人気絵本作家のaccototoさんは、まるで絵本の中から飛び出したかのような素敵な暮らしを軽井沢でしています。
そんなaccototoさんの暮らしを覗き見。中々遠出できないこのご時世、憧れの軽井沢暮らしを本の中で体験してみませんか?
今回は、森の中から聞えてくる、音のこと。
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辺りが静かだからこそ、暮らしているとさまざまな音が聞こえてきます。
例えば鳥の鳴き声。朝起きると季節によって、さまざまな鳥の声が聞こえてきます。
「コツコツコツコツ」というキツツキの音で目を覚ますこともあります。
また、窓に鳥がぶつかってくることがあります。突然「バーン!」という音がしたと思ったら、鳥が脳震盪を起こして倒れていて。しばらくすると元気になって飛んでいくのですが、この突然の出会いに「なんの鳥なんだろう」と子どもたちと調べるようにもなりました。気づいたら知っている鳥が増えていました。
夏のはじまりといえば春蝉。小さな蝉で雰囲気のある鳴き方をします。その鳴き声を聞くと夏の合図。
夏が終わると秋の虫の声。そしてデッキには葉が落ち始めます。どんぐりが落ちる音も。「カツーン!」「コンコンコン!」「バラバラバラ!」と自然のオーケストラのようです。
風が強いと木と木が擦れて「ギーギー」という音も聞こえてきます。
冬になって、薪を家の中に入れると、薪の間から「ギチギチギチ」と音が聞こえてきます。カミキリムシです。家の中が暖かいので、春だと思って虫が出てくるんですね。カメムシや蜂が出てきたこともありました。
自然の中ではじめて聞く音は「なんだろう?」から始まって、想像力を育ててくれます。少し耳を澄ましてみると、目には見えないところに世界が広がっていることを知るのです。
次回は5月20日更新です。
絵本作家の森のいえ便り
森の木々がいっせいに芽吹く春、
雨が降るごとに緑が濃くなる初夏、
庭のツリーハウスから見上げる夏の夜空、
紅葉が絨毯のように積もる秋のテラス、
銀世界に小さな訪問者の足跡が残る冬。
――都会から引っ越して10年。森のいえに暮らす絵本作家の日々は、四季の変化、動物たちとの交流、育っていく子どもたちのおかげで、彩り豊かで目まぐるしい。
自然いっぱいの毎日は、楽しいことであふれてる。
「まるで、お話の世界!」な日々をつづった、人気絵本作家の初エッセイ。