放送作家・おぎすシグレさんの初の小説『読んでほしい』が7月7日に発売となります。
ようやく書けた小説を誰にも読んでもらえない“売れない放送作家”が、悪戦苦闘する日々を描いた物語です。
「読んでほしい」、たったその一言が、どうしても言えない主人公。「今度こそ、言うぞ!」と、次々いろんな人に会いに行くのですが、相手の話を聞くばかりで、自分の話をすることができません。果たして、彼の小説は、読んでもらえる日が来るのか――。
そんな小説の装画を、お笑い芸人・漫画家として活躍中のカラテカ・矢部太郎さんが描いてくださいました。ここに初公開です!
矢部さんといえば、代表作『大家さんと僕』シリーズが大ベストセラーになっていますし、最新刊『ぼくのお父さん』も発売早々、話題です。一目見ればほっこりするその世界観に、心を奪われる人は引きも切りません。
一方、おぎすさんは、これがデビュー作となる、いわば無名の新人作家。今回、矢部さんは、なぜ、この小説の装画を引き受けてくださったのかーー。
その理由は、装画とともに送られてきた言葉にありました。
産みの苦しみを超えた先に、待っていた新たな苦しみ。
誰もが経験していたはずなのに書かれてこなかった、おかしみと哀しみを僕は読みました。
そしてこう思いました。読んでほしい!
――矢部太郎(芸人・漫画家)
日本中を幸せに包んだ『大家さんと僕』。そして、新たな幸せを生んでいる『ぼくのお父さん』。
矢部さんの漫画を読むと、「僕/ぼく」のやさしさも、ちょっと気の弱いところも、伝わってきます。
そんな「僕/ぼく」だからこそ、『読んでほしい』の主人公の“おかしみと哀しみ”に共感していただけたのだと思います。
「読んでほしい」が、また言えなかった……と項垂れる、主人公のせつなさ。
気の小さい主人公が、心の底では「読んで!」と叫んでいる、おかしみ。
そんな主人公を、矢部さんが描いてくださいました。
ということで、もう一度、お出しします。こちらが完成したカバーです。
そして、表紙を開いた、本文の1ページ目(扉)はこちら。
なんとも味わい深い!!
さらに、カバーをはずした表紙はこんな感じなのですが、ここに、ある仕掛けがあります。が、それはお手に取ってからのお楽しみ。
「見てほしいと、言えない」「がんばったのに、言えない」「言いたいのに、言えない」……
多くの人が感じたことのある“あの気持ち”を、切なさと優しさで包んでくれる物語。どうぞお楽しみください。
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【書籍詳細】
書名:『読んでほしい』
著者:おぎすシグレ
発売:幻冬舎
発売日:2021年7月7日(水) ※一部地域では発売日が異なります
定価:1540円(本体1400円+税10%)
判型:四六判並製
ページ数:240ページ
【著者:おぎすしぐれ氏 プロフィール】
1978年1月10日生まれ。名古屋で活躍中の放送作家。16歳(高校1年)のときに名古屋よしもとから芸人デビューするが、2000年に芸人引退。22歳で放送作家に転身。本作が初の小説となる。
【装画:矢部太郎氏 プロフィール】
1977年生まれ。お笑いコンビ「カラテカ」としてキャリアをスタートさせたのち、『大家さんと僕』で漫画家デビュー。大家さんとの日常を優しく丁寧に描いた作風が評判を呼び、シリーズ累計120万部超えのベストセラーに。同作は第22回手塚治虫文化賞短編賞も受賞した。最新刊は『ぼくのお父さん』(新潮社)。また、『星の王子さま』の装画・挿絵も手掛ける(ポプラ社)。
読んでほしい
放送作家の緒方は、長年の夢、SF長編小説をついに書き上げた。
渾身の出来だが、彼が小説を書いていることは、誰も知らない。
誰かに、読んでほしい。
誰でもいいから、読んでほしい。
読んでほしい。読んでほしい。読んでほしいだけなのに!!
――眠る妻の枕元に、原稿を置いた。気づいてもらえない。
――放送作家から芸術家に転向した後輩の男を呼び出した。逆に彼の作品の感想を求められ、タイミングを逃す。
――番組のディレクターに、的を絞った。テレビの話に的を絞られて、悩みを相談される。
次のターゲット、さらに次のターゲット……と、狙いを決めるが、どうしても自分の話を切り出せない。小説を読んでほしいだけなのに、気づくと、相手の話を聞いてばかり……。
はたして、この小説は、誰かに読んでもらえる日が来るのだろうか!?
笑いと切なさがクセになる、そして最後にジーンとくる。“ちょっとだけ成長”の物語。
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