人気占い師、真木あかりさんの新刊 『2021年下半期 12星座別あなたの運勢』より、
<全体運>
愛と、安定と、自立を一緒にやっていく
2021年5月半ばから7月にかけて、さそり座の人々はとてもわくわくすることになっています。好きなことにハマって没頭したり、何かを夢中で創ったりする「自己表現」の時期に当たっているからです。自分はこれが好きなんだ。楽しくて楽しくてたまらないんだということを、そのアクティビティを通して存分に表現し、人生を謳歌していくのでしょう。6月下旬あたりからは、あれこれ手を出した「好きなこと」を精査して絞り込むような流れのなかにありますが、それでも7月末まで胸の高鳴りはやむことがありません。SNSで好きなものや創ったものについてアツく語り、注目されることを喜びとする人もいます。「同好の士」を得ることで、さらに楽しくなってくる人もいるでしょう。なかには趣味を仕事にしたいと、本気で考える人もいるのだろうと思います。
ここであなたが、「自分はこれが好きなんだ」と表現するものは、人によって実にさまざまです。絵を描く人もいれば、プログラミングを勉強してゲームを作る人もいるでしょう。動画や写真にチャレンジする人もいれば、料理をする人もいます。かたちあるものだけでなく、「愛」というのもまた自己表現のうちでしょう。恋をしたり、子どもと特別に充実した時間を過ごしたり、はたまた“推し”に夢中! ということも。誰もが好きなものに夢中になって「楽しい!」「好き!」を表現していきます。
こうしたものは、突然好きになるようでいて、実はそのベースはずっと前に作られていたりします。たとえば2020年、知的好奇心や他者への興味関心をスパークさせて、たくさんの「好きなもの」「夢中になれる人」との出会いを果たした人は多いでしょう。あまりにのめり込んだため、少々自分のことを省みることが少なかった人もいるかもしれません。この時期は、あなたの視線は自分以外のものにばかり注がれていたのです。ただ、そればかりでは「自己」は喪失の危機に至ります。そこで2021年上半期、「自分の土台」を固めるような動きが起こり、「よし、これだけしっかりした土台なら何をしても大丈夫だ」という自信が持てるまでになりました。これが1月から5月半ばまでの流れです。こうした土台のもと、安心して好きなもの、ハマったことにのめり込めるようになったのがこの夏なのです。
ただ、星回りから拝見する限りでは「我を忘れるような、危険なハマり方」をしている人はそうそういないはずです。この時期はどこか冷静な自分がいて、全体を俯瞰して見つめています。「地に足をつけよう」「自他の境界線はいつもはっきりさせておこう」などといった自制心がはたらくのです。ハマったからといっていわゆる“廃人”になることはなく、生活とのバランスを上手に取っていけるのでしょう。
8月、あなたはふたたび土台づくりの日々に立ち戻ることになっています。決して恋が終わったり、趣味に飽きたりするわけではありません。あなたの夢中は、そんなに簡単に消えることはないはずです。土台づくりに立ち戻るのは、自分が「拠って立つ場所」を作るために、頑張る時期が来たからです。
たとえば家族間の問題を丁寧に紐解いていったり、安心してくつろげる住まいを探して引っ越したり、といった計画が立てられるでしょう。ずっと今の暮らしに物件が合わないと感じていたのなら、DIYにトライしたりもするかもしれません。
ハード面だけではなく、ソフト面でも動きがあるはずです。7月までに深まった恋については、お互いの家族に紹介する、結婚や同居を目指して話がまとまっていく、といった流れが起きやすい時期に当たっています。ここでの決心は決して一時的な盛り上がりではなく、長く続いていく関係であるはずです。
そうかと思うと趣味に没頭するために引っ越しをしたり、とことん集中できる作業部屋を作ったりする人も、いらっしゃるかもしれませんね。それがあなたの心を、どれだけわくわくさせることでしょうか。「こんな棚作っちゃおうかな」「ベッドなんてむしろいらなくって、好きなものだけ置けばいいんじゃない」なんて思ったりして。実際には日々の忙しさにかまけて、そんなものは作られなかったりすることもあるのですが、それと嬉しさはまた別のお話です。
そう、星の動きというのはこんなふうに、つながってくるのです。夏の間にあなたが夢中になった、創る・生み出す・表現するといったことに「安定」が加えられていきます。
年末、さそり座の人の視線はふたたび夢中になれるものや、人への愛に向けられるようになります。ここから2022年5月まで、ふたたび「好きだ!!」と思うもののことを、愛を、世界に向けて表現していくのです。
