人気占い師、真木あかりさんの新刊 『2021年下半期 12星座別あなたの運勢』より、
<全体運>
終わりと始まりのあいだを生きる
「終わりと始まり」というと、あなたはどんなことを思い浮かべるでしょうか。おそらくですが、今、なんらかの「終わり」を恐れている人ほど「いやだなあ」と考えるのではないでしょうか。今が幸せであっても、「今以上悪くなるなんて耐えられない」という方でも。それは悪いこととしか、考えられないからです。今あるものを絶対に手放さないでいたい、これが終わってしまったら自分は自分でいられなくなってしまう。そんなふうに思っているときは、どんな「始まり」も、いらないのですよね。
ただ、終わりのないところに始まりはありません。終わらない冬が続くなら永遠に春は来ませんし、終わらない高校3年生があるならば、大学生活は始まりません。そして、いくら冬や高校3年生が最高で「これ以上の時期はない」と思えたとしても、長い目で見ればそれは“次”への過程であり、もっと楽しいことだってあったっていいのです。そして終わりとは、何かを捨てたり小さくしたりすることではなく、「記憶も、得たことも、丸ごと自分のものとして持ちながら、もっといいものを得るためのアクション」であることも、また事実なのでしょう。
始まりから、終わりへ。そしてまた始まりへ。
このふたつの間を行き来するのが、2021年下半期のうお座です。終わり、といっても、それは過程にすぎません。ここまでで述べたように、何かが不本意なかたちで強制終了するとか、断ち切られるようにして関係が失われていくとか、そういったお話でもありません。ここでの始まりと終わりというのは、星々が12個の星座をわたりながら物語を紡いでいく、サイクルの物語です。月は約1ヵ月、太陽は1年で12個の星座をわたり、それがひとつのサイクルとして繰り返されていきます。木星は12年で、土星は29年で1サイクル。惑星はその始点から1周回った終点でも止まることなく、らせん状に高度を上げつつサイクルを繰り返していきます。それを「成長」とか「成熟」とか呼んだりします。2021年下半期のうお座は、そのサイクルの終わりと始まりを行き来する時期となっているのです。スパッといきません、行ったり戻ったりします。そこがポイントです。
まず7月、「始まり」に関する出来事が起こります。ここでは、うお座の人々は「自分」というキャラクターと真っ向から向き合うことになっています。自分というのは、果たしてどんな存在なのか。今まで「これが自分らしい私!」と考えていた姿が、不意にぐらりと揺らぐ人もいるのでしょう。人前で演じてきた「こうあるのが望ましい自分」に、急に違和感を覚えるようになったりもしそうです。
おそらくですが、ここまで深く「自分に疑いの目を向けてみる」ということは、初めての体験だ、と感じる人も多いのではないでしょうか。決して楽しいことでも楽なことでもないだろうと思うのですが、もしもあなたが何らかの生きづらさのようなものを感じていたならば、ここで現実的な解消の方向性を探っていけます。あなたは優しい人ですが、優しいがゆえに親しい人の心に過剰に共感したり、肩入れしすぎたりすることもあったかもしれません。結果としてしなくてもいい苦労や後悔が多かったなら、あなたが本当の意味であなたらしくいられる優しさのあり方を、見つけていけるでしょう。
なんだか「始まり」っぽくないと思われたでしょうか? おそらく、これが確かな始まりだったのだと実感できるのは、12月29日以降のことになります。ちょっとタイムラグがあるかと思いますが、「ああ、始まりとはこのためだったのか」と思えることを楽しみにしていらしてください。
8月からは、「終わり」のフェーズに入ります。そう、一度「始まり」に向かったのですが、ここから12月29日まで、「終わり」にちょっと引き返すのですね。意識から無意識の世界にふわりと飛び移る、そんなタイミングです。
ここでは、心の声がとてもよく聞こえるようになるでしょう。本当はこうしたい、こんなふうに人を愛したい。他人にもっと大事にされたい――といった願望のほか、普段は絶対に口にしないようなブラックなホンネも頭に浮かんできそうです。「こんなことを考えてはいけない」などと、思う必要はまったくありません。社会的にいくら間違っていようが、インモラルであろうが、それが自分のホンネであるなら「自分はこんなふうに思っているんだ」とそのまま受け入れることが大事です。「社会的に見て正しい答え」だけでできている人なんていませんし、誰もがいい感じにごまかして、いい外ヅラを作って生きているんですね(たまに本気で丸出しにしている人もいますが、まあそれはそれで生きづらそうです)。それが当たり前なのですから、感情に善悪などつけず、見守っていきたいところです。
一点注意したいのは、こうした心の深いところを見つめるときというのは、しばしば「受け取りすぎてしまう」ということです。他人の感情や思考が知らず知らずのうちに入ってきて、影響を受けたり自分の考えであるかのように錯覚したりしやすいのです。ネガティブなものは比較的気づきやすいので、ある程度は防ぎやすくもあります。ただポジティブなものについてはハッと気づいたら疲弊させられていた……なんてこともあるので、自分と他人の考えはしっかり分けるようにしましょう。
