「今の世の中の常識のようなものの中で生きづらさを感じている人へ――」
銀色夏生さんが今の想いを込めた最新刊『私たちは人生に翻弄されるただの葉っぱなんかではない』より、メッセージをお届けします。
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我慢が得意と思ってはいけない
自己犠牲について。
自分は我慢がきくから、我慢が得意だから我慢すればいいとか、我慢できることが自分の強みだと思ったりするのはいけないと、ある星占いの先生がおっしゃっていました。周りの人の気持ちを汲むこともほどほどにしてくださいっ て。周りの人の状況に流されて周りの人の犠牲になるように生きていくと、あなた自身の生き方ができなくなりますよって。
私にも、我慢できるから我慢しよう、そうすると波風が立たない、トラブルも起きず丸く収まるというような、自分が我慢すればいいっていうようなところが結構ありました。でもそうすると私自身の生き方というのができなくなってしまう。
確かにそうです。私が人に甘えないように工夫してきたのは、そこで迷惑をかけたくなかったから。もっと大事な、違うところで自分の生き方を貫くため にそういうふうにしたんですが、本当は、「これはできません」ってはっきり言えれば簡単なんです。できないことはできないって言ったほうが、自分の人生をより早くスムーズに生きていける場合もある。
我慢が得意と思っていたこと自体がよくないことだったのかもしれない。そ れは誰のことも幸せにしない。自分もそうだし相手も幸せにしない。私が相手 のために我慢するっていうのは、単なる私の思い込みみたいなものでもあるわ けだから。我慢せずに、自分はこうしたいって伝えることは、相手に対する思 いやりでもあるんだなというふうに思いました。だから、我慢が得意なんて言わずに、ちゃんと自分はこうなんだってことを飄々と伝えられるようになれたらいいなと思います。まあ、もうできるかも。ここまで生きてきたから。