人気占い師、真木あかりさんの新刊 『2021年下半期 12星座別あなたの運勢』より、
<全体運>
自分のどんな選択も、肯定していく
上半期はいかがお過ごしでしたか。みずがめ座の人は2021年、「幸運と拡大の星」と呼ばれる木星が巡ってきています。この星が巡ると、人生のなかでもインパクトのあるイベントが起こりやすい年になります。ましてや今年は「制限と試練の星」と呼ばれる土星も同じくみずがめ座に巡っています。物事を大きく拡大させていく木星と、物事に制限を与えて成長を促す土星。このふたつが拮抗して、みずがめ座の毎日に強い影響をもたらしているのです。インパクトの強い星回りですから、何かとプレッシャーを感じたり、目が回りそうなくらい忙しい日々だったりした方は多いのではないでしょうか。ただ、それは「大きなことが叶おうとしているから」である可能性が、高いのかなと思います。叶えるための課題がしっかり洗い出されて、あなたもそれに取り組んでいる、というふうに考えることができるでしょう。おそらく、2021年の真価というのは少しあとになって、「そういえば、あのときただ忙しいとしか感じられなかったけど、たしかに転機だったな」と懐かしく思い出すような、そんな節目の年なのですね。
特に2021年から2023年にかけての出来事というのは、長期戦が前提だったりします。これは「なかなか叶わなくて苦労する」という意味合いとは違います。試行錯誤の日々があったとしても、「じっくりと努力の日々を積み重ねても、手に入れたいものが見つかった」ということのほうが、あなたにとっての真の価値だったりします。だから、先が見えないような状況に不安を覚えたときも「今、自分は特別な価値を手に入れているのだ」と思っていて大丈夫です。そのほうが、行く手にも優しい灯りが灯りますから。
さて、下半期の始まりとなる7月は、「自分が活かすべき・これから活かしていきたい資質や特徴」が、かなり明瞭に見えてくる時期になるだろうと思います。上半期に経験したことを振り返って、「これも強みに加えられそうだな」と思えるものがいくつか、新しくできているのではないでしょうか。逆にいえば、今まで大事だったもののうちいくつかは「もう、どうでもいい」と思えるようにもなっているでしょう。実際に、以前ほど熱心に取り組めなくなった仕事があったり、トレードマーク的に身に着けていたものやカラーを変えたり、服の大部分を買い直したりした人は、多かったのではないでしょうか。今までは、ステーショナリーは全部赤で揃えていたけれど、もう惹かれなくなってしまった。シルバーアクセサリー一辺倒だったけど、急に似合わなくなってきた気がしてゴールドにした。そんなときは、星々の大きな「切り替わり」の時期だったりするのです。
8月以降、おそらく5月頃までの出来事の「続き」のようなことが起こってきます。自分はどんな人なんだろう。他人とはどこが違うんだろう。今まで「こういう人生が幸せというもの」と思ってきた未来が、以前ほど惹かれなくなった人も多いだろうと思います。そうした日々のなか、転職や結婚・離婚、移住など、バリッと生活を切り替える人も多そうです。これらをきっかけにアイデンティティを問い直すようになるのか、それともアイデンティティの変化が行動として表れたのか。きっとそれは「卵が先か、鶏が先か」というお話とよく似た構造なのでしょう。
大切なのは、変わろうとしている自分を肯定することです。人間は一貫性を重視する生き物ですが、仮に昨日までの自分とまるで違うことを考え始めても「それが私なのだ。どんどん進もう」と思えることが、大事になってきます。
何が幸せで、何が不幸なのか?