過去12年間、頑張った自分に感謝をしたい。
10月中旬から年来にかけて、12年間で1クールとなる木星のサイクルが終わりに向かっていきます。過去12年間を振り返り、今までで一番優しい目を自分に向けられる人も多いでしょう。頑張ったね、自分。ありがとうね、自分。そんなふうに、心のなかで自分に対してねぎらいの言葉をかけてみると、コンプレックスやトラウマや、ネガティブな思い込みといった厄介でやるせない部分も、すうっと昇華させて飛躍のためのきっかけにしていけるでしょう。
急いだり、焦ったりはしなくて大丈夫です。時間をかけて自分を満たしきり、真正面から見つめていくことも、今の重要な課題です。時間も手間もかけずになんとかできるほど、あなたも単純ではないでしょう。コンプレックスもネガティブな思い込みも、変えていくことは可能です。ただ、よく見ないとどうしたらいいのかわかりません。克服も、強みにすることもできないのです。ただ、決して「いやなことを真正面から見せつけられる」「グイグイと押し付けられる」といった苦しさは伴わないはずです。むしろ「自分を大切にする」という言葉のほうが、似合う時間となるでしょう。
もしも今、あなたが辛い思いを抱えているのなら、「耐える」ことだけに全力を注がないことです。頑張っておられますね。ただ、「この辛さはいつ終わるのだろう」「あとどのくらい我慢すれば幸せになれるだろう」などと、「いつか」のことばかり考えていても幸せは巡ってきにくいのです。今を精一杯生きましょう。それが、この時期をフルに生ききることになるはずです。
さあ、扉を開けて。
12月29日、長い「終わり」の時期を経て「始まり」の時期が訪れます。ここから2022年5月上旬、それから同年の秋から冬にかけて、2回に分けてうお座が主役の「始まり」の時期が巡ってくるのです。2021年5月半ばから6月半ばくらいに起こったことの「続編」と呼べるようなことが起こる人は多いでしょう。また、この占いの冒頭で、人生でもっとも「自分に疑いの目を向けてみる」時期だと書きましたが、そのときにとことん自分らしさを掘り下げた人ほど、ここでのスタートダッシュは力強いものとなるはずです。自分について考えるというのは、自分の土台を踏み固めること。それでこそ、地面を蹴って走り出せます。
少し気が早いことは承知のうえで、来年のあなたのことをちょっぴり書いてみましょう。1年は2021年12月29日からスタートする、と思っていらしてください。ここから5月までのあなたは、12星座のなかでもっとも自分の力を発揮しやすい状態にあります。12星座占いでうお座の「守護星」とされている木星と海王星が、ダブルで巡ってくるからです。新しいサイクルの始まりを、全身で満喫していくことになっています。
ずっと胸の中にあった夢を力強く叶えていく人は多いでしょうし、人生でもそうそうないチャンスをつかんでいけます。プライベートでもイベントが多い時期で、あなたが自分の人生の舵をしっかりと握っていさえすれば、必ずベストな結果につながっていくでしょう。たとえば、結婚する人もいれば離婚する人もいるはずです。「離婚なんて全然、ベストではないじゃないか」と思われる方もいらっしゃるでしょう。もちろん、お互いのために努力を怠ることなく、良好な関係にあるカップルが離婚する! というわけではありません。ただ、もしもあなたが結婚生活を送っているとして、あなたらしさを著しく押さえつけられるような日々であるとすればどうでしょうか。お互いに改善する気持ちがあれば関係の再構築に向かっていけますし、そうでなければ別々の道を歩むことを選択する可能性は非常に高いでしょう。そのときはとても幸せとは思えなくても、あとあと振り返ってみれば自分にとってちゃんと意味のある決断だったと感じられることも、多いだろうと思います。結婚については言うまでもありません。ベストパートナーと出会ってとんとん拍子に話が進む、という人が多いはずです。
こういった“運が味方する”と呼べるような幸運は、星が巡ってくるから……なのですが、私は決してそればかりではないと考えています。いくらいいとされる星が巡ってきても、「何もしなくてもいいことがある」という星回りではないからです。もちろん来年のあなたが頑張るかどうかは今のところ未知数なわけですが、2021年下半期に真摯に自分を見つめ続けた、その時間と労力がもたらすものははかりしれないほど大きいはずです。
だからこの下半期は、どれだけ暗い時期があっても、ネガティブなことを考える時期があったとしても大丈夫です。もちろんどれだけ明るくても、嬉しくても、愛にあふれていてもまったく問題ありません。すべては自分が自分の人生を生きるための準備なのだと思って、自信をもってお過ごしください。光は、必ず差し込みます。鮮やかに強く、そして優しく。
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月ごとの具体的なアドバイスも掲載しておりますので、ご覧いただければ幸いです。