人気絵本作家のaccototoさんは、まるで絵本の中から飛び出したかのような素敵な暮らしを軽井沢でしています。
そんなaccototoさんの暮らしを覗き見する短期集中連載「絵本作家の森のいえ暮らし」、スタートします。
中々遠出できないこのご時世、憧れの軽井沢暮らしを本の中で体験してみませんか?
初回は、軽井沢で発見した、「日本の四季」のこと。
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日本には四季がある。幼い頃からあたりまえのこととして育ってきましたが、都会で暮らしていた頃は、なんとなく四季は教科書や図鑑の中にしかない世界なのではないかという印象でした。
四季、と言っても、例えば4月は花見で5月はこいのぼりといった歳時の行事くらいしか違いはわからなかったし、教科書で見ていたように9月や10月になっても葉は赤くならないし、落ち葉でも遊べないし。
夏は暑い、冬は寒いということはわかっても、春や秋は感じる間もなく過ぎ去っていくようなイメージ。
四季ではなく夏と冬しかないのではないかと思っていたほどでした。
だから軽井沢で暮らし始めて思ったことは「春夏秋冬ってあったんだ」ということ!
寒く長い冬があるからこそ、春の光や寒さの緩みに敏感になる。木々の緑の色の変化が夏を知らせてくれ、湿度の変化が秋の合図となることも、ここにいるからこそ気づけたこと。
そもそも南北に長い日本は何月だからどの季節といえるわけでもなく、自然が教えてくれることなんですね。そう考えられれば、都会で暮らしていても一年の歩みは違うかもしれない。今はそう思えます。
窓から差し込む光や、窓から見える緑(なければベランダのグリーンだって)、入ってくる風の湿度。その変化をじっくりと見つめてみると、季節がめぐっていることに気づくはず。
世界的にさまざまな生活の変化に対応していかなければ時代において、変わらない自然や一年の巡りを感じることは、励ましにも似たメッセージとなるような気がします。
次回は5月18日更新です。
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絵本作家の森のいえ便り
森の木々がいっせいに芽吹く春、
雨が降るごとに緑が濃くなる初夏、
庭のツリーハウスから見上げる夏の夜空、
紅葉が絨毯のように積もる秋のテラス、
銀世界に小さな訪問者の足跡が残る冬。
――都会から引っ越して10年。森のいえに暮らす絵本作家の日々は、四季の変化、動物たちとの交流、育っていく子どもたちのおかげで、彩り豊かで目まぐるしい。
自然いっぱいの毎日は、楽しいことであふれてる。
「まるで、お話の世界!」な日々をつづった、人気絵本作家の初エッセイ。