえもらえれば何だってやる俺は体ていよく利用されている。こいつ死なねえかなと思ったことも一度や二度ではないが、死なれたら死なれたで俺たちの生活も立ち行かなくなるからとりあえず生きててくれてもいい、今のところは。
へとへとになって家に帰り着いた頃にはすっかり空が白んでいた。直じかにポケットに突っ込んだ紙幣の感触を指先で何度も確かめる。走り回ったせいで身体はじゅうぶんあったまっていた。那由汰は家を出たときと同じように布団にくるまってぐっすり眠っている。着替える気力すらなくそのまま隣に倒れ込むと、まどろむ間もなく眠りについた。

ガサガサというビニール袋の音で目を覚ます。台所の物音が薄く耳に届いている。かけた覚えのない布団をはねのけ、うめき声とともに伸びをして起き上がると、大きくあくびをしながら台所へ向かう。

「おはよ」

「……はよ」

「珂波汰、卵何個食う？　ベーコンは？」

コンロの前に立った那由汰が卵片手に尋ねた。
あー、としばし考え、「一個でいい。ベーコンは……いらね」と答えると、那由汰は眉をひそめて振り返った。

「何で？」

「腹減ってねー」

「は？　そんなわけねぇだろ。だってゆうべも夜通し、」

「寝起きで食欲ねんだよ。いーからさっさと食おうぜ」

ほらお前は卵二個にしろ。ベーコンも焼け。と料理をしている横から口を出すと、那由汰はブツブツ言いながらもそれに従った。
目玉焼きを賞味期限切れのカサついたパンにのせてかじりつく。口の中の水分が奪われていく。
身体の節々が痛いし、睡眠が足りていないのか頭がガンガンする。今日は十二月……八日か。頭に暦を思い浮かべる。もう少し、もう少しだ。
食器を下げ、慣れた手つきで戸棚の引き出しを開けた。しわくちゃの封筒を取り出して、ポケットからゆうべ稼いだ分の金をしまうついでに中身を確認する。

「……あれ」

金を数える指が速くなる。一枚、二枚……疲れているせいかと数え直すが、何度数えてもやはりおかしい。

「金が減ってる！！」

＊　　　＊　　　＊

彼らのお金の行方は？　そして珂波汰がたくらんでいることとは？

気になる続きは、ファンブックで確認してみてくださいね。