ネット集客をやめたら、お客様が見つかった
ライターの副業で毎月数十万円稼いでいる方がいます。
文章を書くのが得意で始めたのですが、今では本業と合わせて年収1千万円を超えているそうです。
さて、彼はいったいどうやって仕事を受注しているのでしょうか?
ヒントは「ネット経由ではない」ということです。
私のクライアントにはさまざまな業種の方がいるのですが、ビジネスを始めた当初の集客は「ネット経由ではない」ことが多いです。
製造業の改善コンサル、ITコンサル、スピリチュアルカウンセラー、英語コーチ、投資教室の講師などなど、ほとんどの方の最初のお客様はネット経由ではありません。
逆に、「ネット集客をやめたらお客様が見つかった」という人は少なくありません。
そして、どんどんとお客様が見つかって、売上が上がっていきます。
いったいどのように集客し、顧客を獲得しているのか?
今回は、その話をいくつかの事例を挙げて解説していきます。
ネット集客が続かない3つの理由
ビジネスを考えると、まずは「ネットで集客を」と考える人が多いのではないでしょうか?
今の時代はネット集客が一般的だし「ネットで売上が増えた」という成功事例をたくさん聞きます。
それで、「ブログやSNSを使って集客すれば良いのか」とか「オンラインサロンを開設すれば勝手に会員がやってくるに違いない」と考えてしまうのです。
しかし、現実はそうではありません。
ビジネスの最初からネット集客に頼ることをお勧めしないのは、次のような問題があるからです。
(1)反応がないのでモチベーションが下がる
恋人に送ったメッセージに返信がないと不安になる人も多いと思います。
1時間返事がないと不安になる人もいれば、5分でも耐えられないという人も中にはいます。
ネット集客では、その気持ちを毎日のように味わわなければなりません。
SNSを始めたばかりのころは、本当に反応がありません。
フォロワーも少ないので仕方ないのですが、反応のない期間を耐えられずにあきらめてしまう人も多いのです。
(2)信頼関係を作るまで時間がかかる
会ったことがない人と文章や写真だけで信頼関係を作るのは、かなり高度な作業です。
まったく初対面の場合、「この人は誰だろう? 変な人だったらどうしよう」という不信感を解消するところから始めなければなりません。
ネットの場合は、その壁を超えるだけでも相当な時間がかかります。ましてや、お金を払ってくれる程の関係になるためには、かなりの時間がかかります。
(3)自分の価値に自信がなくなる
SNSで投稿したのに反応が少ないと、かなり不安になります。
「こんな内容は求められていないのか?」「自分には存在価値があるのか?」とだんだんと自信がなくなってきます。
そういうことが続くと、「自分には価値がない」「貢献できることがない」と、ガッカリしてあきらめてしまうわけです。
確率の高い場所で勝負しよう
では、うまくいっている人はどのように仕事を獲得しているのでしょうか?
答えはリアルな出会いです。
冒頭のライターさんの場合は文章を書くのが好きで、ブログを書くことは続けていました。
しかし、それでビジネスが生まれるわけではありません。
彼の初仕事は、セミナーで出会った人からの紹介でした。
電子書籍の執筆や出版作業の代行ができるという話をしていたら、すぐに仕事を紹介してもらえたのです。
最初は見習いということで、5万円からスタートしていましたが、今では数十万円の価格で仕事をしています。先述の通り、年収は1千万円を超えています。
他にも、製造業の改善コンサルの方がベンチャー企業のコンサルの仕事を受注されていました。それも、セミナーの受講生の紹介でした。
たまたま同じ席に座った人がベンチャー企業の社長の知り合いで、その社長が人材を探しているということだったのです。さっそく紹介してもらったところ意気投合し、仕事を請けることにしました。面白い仕事みたいで、とてもやりがいを感じられています。
また、WEB制作をしている知り合いの多くは、最初の1件は交流会で出会った人から発注をもらったと言っています。
このような例は、枚挙にいとまがありません。
そして、ネット経由より相当早いです。
「偶然ではないのか?」と思う方もいるかもしれません。
もちろん偶然です。
それを言えばネット集客も偶然です。どちらの方がその確率が高いのかというだけの話です。
仕事というのは、人の困りごとの解決です。
人は誰でも困りごとを持っていますので、人と会っていれば、遅かれ早かれ仕事になります。
もちろん、ネット経由でも良いのですが、リアルに会う方が最初は効果的です。
ネットは「全国大会」リアルは「地方大会」
ではなぜ、リアルな出会いをお勧めするのでしょうか?