先程、「結婚・離婚、移住など」と、書きました。それはどっちなのだ、果たして幸せなのか不幸なのか。だいたいこうしたご質問をいただきます。確かに正反対の出来事ではありますが、そもそもどちらが「不幸」というわけでもないのでしょう。そもそも、適応障害など心理的な問題に至るライフイベントのなかには結婚も離婚も含まれます。結婚して幸せになる人もいれば、離婚をして幸せになる人もいます。もちろん両者もあいまいで、不幸も幸福もぱっきりと完全に分断されているわけではありません。たとえば結婚後に幸福を感じながらも「しなければよかったなあ」と思うこともあれば、離婚後に充実した新生活を送りながら、ふとひとりの夜に「あのとき我慢しておけばよかったかなあ」と思うこともあるでしょう。そうした後悔がにじむとき、水に一滴のインクを落とすように、わずかに不幸が混ざります。どちらが幸せでどちらが不幸か、というのは自分にしかわからないのだと思ってみると、このふたつが併記されていることも、ご納得いただけるかもしれません。
この2021年に起こる、もしくは2021年に動いたことをきっかけに起こることであれば、結婚も離婚も両方、「これでよかったのだ」と思えるようになります。ときどき水に、一滴のインクが落ちることがあったとしても。
以前、「幸運と拡大の星という木星が巡ってきたのに、離婚してしまった」と肩を落とす方がおられました。以前から夫婦仲はうまくいっておらず、ただ情もあるので修復はしたい。けれど、お互いに修復を目指して話し合うには至らず、「離婚しかないね」と静かに決まったのだということでした。
木星が巡ってくるときは、こういったことがよく起こります。大事なポイントは「修復して結婚生活を続けたかった」という願いではなく、修復を目的とした話し合いをしなかった、という点です。木星の「拡大」は前者の願望ではなく後者の事実にはたらき、諦めの感情を増大させていくのです。
話し合いというのは、気詰まりなものです。自分や相手のずるさや責任、努力、そういった重たいテーマが浮き彫りになり、それらを引き受けて改善せねばなりません。ほかの星の兼ね合いもありますから軽々しく言えない部分はありますが、もし「木星が巡ってくるから、このチャンスに夫婦関係を修復しよう」と思うならば、覚悟を決めて話し合うことが欠かせなかったのですね。占いを使うとは、そういうことです。運命は、行動で変わります。
だから、恋愛でもパートナーシップでも、転職・就職でも、その他のあらゆることでも、「こうしたい」と願うばかりでなく、具体的に行動を起こしましょう。気詰まりなことからどんどん、取り組んでいきましょう。占いを使って、自分の人生を生きようではありませんか。
特に10月中旬から年末にかけての時間は、こうした動きがより鮮明になってくる見通しです。自分が何をしたいのか、どういう道を選択すると良さそうか、考え抜いて行動を起こしていけると素敵です。
ただ、人生はだいたいにおいて、「自分が何をしたいのか」なんて全然わからなかったりします。仕事で疲れ果てる毎日が続いていると、もう「とにかく働きたくない。寝て暮らしたい」などと極端な気持ちまでもが出てくるものです(私だけだったらすみません)。悲しみのどん底にいて「一生ひとりでいたい。北欧の無人島で誰にも知られずに暮らしたい」などと思ったりもするものです(私だけだったらすみません)。そういうのを、自分がしたいことだなんて思っちゃいけないんですよね。
したいことがわからないとき、私はよく「やりたくないことを、全部書きだしてみるといいです」と申し上げています。これは「掃除」とか「仕事」とか適当に書くとそこで話が終了してしまうので、ちょっとコツを書いておきます。たとえば「決められたことを間違えずに正確にこなす」とか「変化が多い職場で働く」といった、具体的なことです。
やりたいことを考えろと言われると、人は意外とフワフワしたことを考えるのです。もしくは「社会的に正しいと思われること」を考えたりもしがちです。たとえば「大変でも成長につながる転勤の少ない何か(フワフワ)」とか「世界平和(社会的に正しい)」とか。一方、やりたくないことは、本音が出やすいのです。
やりたくないことからは、逆にやりたいことが見えてきます。「決められたことを間違えずに正確にこなす」ことが嫌ならば、自分で考えて動くことを求められるベンチャー起業が楽しいかもしれません。「変化が多い職場で働く」のが嫌ならば、「転勤のない会社で、リモートワークでできる職種がいい」という願望が見つかるかもしれません。
恋においても、同じことです。どんどん、したくないことを掘り下げていきましょう。
家族観はより、自由なほうへ
家族のあり方、自立といったテーマは、みずがめ座の人にとっては2019年あたりから続くテーマです。この下半期もそれは強く強調されるのですが、「古い制度の解体」といったかなり勇ましい感じのハードな指向性だけでなく、この時期に限り「明るい未来を目指していこうぜ!」というムードが加わるのが、素晴らしいところです。家族というのは、一度関係が始まれば多くの場合は長く続くもの。問題点があるとしても、明るく解決していけるのであればそれに越したことはないでしょう。特に「自立」「自由」というテーマに関しては、この下半期である程度、行動に落とし込んでいきたいところです。たとえば親に甘え続けているところがあるのなら、そろそろ自分の力でやっていこうと考えるのはいい選択です。ひとり暮らしをするなど、住まいの変化にも前向きな追い風が吹くでしょう。
あるいはあなたが親の立場だったとして、今より少し「子離れ」をすることになる、ということも考えられます。干渉をへらす、自主性に任せる。そうしたことによって、家族関係は今よりもずっと風通し良く、お互いがのびのびと暮らしていけるものになる。それが、この下半期の運を上手に使っていくということに、つながるはずです。
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月ごとの具体的なアドバイスも掲載しておりますので、ご覧いただければ幸いです。