こうして愛を謳歌するのとはまた別の星の影響ですが、さそり座の人は2019年から2025年まで、パートナーシップにおいて、「自立」を経験することになっています。パートナーシップというのは時折、共依存や束縛といった窮屈な関係を生み出してしまうことがありますが、「自立」はその対極にある概念です。お互いがお互いの自由を尊重し、自分の足で立つことです。決して相手により掛かることなどはせず、過剰な期待もしないのです。
土台に愛と安定が組み込まれることと、自立。このふたつの動きが同時に起こっているというのは、非常に面白いことです。かたや、生活のなかに組み込むようにして安定したい。結婚や同棲といった「かたち」を葵の御紋のようにして、確かな安心感を得たいのです。かたや、お互いがそれぞれに独立して、自分の足で立っている「自立」も促される。これらは矛盾しているようで、両立させることができるのが、2021年なのです。
人は愛する人の愛を感じられないと、不安になります。心も関係も離れてしまうのではないかと考えるから、相手に執着したり過剰に束縛したりしがちなのです。しかし、しっかりとお互いの気持ちを確かめ合い、信頼しているふたりであれば違います。相手も自分も自由でいい、という自立の状態に至るのです。
あなたもご存じとは思いますが、自立というのは、引き裂かれるような痛みを我慢して成り立つ孤独と同義ではありません。好きでいることと、自立することというのは、決して対立する概念ではないのですね。
さそり座の人々は2021年、愛することの全体を安定させながら、同時にパートナーシップにおける自立も目指していくことになります。もしかすると、最も自然なかたちで自分と相手を尊重し、自立するという成長の過程をこの下半期に、経験していくのかもしれません。
「ホーム」のあり方を変えていく
新型コロナウイルス感染症が猛威をふるい始めてから1年以上。新築物件やリノベーション済みマンションの広告に掲載されている物件を見ていると、間取りのなかに「ワークスペース」という表記が多く見られるようになったことに気づきました。作り付けの机と椅子を置けばいっぱいになるような小部屋ですが、妙にくつろぐ……というのは、私がこもりたがりのせいでしょうか。機能的にも生活空間と明確に区切られているため、オンライン会議なども問題なくできそうです。なかには部屋と離れた、独立した小部屋(Wi-Fi完備!)が各住戸に割り当てられているマンションもあります。仕事部屋にしたり、ものづくりの趣味の工房にしたり、人によってはバイクを置いてガレージ的な使い方をする、ということが想定されているようです。ガレージは昔から「隠れ家」的な場所でしたが、それがもっとおしゃれに、マンション住まいでも持てるというわけですね。リモートワークの推進が、住まいのかたちをも変えてきたのでしょう。会社の一部が、家に取り入れられるようになったという見方もできそうです。
さそり座の人々にとって、2021年は「ホーム」を丁寧に作り上げていく年です。ホームというのは「ウチ」と呼び替えてもいいかもしれません。人はよく、自分が所属するスペースのことを「ウチの会社ではね」「ウチの学校は」といった呼び方をします。もちろん、「おウチごはん」などと呼ばれるように、自宅を指すのも定番です。人によっては行きつけのお店や所属する組織の集会所といったサードプレイスを「ウチ」と呼んでいたりもします。
リモートワークの普及が「ウチ(会社)」を「ウチ(自宅)」のなかに取り込んだように、下半期のさそり座は、「ホーム」のあり方をがらりと変えていくのかもしれません。パートナーとお互いに家を持ち合って2拠点生活を送ったり、家で仕事をする前提で物件を選んだりするのかもしれません。物件を所有することをやめて、そのときどきの仕事やライフスタイルに合わせてベストな物件に住み替えていくという人もいるでしょう。安定した生活というのは、必ずしも同じ場所に住み続けることを意味しません。常に流動的な状態に合わせられることが「安定」である、という見方も成り立ちます。そんなふうに「安定」の意味を自由に紡ぎながら、新しい「安定」を生きていくさそり座の人はとても多くなるのだろうと思うのです。
ここまで「自分で選ぶ住まい」について書いてきましたが、誰もが自分で世帯を持つとも限りません。学生や生まれ育った地域で就職した人であれば、実家暮らしという人もきっと多いことでしょう。そうした方の場合はこの時期、「自立」の動きがくっきりと出てくるのだろうと思います。甘えすぎないように。頼りすぎないように。「そろそろ、そうすることが必要なのだろう」という心境に至ります。といっても、自分であれこれやらなければいけない面倒臭さを強いられるという感覚は不思議なほど、ないのでしょう。むしろ、「自分でやるから好きなようにできるぞ」というワクワク感のほうが、きっと強いのではないかと私は思います。
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