3つの理由をご紹介します。
(1)全国大会レベルのクオリティが必要ない
ネットの世界はいわば「広域戦」です。日本中にいる大勢のプレイヤーの中から選ばれなければなりません。
要するに「全国大会」みたいなものです。全国大会レベルで選ばれようとすると、相当トップレベルでなければなりません。クオリティの高いページ、キャッチコピー、投稿内容が必要になります。
一方で、リアルな場所は「接近戦」であり「地方大会」です。それほどのクオリティがなくても、比較される相手がいないので、タイミングが良ければ仕事が手に入ります。
名刺やちょっとした説明資料だけで、「詳しく話を聞かせて」となることも少なくありません。
WEB制作の受注もたまたま出会った人からの依頼が多いそうです。
誰に頼んで良いか分からないので、とりあえず会ったことのある人に頼むという人がけっこう多いわけです。
(2)相手がニーズを教えてくれる
ネットの場合は、相手のニーズを明確にして、それを文章にして、読み手を惹きつける必要があります。
これはかなり高度です。
ライティングが得意な人は良いですが、副業を始めて間もない人にとっては、とてつもなくハードルの高い作業でしょう。
しかし、リアルに人と会うと、相手から「どんな仕事なのか?」「要はこういうことか?」「こんな仕事はできないのか?」といろいろと質問されて、どんどん自分の商品の内容がクリアになっていきます。自分では思いもつかなかった表現で、商品の価値を言葉にしてくれる人も多くいます。
話しているうちに相手のニーズが分かってくるし、商品のメリットや自分の存在価値もどんどん明確になっていきます。
先述のライターさんも、最初は自分の仕事に自信がなかったのですが、だんだんとセールストークがうまくなっていきました。
例えば、昔からブログを書いている人に対しては、「ブログの記事をまとめれば、1週間で電子書籍が出せますよ」などと言えば仕事が取れてしまいます。
これも、いろんな人と話したおかげで、相手に響くセールストークが分かってきたからです。
(3)周りが営業パーソンになってくれる
何度か同じ場所に顔を出していると、自然に顔なじみができてきます。
だいたいどんな場所にも面倒見の良い人がいるもので、そういう人があなたの商品を自分の知り合いに紹介してくれたりします。
ライターさんも、製造業の改善コンサルの方も、通っていたセミナーで顔なじみになった方から仕事を紹介してもらったそうです。
知り合いが増えれば増えるほど、あなたの営業パーソンが増えます。
「こういう人がいたら教えて」と、具体的にあなたの対象となる顧客像を伝えておくと、紹介してもらいやすくなります。
ネット集客は最後にやれば良い
最初はリアルな出会いから始めるのが効果的ですが、だんだんと顧客数を増やしていくためには、それでは効率が良くありません。
ですので、自分の商品のウリが明確になり、セールストークが磨かれてきたら、徐々にネットでの集客に移行していきましょう。
リアルな場で反応があった言葉であれば、ネットでもそれなりの反応があります。
また、知り合いの紹介がネット経由で来たりもします。
実績ができてくると、その実績をネットで紹介することで、さらに反応してくれる人が増えます。リアリティが感じられると、人はより安心して問い合わせなどができるのです。
まずはリアルで自分の価値を磨いていき、次にネットに移行するという順番をお勧めします。
副業1年目の教科書の記事をもっと読む
副業1年目の教科書
- バックナンバー
-
- 集客に悩む人に共通する、ネットに対する根...
- なぜ「片付け」で年商3千万円を稼げるのか...
- TOEICが何点であれば、英語の副業はで...
- 副業で月に100万円稼ぐための意識改革
- そろそろ本業辞めようか…正解のタイミング...
- あの有名企業も、副業から始まった
- 副業で「先生」と呼ばれるための3ステップ
- 副業で最終的に目指す地点は「先生業」
- あなたのスキルをどうお金に変えたらいいの...
- 開業届は必要?気になる副業の手続き
- 巷で言われている「集客の王道」は真似しな...
- 仕事ができる人ほど難しい?副業の時間をど...
- 副業すると本業の評価も高くなる意外な理由
- どんなジャンルの副業にも営業スキルは必須
- フリマアプリで副業の第一歩を踏み出す
- 「勝ち組」信仰を捨てると副業はうまくいく
- 5年後の自分のためにまず居場所を作る
- 不真面目なサラリーマンほど副業はうまくい...
- ポストコロナ時代の人生に副業は欠かせない